「ナチス兵309名を射殺した実在のソ連女性狙撃手の取り憑かれた様な血まみれ土まみれの姿」ロシアン・スナイパー Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
ナチス兵309名を射殺した実在のソ連女性狙撃手の取り憑かれた様な血まみれ土まみれの姿
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ナチス兵309名を射殺した実在のソ連女性狙撃手リュドミラ・パブリチェンコの戦いを描いている。途中から愛する同僚を殺されたことへの復讐心を持って狙撃する取り憑かれた様な姿を、冷徹な美貌ながら血まみれ・土まみれで演じたユリア・ペレシドがとても魅力的であった。
決して過度な英雄視はせず、彼女の名声や人気・アピール力を利用するソ連軍や政治家の姿を静かに描いていて好感を持った。そして彼女自身も友人も愛する男たちが戦鬪で奪われていき、戦争の非常理・惨さを伝える。
報われないまま、大きな愛でずっとユリアを見守る医師ニキータ・タラスフの姿、脱出させた彼女以外の殆どの軍人が亡くなったというクリミア半島のセヴォストポリ陥落の闘いの激しさに、心打たれる。
セルゲイ・モクリツキー監督による2015年製作のロシア・ウクライナ合作。
脚本はセルゲイ・モクリツキー、マキシム・バダリン、イゴール・オレショフ。撮影はユーリー・コロル、音楽はエフゲニー・ガルペリン。
出演はユリア・ペレシド、ニキータ・タラスフ、エフゲニー・ツィガーノフ、オレグ・ヴァシリコフ、ジョアン・ブラックハム、ポリーナ・パクホモヴァ。
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