ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来るのレビュー・感想・評価
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駄作そのもの
世界の至宝,ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団創立125年記念作品。
だが,なんと,この作品にはこのオーケストラの独自性や独特の音色や素晴らしい機能性などの素晴らしさを増幅してくれる内容は一切ない。コンセプトは音楽の持つヒューマニズムやインターナショナリズムの強調ただそれだけであって,オーケストラがロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団でなければならない必然性が全くない。この映画を見ても人生観,世界観,音楽観が変わることはないと断言できる。ゆさぶられることすらない。
冗長で構成感に乏しい100分の後に残るのは,お涙頂戴のセンチメンタリズムだけ。それでも良ければご覧あれ。
指揮者のヤンソンスも,登場する楽員も,ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団も,聴衆も,他の誰か,どこかのオーケストラと交換可能。「ジェットセット」がオーケストラの独自性をなくしたのは過去の話。いまやオーケストラ自体が「ジェットセット」になってしまっているという皮肉な内容だ。メンゲルベルクやベイヌムがこの映画を見たら悲しむだろう。
クラシックの知識がほとんどないのですが、予告編が良かったのと、SW...
クラシックの知識がほとんどないのですが、予告編が良かったのと、SWのOST聴いててオーケストラって凄いなと思い、重い腰を上げて観に行きました。
冒頭5分で睡魔に襲われてしまうという残念な始まりでしたが(作品によるものではありません)、アムステルダムの屋外コンサートの熱気で目覚めた後は、楽しく観賞できました。南アフリカの演奏の場面に出てくる子どものように目を丸くしながら(劇中に出てくる子どもも演奏中一人眠っていたような気が)、オーケストラの奥深さを堪能できました。
クラシックって堅苦しいかと思ってたけど、とてもオープンでドラマチックな音楽なんですな。
もう一度観るならIMAXで観たい。
音の響きが世界を幸せの共通語に変えてしまう!
人は何故音楽を演奏するのだろう?そして何故人々は皆音楽を楽しむ事が出来るのだろうか?
世界各国様々なジャンルの音楽がある。しかし、皆どの種類の音楽を演奏しても、或はどの音楽を聴いても、何故か幸せな気持ちを味わえるのは、一体何故なのだろうか?
そんな音と人、人類の不思議な関係をこの作品は楽しくナビゲートしてくれるのだ。
普通は、ドキュメンタリー映画って正直、途中で眠くなったり、飽きる作品が多いが、これはご機嫌で最後までアッと言う間に時間が過ぎてしまいました!
何と言ってもクラッシックコンサートのライブは高価で、庶民にはそうそう年間何度も通えるものではない。しかし、本作ではそういった素敵なクラッシック音楽をメドレーで、少しずつ味わう事が出来のだから本当にお得な作品だ。
人と楽器が奏でる、その音楽の魅力に迫る事が出来るのだから申し分ない。
正真正銘のクラッシック音楽愛好家の方々に言わせれば、ライブと映画の音では臨場感や、身体に伝わる音の波動は雲泥の差が出ると言うかも知れない。だが、普段は中々目にする事や、聞く事が出来ない、音楽奏者の音楽に対する思いや、情熱そして、音との関わり、そしてコンサート旅行の裏側、移動の部分までもが紹介されるのだから、興味は尽きない。海外コンサートの楽器の移動の仕方迄知る事が出来る。と言う訳で、これはやはり贅沢!な作品だ。
コンサート奏者が明かす、作曲家への思い等々、或はコンサートを聴きに行く聴衆のインタビューもふんだんに紹介されている。そして人間とこれまでの、人類がどのような経緯で、音を自己の生活の一部として、取り入れてきたのかが理解出来るのだ。
つまり、この作品はクラッシック音楽ファンではなくても。人類の歴史の不思議が語られるので飽きる事はない。
人類はこの自然の恵みを得て、それを維持出来る事に感謝し、神への感謝の捧げ物として、踊りや音楽を奉納した。それ故音楽は万国共通の感謝の言葉なのだろう!
だからこそ、音楽を一緒に演奏し、楽しめるのなら、地上のパラダイスを作る事が出来るのかも知れない!!そんな甘い気持ちへと貴方を誘ってくれる本作も一見の価値があるのではないだろうか?
感動させられてしまった
コンセルトヘボウ、マーラー、ショスタコ、ブルックナー、それらの響きだけに興味を持って見に行った映画だったが、かなり内容そのものが濃くて、何度か涙する場面も─。
以前、コンセルトヘボウのマーラーを生で聴き涙した記憶が蘇る。
あの時も自前だと思われるカメラが数台入っていたし、恐らくこの映画は膨大な量の取材をコンパクトにまとめているのだと想像がつく。観客の取材をどれだけしたのか想像がつかない。あれだけ興味をそそるエピソードを引き出すために、相当のカメラ稼働率だと思うのだが─。
どんなに優れた映像でも、音楽そのものはやっぱり生の演奏にはかなわないと思いながら見ていたし、また生で聴きたいなぁでも高いんだよなーでもあれだけの大人数プラス楽器の大移動だから払ってあげないと持たないよなぁ、等々。
でもドキュメントそれ自体良かったし、興味あるものばかりだったので、あっという間に終わってしまった印象。もっと長くして、たっぷり音楽を流してくれてもよかったのに、と多少の不満。
特に最後のストラビンスキーなんかは完全に途中で終わった観。
まぁ次の公演でその気持ちをスッキリさせてください、といったところなのだろう。
聴衆の側にスポットライトを当てた演出が良かったです⭐️
「三大オーケストラ」の一角を占めながらも、ウィーン、ベルリンに比べ 日本での知名度・来日頻度とも控えめな印象のあるコンセルトヘボウ響。 だからこそ 観ておきたい.. と考え、鑑賞しました。
「結成125周年ワールド・ツアー」が主題なので、演奏の模様ばかりに時間を取られる訳にはいかないこともあり、演奏場面は控えめレベル...。 その代わり、ブエノスアイレス、ヨハネスブルグ、ローマの三箇所で公演を待ち望んでいた聴衆に一人ずつスポットを当て その境遇や証言に時間を割いた演出は いずれもなかなか印象的でした。 そのほか、一部の楽団員にカメラを寄せ、外出時の様子や「本番」前の様子などを捉えたのも興味深かったです。 特に ヴァイオリンの男女があるお店で馴染みの店員相手に店内で演奏する模様、それと コントラバスの男性がショスタコービッチ「10番」について熱く語る場面には 引き込まれました。
「クラシックに詳しくなくても」相応に楽しめますが、でも基礎知識はあった方が より楽しめるでしょうし、「退屈... ⭐️つけ過ぎ...」と無教養に切り捨てるほどクダラナい作品とも思いません。 経験の無い方でも この映画を観れば、一度は「生」を観ておきたい... と思わせる作品だと思います。
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