「映画ならではのいいところも有り」暗殺教室 卒業編 ヤマモトさんの映画レビュー(感想・評価)
映画ならではのいいところも有り
暗殺教室 卒業編、観ましたよ~。
そうですね~。評価は2にしようか2.5にしようか迷いましたけど、2にしました。
まあ最悪では無かったと思います。楽しめました。ですが私はかなりの原作ファンです。原作を愛するものとして、おやっと思うところが多いんですよね。
この監督は私ほどは原作愛がないのだろうと思います。
アニメとは違い、尺が足りなすぎますから、大幅に原作を改変するのは問題無いと思います。ただ、それでは説明のできない違和感が多数・・・
では、良かったところと悪かったところを挙げていきます。まずは良かったところ。
・死神とあぐりのガラス越しの極細触手での触れ合い
良かったですねえ。キレイで。切ない。名シーンと言えるでしょう。
・渚とカルマの決闘
思いの外良かった。スゴいスゴい。迫力あったよー。まったく期待してなかっただけに、ちょっとびっくりです。スターウォーズ エピソード7の出演者には彼らの爪の垢でも飲んでいただきたいです。(笑)
・原作とのストーリーの乖離
これを良かったところに挙げないといけないところがツラい。原作レイプと憤る方もいらっしゃるとは思いますが、私はまあ有りかな、と。映画ならではの面白さがあると思います。アニメは原作に割と忠実ですので、読み込んだ私にとっては先が読めます、と言うか知ってます。ですが映画は全然違いました。似たエピソードを盛り込んでいますが、全然違う。烏間先生のコスプレが女子生徒拉致事件現場で出るとかね。予想できない面白さがありました。2代目死神がいなくて柳沢が代わりを勤めるのも良しとします。ホウジョウが単なる司令官なのも。
うーん、もう良かったところ終わり? もうちょっとあったような気もしますが・・・
では悪いところ。私は基本的に辛口なんですかね。いっぱいあります。
・キャスト全般
前作からそうなんですけどね。渚役の山田君は悪くは無いのですが、役作りのためなのかちょっとなよなよし過ぎです。声とか。ちょっとイメージ違うんだよなあ。
ビッチ先生がカタコトなのは絶対おかしいです。ビッチ先生は言語のエキスパートのはず。なんで日本語下手なんだよ~。
烏間先生はもっとイケメンのイメージでした。
カルマ君はもう少しクールと言うかスマートと言うか。菅田君は少しバタ臭い感じがしました。
・継ぎ接ぎでシーンをくっつけていてよく分からない
尺が足りないのは分かるのですが、もうちょっとなんとかならなかったのかなって思いました。これは原作読んでない人に不親切かも。
・細かいところで作りが雑
原作では2代目死神の裏切りにより捕まる死神ですが、映画では2代目が出てきません。だから死神は単なる自分のミスで捕まったことになります。スキルマスターの死神がそんなことで捕まるの?
ビッチ先生がランボー並に暴れるシーンがあるのですが、ロケットランチャーを撃った直後のカットでまだと言うかもうと言うか弾頭が存在する、とか。
原作では殺せんせーは移動の際、ぺたぺたと歩くイメージが強いですが、映画だと常に瞬間異動してますよね。違和感感じます。もうちょっと落ち着け。
茅野の手術シーンも服を着せたままやるなよ。そう言えば女子生徒が拉致されたとき、「カルマがさらわれた」って言わなかった?空耳?
粉塵爆発で脱出。粉塵爆発の理屈は分かるけど、あの閉じ込められたところでどうやってやったのさ? 壁が粉っぽいからって爆発起こすほど集められるとは思えないんだけど。あんな爆発させて生徒が全員無傷ってのもちょっとなあ。
・死神とあぐりの話に時間かけ過ぎ
ちょっと時間をかけ過ぎかな? 物語の根幹をなす重要なシーンではあるのですが、もう少し短くまとめられませんでしたでしょうか。そうすれば他の話をもっとちゃんと表現できたのに。いつまでやってるんだろうって思いましたよ。
・渚とカルマの決闘の決着の仕方
あー、もー。格闘シーンは上で良かったところに挙げましたが、決着のつき方は全然ダメでした。渚がなよなよしすぎで気持ち悪い。イジメられっこみたい。やだやだ。山田君の演技なんだよなあ、問題は。
・キスシーンの描写が原作に遥かに劣る
渚と茅野のキスシーン。原作ではいきなりキスされた茅野は、何が起きたか分からない→理解して恥ずかしくなり暴れる→力が抜けて失神 と推移するのですが、まったくそれが表現されていない。なんですかあれは。ちなみにその後の触手抜きもテキトーすぎですよ。ただ引っ張るだけって。トゲ抜きみたいなので精密作業を行ってようやく抜ける物じゃないのでしょうか。
・致命傷シーンが致命傷に見えない
あぐりが触手地雷で致命傷を負ったときも、茅野が柳沢から攻撃されて致命傷を負ったときも、全然ダメです。あぐりが触手を食らったシーンはカットされているし、茅野は単に吹っ飛ばされた様にしか見えません。原作を読んだ方なら分かると思いますが、双方ともに衝撃的でした。特に茅野の胸に穴がぽっかり開いたときは。絶対もう助からないと思いましたけどねえ。
・磯貝君いた?
私が好きなだけですけどね。他の連中は全員殺せんせーにタメ口なんですが、彼だけは敬語です。こう言う子好き。もっと活躍させて欲しい。サバゲーが渚とカルマの決闘に変更されたのが痛い。
やっぱり悪かったところの方がたくさんですね。でも結構観てた皆さんの評判は良いようです。私の原作愛が多少この映画の評価を貶めた可能性はあります。
オススメとまでは言えないかな。まあ楽しめないこともありません・・・くらいの評価です。