劇場公開日 2016年4月22日

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「美しい」レヴェナント 蘇えりし者 ケルさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0美しい

2018年2月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

怖い

興奮

私はこれまでこの映画ほど美しいと感じた映画を観たことがありません。
何もかもが美しかった。雪景色、水の流れ、揺れる木々、焚き火の炎、全てが美しい。その真横でレオ様が血反吐を吐いていても。観ているのが辛いシーンも多くありました。しかし目が離せなかった。どんなにえげつない事が行われていても。美しかったから。
私は芸術に疎いです。有名な画家の絵画のほとんどは私にとって理解しがたいものです。ですがこの映画を観て、ひょっとすると芸術的とはこの映画のことを言うのではないか、何となくそう思いました。
全編に渡り印象的なのはレオ様の吐息の音。変な意味ではありません。極限の環境の中、息も絶え絶え、体も上手く動かせない、しかしまだ生きている、死ぬわけにはいかない。それが、強すぎるくらい伝わってくる演技、演出でした。レオ様の演技は素晴らしかった。本当に雪山に放り出されて、サバイバル生活を強いられているのかと思いました。
本当に不思議な気持ちになる映画でした。自分の語彙力の低さに腹が立ちますが、とにかく美しいのです。血みどろで、えげつない、しかしそれを含めた全てが美しく見えてしまう。不思議です。
もう一度見直したいのですが、気力の方がもつかどうか分かりません。正直観た後はかなり疲れました。

➀この映画の舞台で同じような状況でサバイバルする。
➁無人島でバレーボールに名前をつけて一緒に
暮らす。
➂火星で芋を栽培しながら暮らす。
どれが1番嫌かと聞かれれば、私は➀です。➀になるくらいなら、火星でバレーボールに名前をつけて芋栽培に勤しみます。絶対に嫌です。散々、美しいとか言っときながらあれですが。観客の側だから言えることですね。

素晴らしい映画でした。惜しむべくは、映画館の大スクリーンで観られなかったことか。
皆様にも観ていただくことをお勧めします。

最後になりますがグロ注意です。

ケル