劇場公開日 2016年5月7日

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「どっと疲れました・・・」ヴィクトリア(2015) アオイチ ラムさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5どっと疲れました・・・

2016年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

興奮

始まりのシーンからして、臨場感抜群。目の前で起きているかのよう。
ヒロインと、周りの人との話の進行も、ほんとリアル。
なので、次に何が起きるか相当ドキドキする・・・ヒロインの不安感、生活感(例えば、夜遊びしても、明日仕事あるしー、とかそういうような。)、異国で暮らす気持ち(不安だけれど、友達欲しいから、強きを見せようと無理したり、嫌だって言えないとか。)など、すごくよく伝わってくる・・・・・・それなので、登場人物のことをとても心配になり、場面場面で、声かけたくなるくらい・・・・。
しかし話は一気に進んでいくわけで・・・夜から朝の出来事なのだが、ひとつひとつ捉えていったら、こんな濃い感じになるのかと。
あり得なさそうでいて、いや、あり得る話。
釘付けになるし、緊張しっぱなしで、観るのにすごくエネルギー使った・・・。
画面の色合いとか綺麗で、空気感が伝わってくる、なかなか無い映画だと思う。

しゅま子
浮遊きびなごさんのコメント
2017年9月19日

アオイチ ラムさん

浮遊きびなごです。
コメントありがとうございます!
すみませんでした、色々あって
すっかり返信遅くなってしまいました。

『ダンケルク』は基本的にはサスペンス映画として楽しめはしたんですが、
なんだかあの青年も含めてフランス側の事情については扱いが雑でしたよね。
実はそこも引っ掛かった部分ではありまして(史実ではダンケルク
の浜で撤退支援の為に戦ったフランス軍師団もいたとか)。
ドイツ兵を見せないという意図は好意的に解釈しましたが、
そっちについてはもうちょい触れても良かったんじゃないかと……。

『ヒトラーの忘れもの』はそういう点でも『ダンケルク』より
アオイチ ラムさんの感性に合うのでは――とは思うのですが、
やはりヘビーな話だと思いますので、気力体力全快の時にでも(笑)。
自分も『ヴィクトリア』、レンタル店で探してみようと思います。

『どですかでん』の浮浪者親子の最後は哀しかったですね……。
あの映画ではどの登場人物のドラマもすっきり終わってくれなくて、
やりきれないもの抱えたままそれでも進むしかない、というような。
『トゥルー・ロマンス』にも『どですかでん』にも不満点はあるんですが、
気に入ってる点とかその時の自分の心境とかが相まって、そういう不満も
軽ーく飛び越えてやっぱり大好きな映画ってありますよね
(『ザ・ロック』なんてそういう意味じゃおかしな点ばっか(笑))。
そういう映画をお互い見つけられれば、嬉しい限りですねえ。

さて、長文なのが僕の悪いクセなのでこの辺で。
長ったらしいレビュー&コメントですのに
文章表現誉めてもらえて有難いです!
返信お気になさらず! それでは!

浮遊きびなご
浮遊きびなごさんのコメント
2017年9月13日

アオイチ ラムさん、
コメントありがとうございました!
『ヴィクトリア』観たいと思いつつ
長さに躊躇して観られてませんが、
こちらにコメントさせていただきますね。

『ダンケルク』は……
泥塗れ血塗れのはずの戦場なのにどこか
小綺麗に見えるのは、やはり映像の
せいが大きいんでしょうね……。
“様式美”とは書きましたが、この監督さんの場合、
様式美を狙っているというよりも、もう
スタイルとして染み付いている気がします。
過去作ではそれがマッチしてたと思うんですが、
戦争映画の映像としては、なんと言いますか……
狂気性が足りない気が……。
衣装や顔ももっと汚して良かったかもですね。
ケネス・ブラナーなんてパリッパリでしたもんね。

ただ、パイロット含め敵兵が殆ど姿を見せない点は、
『いつどこから誰に殺されるか分からない』
という緊張感を狙ったのだろうと解釈しましたね。
冒頭や座礁船のシーンでは効果的だったと思います。
それに戦場では、殺される側も殺す側も相手の顔を
見る余裕など無いでしょうし、これはこれでリアルかと。

なので、この映画はテーマを語るより、ひたすら
兵士が恐怖を味わう状況を描くことに徹したのでしょう。
で、そのぶん、敵味方を含めた心理面の描写や
テーマ性が犠牲になってしまったのでしょうし、
そのくせ『感動の実話』や『戦争の英雄譚』っぽい
方向に傾いてしまう終盤の雰囲気に、チグハグな
ものを感じてしまった気がしますね、自分は。
(敵味方の心理という点であれば、未見なら
 『ヒトラーの忘れもの』がオススメです。
 緊張感凄いしシンドいけど良い映画でした)

さて、アオイチ ラムさんはヨーロッパ系映画中心に
相当な量を観られるようで。僕はハリウッド映画と
Jホラー大好き野郎ですが、『どですかでん』と
『キング・オブ・コメディ』は超好きですね!

長々と失礼しました。それでは!

浮遊きびなご