リリーのすべてのレビュー・感想・評価
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リリーのすべて
妻側目線の物語
ヒリヒリする様な感覚がスクリーンを支配しいつの間にか物語の面白さに...
良かった
会場で啜り涙してた人もちらほらいました。
圧倒的に女性客が多かったです。
夫婦役の俳優さんは素晴らしかったです。
作品は、ようやく適切手術をしてくれる主治医が見つかり手術をお願いするアイナーの言う「唯一の希望」妻ゲルダが言う「危険なこと」ここが一番の別れ道かな..自分は理解出来ないのが正直な感想なのでゲルダさんの意見です。手術を許すゲルダさんも切ない..
一回目の手術は許せても、二回目の手術は許せなかったですね。
子供を産みたいのかと生まれ変わったリリーさんは、もう勘弁してくれよ貴方も母親が腹痛めて産んだ一つの身体..ゲルダさんを悲しませて、今度は自分の身体を悲しませてどうするんだよと怒りが込み上げてきたんです。
しかし、ゲルダさんの夫に対する愛情と舞うスカーフに感動しました。
美しい画
骨太な作品
もし男女で観るなら、少し御用心かも??
渋谷humaxにて鑑賞しました。
公開2日目ということもあり、満員御礼で割引が使えなかった。
それ自体は残念なのだが(humaxは何も悪くない)、映画はとても面白かった。
トランスジェンダーの男性が主人公なのだが、1920年代時点ではまだまだ理解されようもない病気に立ち向かい、史上初めて性転換手術に挑む話である。
ぼく自身は正直、性同一性障害とか同性愛などにはあまり興味がないため、ある意味、変に感情移入することなく楽に観れた。
ぼくが面白いと感じたのは、監督の細やかな目線だった。
主人公が、触れた瞬間、感じた瞬間を絶対に見逃さない演出に感嘆した。
物語の構成としては、前半は、内なる自分に気づき困惑する夫目線、後半は、女性としての自分を受け入れた夫に翻弄される妻目線といった感じで、ぼくは前半がとても興味深かった。
一緒に観た女性は後半が面白かったようで、当然ながら男性と女性では観る目線が違ったようだ。
ぼくはアイナーで観る映画だと思ったが、同席した女性は妻目線で観る映画だと言っていた。
もし男女で観た場合、真面目に議論したら最終的にケンカになるかもしれない映画だなあと思った。
とはいえ、とても良い映画だったのでオススメです。
自分ではない
想像してたよりもっともっと重かった
難しい題材
愛しのリリー
分裂しそうな内面を動的かつ端正に描く秀作
1920年代のデンマーク。
アイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は風景画家として成功を収めつつあった。
妻のゲルダ(アリシア・ヴィカンダー)も画家であるが、主流でない肖像画を中心に描いているため、成功には程遠い。
ある日、製作中の妻のモデルの踊り子の替わりを務めたアイナーは、幼い頃からの想いと相まって、自身の内からの女性性に目覚めていく・・・というハナシ。
内なる自分に気づいて、内面が分裂しそうになるひとの話はこれまで何度かお目にかかった。
そういう意味では、それほど目新しくはない。
しかし、トム・フーパー監督は、その内面性を巧みに、それも的確に端正ともいえる映像で表現していきます。
冒頭のデンマークのフィヨルド地方の沼の風景。
それは、アイナーが幼い時分に暮らした土地。
水面に映る立木。
それは、揺らいでいる。
そして、風景に続いて製作過程のアイナーが写し出され、その湖沼地域の風景画を描いている。
この導入部は、後に明かされるアイナーの幼い時分のエピソードを知ると、非常に巧い。
アイナーが自身の女性性に気づく代理モデルのシーン。
ストッキングを履き、右脚を斜めに伸ばしたアイナーは、そのスベスベの脚を自身で魅入る。
このスベスベ感、このシーン以前にアイナーが件の踊り子のもとを訪ね、多数並んだ彼女のスベスベした衣装を手で撫でるところと上手く関連付けられている。
