劇場公開日 2016年3月18日

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「究極の愛のカタチ」リリーのすべて UtAさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5究極の愛のカタチ

2016年10月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

 美しく、観るものを魅了する素敵な作品だった。終始、美しいデンマークの街並み、淡い色に包まれた世界観に心を奪われてしまっていた。

 作品では、まだ性の理解が進んでいない頃の ひとりのトランスジェンダーの生き様が描かれている。これが実在の人物をモデルにしているときたから驚きだ。LGBTの理解に繫がる話と見ても良いが、それ以上に、「自分は何者であるのか」という疑問を持つ気持ちは誰しもが同じであり、模索する姿は私たちとなんら変わらない。トランスジェンダーとしてのありようではなく、一人の人間として自分自身の在り方を模索する姿に重きを置いて観てほしい。

 そして、この映画で一番の見どころは、主人公の妻だ。自分の夫が女装に目覚めてく、最初は、ほんのお遊びだったのに…
自分の夫がそんな状態に陥ったらどうするだろうか、想像ができない。それでも全身全霊で主人公を支え続けた彼女の愛は、夫婦を超える。究極の愛とはまさに このことだと思う。

UtA