「誤魔化しきれない」デスノート Light up the NEW world U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
誤魔化しきれない
キラの後継者が暴かれる時のドキドキ感は、好きだった。
音楽はとても好きだ。
そして、アマネが切なくていい。
が…。
色々、都合良すぎる。
そして、暴かれた後、これからどうなるっと思ったんだが、別にどうにもならなかった。
天才的頭脳を持つ人間や、死神が暗躍してたとしても…綿密な計画とは程遠いような気がする。
どの提案にも「なぜ?」が付きまとう。
あの意味ありげな折り紙は、結果何の効果もあげておらず、暇潰しだったのか?と思えてしまう。ちゃんと使えよ、伏線として。
そして、捜査員がバカ過ぎる。
あんな地下に膨大な施設を与えられた部署でありながら、なんだあの体たらくは…?
世界観がしまらない。
池松壮介がいくら頑張っても無理だった。
そして、ミシマが分からない。
彼が後継者としてしたかった事、そして、放棄し記憶を取り戻した後のミシマがやりたかった事。
一致しない…。
狂気を感じない。
覚悟が見えない。
今度は犯罪組織に渡ったであろうデスノートを回収するのか抹消するのか…その為にミシマは動くみたいなのだが…。
そんな事はどうでもいいから、笑えよ。
そこまで読み切って、生き残ったのは俺だと笑え。自分を止める機関も人をも凌駕し、自分が頂点だと笑え。
そんなミシマなら、まだ、分かるような気がする。
オリジナルを超えられないスピンオフ作品だった。
見ながらに原作の緻密さばかりを思い起こす出来栄えだったなあ…。
思い起こせば、冒頭のノートが天空より落下してくるCGに違和感を抱き「いや、いくらなんでもそれは…」と抱いた印象が最後まで一貫してあったように思う。
普通に落ちてくりゃいいじゃねえか…。
ただのノートにしか見えないんだから。
わざわざ物理法則を度外視させんでもいいだろ…。
そんな演出側の錯覚が、終始邪魔な作品だった。
なんかオマケ映像がエンドクレジット後に流れるぽいのだが…研究ノートを捨てるとか、どこぞからデスノートの切れ端を出すとかじゃなけりゃ、この作品の評価は変わらない。
まあ、そんな物語の根幹をエンドクレジット後に流すのであれば、作り手の神経を疑うのだが…。