これらの内面の女性性に気づくアイナーを、抑制した表現でみせているあたり、トム・フーパー監督の巧さを感じ、一気に映画に引き込まれていきます。
さらには、妻役アリシア・ヴィカンダー。
たまたま、アイナーにモデルの代替を頼んだことで彼の女性性を引き出すことになるのだけれど、当初はそんな意図などなく、面白半分、ゲームのような気持ちでした。
夫の女装も、ゲーム=つまり、夫と自分とのなかでの秘密の共有、程度だったのが、アイナーの自我を引き裂き、自分をも引き裂いていくさまを、こちらも感情移入できるように演じています。
この引き裂かれた自己、そして引き裂かれて相手を変わらずに愛おしく感じてしまう感情。
このダイナミックな主題を、トム・フーパーは端正に描いていきます。
ダイナミックでありながら端正、相矛盾するふたつを巧みに演出した例としては、次のふたつが挙げられます。
パリに移住したアイナーが覗き部屋で、裸婦を覗き見ながら、自身が裸婦と同化していくさま。
押さえきれない女性性の発露を、部屋を仕切るガラスに映る裸婦とアイナーのシンクロニティで描きます。
ここはダイナミックな例です。
端正なのは、切り返しの上手さ。
言い争うアイナーとゲルダ、手術に挑む前のアイナーと教授など、ふたつの対象をそれぞれのフレームに収めて、的確にみせていきます。
最近の映画では、意外とうまい切り返しが少なく、何気ないショットですが、切り返しに至るまでを的確に撮っているからだと思います。
物語は後半、アイナーの手術にうつっていくのですが、手術は、男性性器の切除と女性器の形成の2回にわたります。
1回目の手術を終えたあとのアイナー(もうこの時点ではリリーですが)の心境の変化にはかなり驚かされます。
それまで抑圧されていたものから解放されて、自由になったわけですが、その自由に対しての渇望・欲求が極端に大きくなっていきます。
物語的には、ここいらあたりがかなり興味深かったです。
そんな自己解放が進んでいくアイナー/リリーを愛しつづけるアリシアには胸が押しつぶされそうになりました。
観終わってまだ整理がついていないので、とっ散らかったレビューになってしまいましたが、評価は「秀作」です。
暗いが観る価値が多いにある映画
全体的に暗い映画だった。
主人公に救いがないのが辛い。
手術が成功して女になったらリリーとゲルダの関係はどうなるのか。お互い幸せになれただろうか。
科学的に同性愛が先天的なものであると解明されているにも関わらず未だにLGBTの人々は人権を侵害されており、中には苦悩の中で死んでいく人もいる。
今から50年前の映画界で同性愛者に関する作品が多額の予算と力強いスタッフにより作られ、アカデミー賞の作品賞にノミネートされることが予期されていただろうか。確実に人類は差別撤廃に向けて一歩ずつ進んでおり、この映画はその一歩を象徴する作品である。
1人でも多くの人がこの作品を通してLGBTへの理解を深めることを願う。
力強い映画だった。
究極の悲劇であって、ラブストーリーとはちと違う。
エディレッドマン、アリシア・ヴィキャンデルの演技力は言うことなし。おそらくエディは日本では「イケメン俳優」という認識が高いから、女性役というのにアレルギー反応を示す人はいると思うが、ある一点を超えて、男性が完全に「女性」になる、スムーズなトランジッションは圧巻。ちなみに彼の演技のポイントは、「笑顔」です。フーパー
ただこの映画は、究極のラブストーリーではないと思う。
というのは、恋においた男が「女」に変わっていく戸惑いと、それでも「好き」の感情ではなく、「愛した」「事実」から、抜け出し切れない苦悩が描かれていて、物語の中途から、愛し合っていた二人は、ものすごく近いのに限りなく遠い二人になる。なぜなら、二人を繋いでるのは心ではなくて、形だから。極めて美しい悲劇です。
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