リリーのすべてのレビュー・感想・評価
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色んな意味で「開拓者」
最近はあまり会ってないが、
以前はゲイの友人とゲイバーに行ってました。
彼はとてもイケメンで高身長。
常々「もったいない男」と呼んでましたが、
彼は彼でいつも、自分の中身に悩んでました。
その彼との話でこの映画が話題になり、
彼は、リリーほど望んでいない、とは言ったが、
全てが許される状況なら、手術するかもと。
そう望んだ場合、環境が大事。
途中葛藤を見せながらも、
ゲルダの包容力が素晴らしい。
リリーは幸せ者だよ。
個人的に、
野暮ったいベンウィショーが嬉しかった。
愛の沼地に入り込む映画
リリーとゲルダのすべて
まずエディ・レッドメインの演技が素晴らし過ぎる。
リリーがどんどん姿を表して来る様や所作は圧巻だった。
リリーの踏み出したこの第一歩は月に人間が行くのと等しい
勇気だと思うけど、
僕的にはゲルダの苦悩がしっかり描かれてて、
感情移入出来た。
今でこそLGBTQも一般的に知られ、
それなりに知識もあるけれど、
当時同性愛だとか性同一性障害とか言われても、
信じ難かったと思う。
本編のセリフのように何か趣味の悪いゲームに付き合わせれてるんじゃないかと思って仕方がないと思う。
それを、もしかしたら自分のせいでと言う罪の意識からか、
愛する人の本当の希だからか、最後まで側にいてあげた
ゲルダもまたスゴい人であったと思います。
しかも、この手術の成功は、
愛した人の望みを叶える事ではあるけれど、
自分の愛した人はいなくなると同じ意味を持つと言うところ
が泣けました。
とても良い映画だったと思います。
美しくも悲しい映画
ノンバイナリーの悲鳴
オリンピック2020東京大会での最大のトピックは、複数の「LGBTQ+選手」のカムアウト参加だった。
それについてはSNS上では盛んに意見が戦わせられた。
・場違いな自己主張で五輪を利用するな、キモい
・元男性が女子競技で勝つ=体格の優位性の悪用
・性別種目の崩壊
・LGBTQ+用のクラス新設が必要
・いっそ全種目をバリヤフリーの混合にしては?
等々。
そしてそれら紛糾する投稿の中で、ノンバイナリーの支援者の立場から寄せられたオーサーコメントには、僕は唸ってしまったものだ
すなわち
― 戸籍上の性別変更を日本政府は形式の上では認めているが、そこには“臓器摘出の強要“という欧米では考えられないような野蛮な条件がつけられている ―
と。
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【僕はどう捉えるか?】
リリーのように、
摘出・切除を望む当該者の気持ちを、僕はどう受け止めるべきなのか、まだ分からずにいる。
①自分を今の姿でありのままに受け入れることと、
②自分をありのままに受け入れるために自分を改造することと・・
このふたつのどちらに、正解があるのだろうか。
肉体と精神の不整合という「違和感」を訴える本人の気持ちに対して、(改造せずに今のままの肉体であり続けること=)それをも受容してみる=そのようなもうひとつの新しい決断はあなた自身と他者の両者共に、更なる多様性を認め合う、次世代の生き方と言えないか?
また、“改造”は自己実現ではなく、自己否定なのではないか?
