劇場公開日 2015年12月23日

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「ビアンカの”歌ってると、生きてる実感が湧く”は真理。それはそのままアドニスが戦う理由に繋がってるから。」クリード チャンプを継ぐ男 平田 一さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ビアンカの”歌ってると、生きてる実感が湧く”は真理。それはそのままアドニスが戦う理由に繋がってるから。

2016年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

興奮

初めて映画を観に行ったのが、早いもので1年前。あの時は疲れかそれか別の理由で眠ってしまった。多分”果たしてロッキーシリーズ観ていなくても平気だろうか?”なんて変に肩の力を入れ過ぎたんだろうなと思う(それで映画を結果観れずは、恥ずかしい事にアホらしいな)w

ようやく今度はバッチリに映画を無事に観ることができた。うん、すっごく良かったし、覚えたい言葉が沢山。例えば上の題名にあるビアンカが歌う理由。安易にその言葉通りに人生は行かないけど、自分に嘘は付きたくないって気持ちはしっかり受け取った。ビアンカもクリードも自分らしく生きたいって思いを共有しているし、だからこそ惹かれあうのに都合の良さはみえなかった。ナチュラルで微笑ましくて応援したくなるほどだよ。

もう一つはロッキーとクリードの特訓場面の台詞。鏡の前に立ってロッキーがクリードに、

”(鏡に映るクリードを指して)ここにお前を睨んでいる奴がいるだろ?最強の敵だ。お前がリングに上がるたびにこいつが立ちはだかる。それはボクシングでも人生でも同じだ”

という台詞です。先日観た『サウスポー』のフークア監督も”仕事は人生の一部に過ぎない。人生は試合だけじゃなかったのだと気付くことは、よくある”と、ボクサー経験者ならではの重みある言葉を言ってました。この映画でも無知ゆえにビアンカのライブで大暴れし、ロッキーとも言い争う場面が描かれてましたよね?”ああ、やっぱり試合外にも戦いってあるんだな”って改めて実感し、自分と不意に重ねました。未だ『ロッキー』が愛されてるのは、人生も描いているからなのかな?書いててちょっと恥ずかしいけど、正直そう思うんですよね。

もし前半パートだけ見て、”足りないし、アドニスはロッキー以上の主役か?”と頭の中で思ったのなら、そこで終わらないでください。そう感じるのは当然のこと。何故ってロッキーの登場以降が映画の本番スタートですし、足りない気持ちは前職中のアドニス自身も同じこと。つまり客が主人公とシンクロしたってことですから。

ところで続編あるらしいけど、監督続投するんだよね?スタローンかクーグラー監督以外はあんまり嬉しくないなぁ…。

平田 一