劇場公開日 2016年6月1日

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「そのヒーロー、アンチにつき」デッドプール 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0そのヒーロー、アンチにつき

2016年6月4日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

アメコミはもうお腹いっぱい?
いやいや、まだまだ、何の何の。
だって、こんな破天荒でユニークなヒーローがやって来たんだから。
デッドプール、参上!

正直、「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」の時は特別印象に残らなかった。
最後は口を縫われた姿で出てきて、不気味な悪役キャラだなぁ…ってくらい。
だから、そんなキャラを主人公にしたスピンオフが作られると聞いて驚きもした。
ところがところが、このデップー、アメコミファンの間では知らぬ者は居ない人気キャラなんだそうな。
文字通りの待望、R指定なのに全米メガヒット!
予告編も面白そうだし、そうなってくると(困った事に)またミーハー心がくすぐられる。「アントマン」の時のように。

正義感ゼロ、責任感ゼロ。
口から先に産まれて来たかのようにべらべらべらべら、果ては観客にまで話しかけてくる。(オメェは古畑任三郎か!)
戦い方も過激で下品、下ネタ上等。
他のヒーローと一線を画す、異色のヒーロー…いや、アンチ・ヒーロー!
このキャラ、一発で好きになってしまったわ。
昨今のヒーロー映画事情を嘲笑ってるかのよう。
シリアス路線のヒーロー映画に対し、「辛気くさいじゃ~ん」。
ヒーロー対決モノに対しては、「俺ちゃん一人でも全然余裕っしょ!」。

最初から最後までノリノリな痛快作。
まず、オープニング・クレジットに笑った。うんうん、納得しながら。
アクション・シーンはいちいちキメてくれる。俺ちゃん、イカしてるぅ~!
バーテンの友人、同居人のバアサン、X-MENメンバーのコロッサスとのやり取りも笑える。
本家「X-MEN」へのリンクネタにニヤリ。
パロディ?オマージュ?通な映画ネタ、自虐ネタも堪らない。
エンドクレジット後やスタン・リーを探せ!のお約束も。
話は単純。俺ちゃんをこんな姿にしたクソ野郎をブッ殺す。
見せ場はたっぷりだが、昨今のヒーロー映画と比べスケールはコンパクト、悪役も結局コイツかい?…ってレベル。
それはその筈。
だって、正義や世界や人類の為に戦ったりしない。
それに、一番のワルはこのデップーなんだし。
どんどんどんどん暴れまくれ!

11年越しの悲願!
途中挫折しないで、よくぞ映画化まで漕ぎ着けてくれた、ライアン・レイノルズ!
キャリアは長らくパッとせず、グリーンなんちゃらなんてアメコミ映画に出たりもしたけど、充分お釣りが来るくらい。
映画化出来たのは某オーストラリア俳優に媚び売ったからじゃない、ひとえにライアンの努力の賜物。
彼こそ本当のヒーローだ!

ウェイド・ウィルソン時代もろくでなし。
デップーになってからも、本人が言うように人殺し。
でもその背景は、どのヒーローよりも暗い。
傭兵時代は忘れたい過去。表には出さないが、その時の行いを悔やんでいる。
そんな時出会った、まるでパズルのピースのようにピタリと合う運命の女性。
クソッタレの人生の中で手に入れた幸せ。
その矢先、末期ガン。
愛する彼女の為にミュータント人体実験を受けるが、それは拷問と同等、いやそれ以上。
不死身の体を手に入れた変わりに、醜い姿に変貌。
それ故、名乗り出る事も出来ない。
戦うのは正義や世界や人類の為でも、自分の為でもない。ただただ愛する女一人の為。
本人が言うように、予想外のラブストーリー。
困ったちゃんだけど、実は一途で純情なヤツ。

惚れたぜ、デップー!
これ一本で終わりは勿体無い。
勿論続編はあるみたいだけど、本家殴り込みしないかなぁ~。
そうすれば、前作より成績が落ち込んだ本家にとってもいい過激剤になる筈。
それに、あのワイルドヒーローとの再会も見たいし♪

近大
としぱぱさんのコメント
2016年7月4日

近大さん、コメントありがとうございます。
後れ馳せながらやっと観てきました。
いやー、おもしろかったですね。
予定調和な既成概念に囚われて苦悩するヒーローより
こういうはっちゃけた邪道ヒーローもありですね。
是非次回作、作って欲しいなあ。
次はX-MENファイナル、亀の第2作品と続きますね。
年末のローグワンだけは
嫌な予感がする
んですけどね。

としぱぱ