「既視感ありのミュージシャンもの。」ブルーに生まれついて だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
既視感ありのミュージシャンもの。
イーサンホークがチェットベイカーを演じるということで、見てきました。
まずもってすきっぱにびっくり。イーサンの美貌が台無しよと思いました。
いつも思うのですが、隻腕の役とか、歯がいたんでいる役とかを体現するとき、
実際の腕や、きれいな並びの歯をどうやって隠しているのか、すっごく気になるんです。
脚の切断された姿などね。歯抜けの入れ歯?入れ歯入れるために抜歯してるとか?
一昔前の役者ならともかく、今もなの?なんていうことが気になりました。
映画はね、楽しめたっちゃあ楽しめたけど、
お薬がやめられないありがち過ぎるミュージシャンに、
やはりまったく共感できず、
加えて、出会った頃からジャンキーだったチェットの
何処がよかってんジェーンよ、君、目を覚ませ!
という怒りで、あんまり面白くなかったです。
よかったのは、音楽と、
映画の中で撮影中の映画とチェットの回想あるいは幻覚が、
白黒映像で時々差し込まれていて、
その造り、くらいかしら。
イーサンの歌もよかったですよ。ラッパもよかったですよ。
お薬を横においたとしても、
ジェーンの献身が当たり前とおもい、
彼女自身の望みは、自分のそれよりも優先されなくてしかるべき
という態度に、かっちーんときましたよ。
てめーの面倒は自分で見やがれと。
でも、てめーの面倒を見られない人だから、
ヘロインにおぼれたのですよね。だから言うだけ無駄な話です。
ジェーンの数々の自己犠牲の元で、立ち直りつつあるなか、
バードランドで再び演奏したいと自分で望んでおきながら、
そのプレッシャーをやり過ごすために、結局自分でヘロインをやる。
浅はか。
人間らしいといえばそうなんだけど。
ブルーに生まれついた自分を肯定できたら、また違ったのかなあ。
もうほんとーーーに、ミュージシャンの映画は
ジャンキー映画ばっかりね。
そろそろ見るのをやめるべきかもしれない。
みんな一緒なんやもん。