「ファストファッションだけが問題じゃない!」ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償 もしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
ファストファッションだけが問題じゃない!
映画解説にもありますが、ファストファッションの裏側に迫る映画です。
完結にいうと、ファストファッションの1点のコスト、その物をつくる原材料や工賃だけでなく、その物を生み出すことで様々に生まれるコストに鋭く迫った作品です。
昨今では不思議じゃなくなったファストファッション…でも、本当は本当に不思議なんですよね。
普通に考えたら、2980円で売っているブラウスの半分が原価(いや、半分が原価なんていう小売のモデルは絶対に存在しないって言い切れるくらい、半分でもよく見過ぎなんですけどね)、だったとしても、1500円くらいが原価。日本国内の輸送費や海外工場から持ってくる輸送費を大量にもってきたことで1点あたりのコストをさげても、100円くらいでみたって、残り1400円。
逆に、生地から考えると、普通の女性もののブラウスをつくるのに、一着あたり120cmくらいの生地を幅慣れで使うにしても、生地の値段が400円だったとしても480円…のこり1000円で工場のマージンとかワーカーの給料とか、工場の運営費を賄うわけです。
最近何かの記事で、2ユーロかな?のTシャツ自動販売機があって、その販売機でtシャツを買うと、電子掲示板みたいなやつに、あなたが今買ったTシャツは8時間労働で1ユーロの賃金で縫われたものです、みたいなことをやっていたみたいなのを見たことがあるのですが、第三国のワーカーの低賃金や不当労働、未成年の労働は何と無くみんな知っているし、ファストファッションの代償の一つがそのことくらいはみんな知っていはず。ただ、それ以上に地球規模の大きなコストがかかっているということは、ロジックで考えれば頭ではわかるのですが、映像にされると…。正直衝撃的でした。
ただ、大手ファストファッションが、掃いて捨てるように洋服を安価に生み出すことが問題なのではなく、その代償を理解せずに買っては捨てている消費者の方にも多大な問題は抱えているということも同時に感じる映画でした。
飛行機でたった6時間ほどの、同じ「アジア」と言われるところで起きている代償を、買っては捨てている…まさに日常の本当の裏側を知りたい人は是非。