「カリブ海からのおくりもの」フリーキッチン いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
カリブ海からのおくりもの
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カニバリズムの語源はスペイン語のカニバル=カリブ族のことで、カリブ海の民族は人肉を食べると信じられていたことから、とのことらしい。
人食という禁忌を冒すという背徳を軽々と飛び越えるサイコパスが現実社会でもあり、それをファンタジーとして扱うことは、ある意味恐怖を通り越してコメディでもある。そんな作品である。
漫画が原作と言うことだが、未見で鑑賞。
母親が風呂場で肉を解体する音が異様に鳴り響く。オノマトペ的には『グチャグチャガツガツ』ということだが、表現にしにくいことこの上ない。
そして綺麗に調理された料理を食べる時の音。
飼っているフタアゴトカゲがコオロギを補食するときの音。
そう、この作品は『音』が異様に鳴り響く。
不気味で悪感、そしてそれが普段も通常に鳴り響く類。
あちらの世界とこちらの世界の薄い壁がそこには存在する。
オチは好きな女の子も又、カリバニズムであり、その娘の母親に以前、主人公の母親が捕食されそうになり、寸でで逃げることが出来たということが後で分かるという面白い結末も用意されている。
主人公の『好きな女の子を食べてみたい』という欲望は、解体場所でもある風呂場で湯船に浸かるという生活からも、そんな環境ならばさもありなんって感じである。
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