と、
僕は問うてはいけないのだろうか。
ゲルダの問いかけには一切の返答をせずにリリーは微笑むだけで。リリーは自分の道を進み、ゲルダは孤独に取り残されるのだが。
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「彼氏」だと思っていたのに「彼女」だったというパターンは「わたしはロランス」に重なる。本人は夢を叶えて目をキラキラさせている。
しかし映画の主題は「置き去りにされるパートナーの混乱と苦渋」だ。
本作品「リリーのすべて」でも主演はリリーではなく、エンドロールでキャストの筆頭に挙げられたゲルダだと思うのだ。
⇒男女逆パターンのシナリオの映画があったら、ご同好の皆さん教えて下さい。
ちなみに
男性の夫と結婚している妻だけど、(=いわゆるノーマルな外見上多数派の男女の結婚だけれど)、
本当のところは実は彼女の心は男性で、夫には知られずに男性同士の同性愛として結婚をしている
という人を知っているので。
小説にも同じケースのものがありますね。
性的指向や性自認のノンバイナリーは、そのケースは人の数だけ存在するのだろう。
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美術学校でクラスメートだったというリリーとゲルダ。
違うタイプの絵を描く二人だったけれど、
今一度リリーの生まれた土地ヴァイレに戻って、リリーの存在の源流を眺めるゲルダと親友。
「リリー」とは何だったのだろう。
思いを巡らす素晴らしいエンディングでした。
風景はあくまでも美しく、
人物個々は被写界深度の浅いカメラでその人の心象まで写し、
そして二人のシーンでは背景はあっさりとミニマムに撮る。
くすんだ青い服、青い壁、青いシーツ、青い空。
リリーが、心身が訣別していく過程は、シンメトリーな画面と色彩の補色=黄色が効果的。
問題提起をば様々な手法をもって、揺れる心と決断までを、スクリーンの構図と色彩で映像化する、
まったく見事な映画芸術でした。
ちなみに我が弟はカミングアウトしていて、本も出しています。
世界で初めて性適合手術を受けたひと
1882年から1931年まで生き、1930年から1931年にかけて5回の性適合手術(男性から女性)を受けた夫と、母国デンマークで同性愛は犯罪であった時代に、夫の性転換を理解し支援した妻の、愛の物語だった。
主演のエディ・レッドメインさんがとても美しくてびっくりした。そして、ある日を境に普通の男性が女性になっていく過程や、妻と好きになった男性への愛情の間で葛藤する様子をとてもリアルに表現していた。
この世で一番素晴らしい女性を見つけた‼️
ゲルダに感情移入してしまう
思い悩むリリーの話かと思ったら、妻のゲルダを応援したくなる話だった。
リリーはいったいいつから性の違和感を感じていたのだろう。子供の頃の話が少し出てくるけど、描写が足りないような気がした。
どれだけ辛い思いをしてきたのか…もう少し知りたかった。
ほとんどリリーが決心してからの話なので、心の葛藤はむしろゲルダの方に感じてしまった。
夫として愛してきた人が女性になったら…
そこにいるのに過去の夫はいない。
それでも支え続けたのは、彼(彼女)を愛していたからなのか…
ゲルダの幸せを願ってしまった。
非常に繊細なタッチの作品
とにかくエディレッドメインが綺麗。本当に外見も女性と思いながら見入っていたほど。
最後もじんわりと感動が。
前半部分の、体を女性にしたいという気持ちを徐々に出していく様が、言葉ではなく雰囲気で出していく、この技術には驚かされた。演技のみならず、カメラワーク・構図も美しい。
本当に見て良かった。そう思える作品だった。
エディ・レッドメインの演技力の真価!
恋愛なのか愛なのか
妻より女性らしい夫と愛の深い妻の苦しみ。
本当の自分を知ってしまったとき
タイトルなし
はにかむリリーの笑顔が可愛い
実在の人物だった リリー・エルベ(アイナー・ヴェイナー)と、画家で妻のゲルダの苦悩を描いたお話し。
この作品は、一体誰目線で観れば良いのか…。
やっぱりどうしても、ゲルダ目線での鑑賞となってしまうので、もし 愛する人から この様な告白を受けたら、ゲルダの様に気丈に振る舞って居られるか…と 考えると、ゲルダは本当に強い女性だなと思う。
いや、強い女性と言うよりも 強く在らないといけない…愛するアイナーの為に尽くそうとする女心が垣間見え、悲しい思いで観ていた。
実在の人物を描いたお話しだけど、かなり脚色されていると思うので、実際はどうだったのかな~とは思うけれど、世界で初めて性転換手術をし、男性として生まれながらも 女性として亡くなっていったリリーに思いを馳せながら リリーの最期を見守った。
素晴らしい
久々に素晴らしい映画を観た気がした。
愛する人を死や生き別れ以外で失うことがあるのだと、それは避けようもないことなのだと突きつけられ、ゲルダを思うと胸がえぐられた。
ゲルダの夫に対する愛こそ、見返りを求めない本物だと感じられた。それを見事に伝える素晴らしい演技に良い意味で呆然と観た直後は何も考えられなく、この映画の世界観から抜け出せなくなった。
リリーとゲルダの関係性は愛を超越している。
このようなセクシャルな内容の場合、後味が悪くなることが多い印象である。しかし、この作品では脚本、演者、映像構成など全てにおいて優れており、観ていてどこか心地良さが感じられた。それだけではなく、強烈に心に突き刺さるメッセージ性も備えられており、かなり良い作品であった。
本当に素晴らしい作品に出会えた。
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