ひそひそ星のレビュー・感想・評価
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やりすぎなまでのSF設定が映画なんだなと思わせ、福島のカラーがやは...
やりすぎなまでのSF設定が映画なんだなと思わせ、福島のカラーがやはり現実的なんだと思わせる。
空き缶
超ミニマムなアート映画でした。
ひそひそ話し、モノクロ、という意味で、園子温過去作の「部屋」みたいだった。
寝不足の時は見ないほうがいいです。
必ず寝落ちします。
映画館で見るなら、ポップコーンは買わない方がいいです。
静かな映画なので、音がいちいち響きます。
まぁ館内、イビキだらけでしたけど…笑
25年前に書いた脚本と、福島を混ぜ合わせた作品のようで。
監督はあまり今作を言葉で表したくないとのこと。陳腐になるから。
でも無理矢理に言葉にすれば、
たぶんこういう事。
声の音量は、放射線量の比喩
音を立てる空き缶は、ずーっと付きまとう被災の記憶(放射能を含む)
恐らくそんなイメージだと思う。
監督自身が被災地に足を運び、被災者の声をきき、何本か福島絡みの映画を撮ってきたことで、彼なりに行き着いたのが「記憶」なんだろう。25年前の脚本ということで、そういう意味でも「記憶」なのだろう。
監督の福島映画の完成系は恐らくこれだと思う。少なくとも希望の国とかヒミズとかよりもグッと核心に近付いた。
削ぎ落として、削ぎ落として、辿り着いたのがこの形だったという事だと思う。
音よりも匂いを感じる
全篇モノクロの作品。
自分は園監督作品は血だったり汗だったり涙であったりこの映画の匂いやべえな
って気持ちでいままで見ていたのだけど
全く匂いがしない。
宇宙というテーマ、ロボットという主人公
だからなのかな?なんか物足りないな
と思っていても荷物を届けるために出会った人物と触れ合う時に自分は微かな匂いを感じました。会うたんびに匂いが伝わって
くるんです。
出演者の一部は福島の市井の人たちで
プロではない独特の雰囲気がまたいい感じなんです。ただひそひそ星というタイトル通りひそひそとしか喋らないので
夢の中に入ってるお客さんが何人かいました。 夢の中でどんな夢を見たのか?
初期から中期の作品を彷彿
今から20年前に描き上げた脚本ということもあり、ブレイク以前の作品を彷彿させる仕上がり。SFとしてはチープな作り、エンディングもバッサリ終わる点は好き嫌い分かれると思いますが、それでも私は楽しめました。名古屋のシネマテークで観たのですが、劇場の雰囲気(余りにも古い)と作風がピタリとマッチしていました。
Young Shion Sono
20年前以上に作ろうとして、制作費の枯渇で断念した作品と言うことである。
押しも押されぬヒットメーカーに成り上がった監督が、その若い頃に心残りだった残骸である絵コンテや脚本を引越しの毎に捨てられずに一緒に連れて行ったという。
あの頃の宿題を、伴侶となった女優を主役にリベンジに燃えるといった感覚なのか・・・
作品自体は文学的というか、芸術的というか、それまでの園作品のエンタテインメント性がグッと押さえられた演出である。初期の監督作品を知ってる人は懐かしいのかもしれないが。観覧したところが、東京フィルメックスという映画祭及びコンペティションの企画内であったので、より一層その商業主義と一線を画す意図にピッタリなのだろう。
人間の記憶がモノと結ばれ、気持ちが倍増していく。そして淡々と流れる時間と繰り返される暮らし。時間を過ごす、やり過ごすということは、果てしない宇宙を旅するようなものであるというメタファをそのまま一種のSF映画っぽくしたテーマ。
常に差し挟まれる曜日や日にちのテロップ。人間達の記憶を刻み込んだ多種多様なモノがしまい込まれる段ボールが宅配される先は何年もかかる惑星間。
ハリウッドやアニメでは描かれることがない、宇宙航行中の果てしない時間の表現。
そして、監督のテーマでもある『福島』。ロケ地は常に変化を続ける。白黒で描かれる今作品の唯一のカラーになる瞬間のカットが元々街であり、現在は雑草が生い茂る荒れ地で、バックの強い波飛沫、遠く澄む青空に福島への愛を感じさせてくれる。
上映時間は100分だが、それ以上に長く長く体感時間は感じた。
ベクトルの逆が『熱帯魚』ならば、これは静とモノが発する音を演出の依り代として表現している。
感想としては、やっぱり、園監督の激しい作品を観たいなぁ・・・(ふぅ)
ほんわり
東京フィルメックスのオープニング作品にて鑑賞。
モノクロームでなんだか時代背景もよくわからない、そんなカットから始まり、のっけから引き込まれる。
雰囲気暗いんだけど、妙にコミカルで違和感がある。何だろう、と思っていたら特撮っぽい宇宙船内セット。外からの宇宙船も少しバカにしたようなデザインで笑える。
でもテーマはなかなかシリアスだし、だからこそその違和感が気持ち悪くもあり、ドキドキもする。
終了後のトークセッションで、25年前には予算的にできなかったものを、今やっとできる。今の自分の解釈をできるだけ入れずに、25年前の彼をリスペクトして作った、と言っていた。
なるほど、と思った。あの違和感は妙に完成度が低いからこそ感じるものだったのかもしれない。
とてもよかった。大人のおとぎ話を観ているようなそんな気分になる。
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