「【”大切な貴方、愛しい人よ・・。””幸せと不幸は隣りあわせ。”民族、宗教や身体的障害など多くの壁を、音楽の力で乗り越えて行く多民族国家・マレーシアの若者達の姿が胸を打つ、慈愛と寛容さに溢れた作品。】」タレンタイム 優しい歌 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”大切な貴方、愛しい人よ・・。””幸せと不幸は隣りあわせ。”民族、宗教や身体的障害など多くの壁を、音楽の力で乗り越えて行く多民族国家・マレーシアの若者達の姿が胸を打つ、慈愛と寛容さに溢れた作品。】
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■ある高校で音楽コンクール“タレンタイム” が開催される。ピアノが上手な女学生・ムルーは、耳の聞こえないマヘシュと恋に落ちる。
一方、二胡を演奏する優等生・カーホウは、歌もギターも上手なハフィズに成績トップの座を奪われ、わだかまりを感じていた・・。
◆感想<Caution!内容に触れています。&沁みたシーン。>
ー 今作は、若くして亡くなってしまった、ヤスミン・アフマド監督の、多民族国家・マレーシアの抱える現実を描きながらも、人間性肯定感に溢れた慈愛ある作品である。ー
・女学生・ムルーが、マヘシュが耳が聞こえない事を知らずに苛立つシーン。だが、彼女はマヘシュが聾唖者であることを知っても、彼を遠ざけず、逆に親密になって行く姿。
・マヘシュの母が、ムスリムのムルーとの恋を認めない姿に対し、雨の中膝を付きながら、手話で必死に語り掛けるマヘシュの姿。
・二胡の得意なカーホウが、それまで常に学年一位の成績だったのに、病の母の看病をするハフィズに抜かれ、愚かしき父親に叱責される姿。
故に、彼はハフィズとは微妙な関係であったが、タレンタイムの際、ハフィズがギターで演奏している横に椅子を持って来て、伴奏をするシーン。そして、演奏後、抱き合う二人の姿。
<等々、今作は多民族国家・マレーシアの音楽コンクールに臨む若者たちの青春を描いた作品であり、彼らが民族、宗教の違いなどの壁に葛藤しつつ、交流していく様が素晴しき作品である。
全ての民族が、他民族に対し、寛容な姿勢で接すれば、世界の紛争は激減するであろうに‥、と思ってしまった作品でもある。>
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