「中井貴一さんのコメディセンスが十分に生かされなかった作品。但し、早朝のモーニングショーの裏側のドタバタシーンは面白い。」グッドモーニングショー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
中井貴一さんのコメディセンスが十分に生かされなかった作品。但し、早朝のモーニングショーの裏側のドタバタシーンは面白い。
中井貴一さんの俳優の資質の幅広さ(喜劇からシリアス現代劇、時代劇までを高いレベルで演じられるスキルの高さ)は、皆が認識している事だろう。
ここ数年で劇場で拝見した作品で印象深かったのは
1.三谷監督の「ステキな金縛り」(絶品)の幽霊が見えているのだが、それを頑なに否定する検事役(彼の亡き愛犬と戯れる場面は忘れがたい)
2.「柘榴坂の仇討」(良作)の主君を討たれ、江戸時代が終わってからも時代の変化の波に乗れず、髷も落とさず仇討を果たそうとする武士
3.「アゲイン 28年目の甲子園」(佳品)の高校時代、野球部のキャッチャーだった男が一人の若き女性(波留さん)の熱意に絆され、過去の苦い思い出を乗越え(かなり涙を堪えるのが難しい場面の数々)、 マスターズ甲子園に出場する男
4.「花戦さ」の織田信長
であるが、この作品では中井さんの資質が活かされきっていない感があった。
落ち目で、妻との関係もギクシャクしているモーニングワイドショー番組キャスターが立てこもり犯の説得役として、オロオロしながらも現場に防弾使用で赴き、犯人とやりとりをする過程やモーニングショーの視聴率至上主義を金科玉条のように掲げる姿勢はそこはかとなく面白みはあるのだが、そこからの展開がやや尻すぼみ感があった。
キャストは豪華だし、脚本がもう少し練られていると更に面白かったのになあ、と思った作品。
<2016年10月8日 劇場にて鑑賞>
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