「ピアニストになる夢を断念してベルリンのカフェでバイトしているマドリ...」ヴィクトリア(2015) よねさんの映画レビュー(感想・評価)
ピアニストになる夢を断念してベルリンのカフェでバイトしているマドリ...
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ピアニストになる夢を断念してベルリンのカフェでバイトしているマドリッド出身のヴィクトリアは、深夜に場末のクラブで4人組の男達に声をかけられて意気投合するも、彼らに請われて車の運転を引き受けたことから想像だにしなかった惨事に巻き込まれる・・・という2時間強のサスペンスをワンカメラで実際に2時間強で撮影したというとんでもない映画。ドイツ語をほとんど解さないスペイン人であるヴィクトリアが最初は流されるまま、やがてイニシアチブを取って行動するに至るまでを途切れることなく捉えたストーリーのテンションと、完全ノーカットのワンカメラ撮影ながら演技陣の立ち位置、カメラアングルや視点の移動等が綿密に計算された美麗な映像のテンションが見事にシンクロしていて、完全に映像の世界に飲み込まれてしまい、突き放すように提示されるエンディングまで全く目が離せません。
ドキュメンタリー以外ではあり得なかった撮影手法を大胆に取り入れつつ、サスペンス映画としてのクオリティも申し分なし。映画史に残るべき大傑作であることは間違いないです。
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