「あの夜、あの時、誰が何の目的で何をしたか、最後の最後に明かされる。」ダーク・プレイス 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
あの夜、あの時、誰が何の目的で何をしたか、最後の最後に明かされる。
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一家惨殺事件、生き残った兄と末妹。その兄は、容疑者として28年服役中。
物語の入口はそこからで、さて、真相を探りあてるのか?、新たな事件へと発展するのか?、僕はまずそこで身構えた。
30過ぎてまで「遺族ビジネス」に頼りっきりのビリーのダメっぷり。盗み癖、人間不信、自堕落、シャーリーズセロンでなかったら、肩入れしたくなくなるような女。結局、一番はじめに自分の偽証から兄貴を服役させたままだっていう負い目からずっと抜け出せない人生だったわけだ。
そこへ、事件マニアの集会をきっかけに、それまで目を塞いでいた真相の究明へと奔走し始める姿こそ、シャーリーズセロンの見せ場。
田舎警察の捜査能力の低さにはあきれるものの、ドンパチがなく、ジリジリと核心へと潜り込み真相が明かされていく展開は見ごたえあり。
そして母の最期の言葉。ずっと心に引っかかっていた、その言葉の意味がラストにわかったとき、その悲しき決意の裏にある愛を感じずにはいられなかった。
しかし、兄貴はあんなやつを庇っていたなんて、気の毒に思うのだが、本人はそれでもよかったのだろう。
姿を消した娘を、これから先、ずっと探し続ける人生、か。それもまた、悲しい愛の形だなあ。
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