「少なくとも支持してくれている人はいる」セトウツミ つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
少なくとも支持してくれている人はいる
場面はほぼ一つだけ。動きもほとんどない。高校生2人が会話するだけ。そして明白な物語もない。という映画としてはどうなの?と言っていいレベルの斬新さ。いや、斬新というより勇気があると言ったほうがいいだろう。
大森立嗣監督は自身の監督作「日日是好日」の出演オファーを樹木希林さんに持っていった時、脚本を読んだ希林さんに、映画として成り立つのかという意味で「本気か?」と言われたという。
「日日是好日」も本作と同じように、明白な物語を有しない動きの少ない作品だ。
「セトウツミ」のほうが「日日是好日」よりも前なので、「セトウツミ」の影響なのか大森監督のチャレンジ精神なのか分からないけれど、やはり勇気があるなと思うし、そんなチャレンジ作品を撮らせてくれる、つまり、支持してお金を出してくれる人がいるということに感心する。
言い換えるならば、多くはなくとも支持して観てくれる人もいるということだ。
私はどちらかといえばドラマチックな作品を好むので、この作品を「好きだ」とは言い難い。
それでも、キャストさえしっかりしていれば面白く観ることはできるのだと証明された気がした。
男子高校生2人の漫才のような掛け合いも楽しかった。
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