「これほどまでにリアルを追求した」セトウツミ せっちゃそさんの映画レビュー(感想・評価)
これほどまでにリアルを追求した
青春映画があったでしょうか?
全体を通して一連のストーリーがあるわけでもなく、
盛り上がる展開をするわけでもなく、
部活を通じた仲間との絆を描くわけでもなく、
現れたヒロインを奪い合うわけでもなく、
ただただ、川沿いでたわいもない話しをして日々過ごす男子高校生(17)2名。
どこにでもいそうな男子高校生(17)2名。
普通の高校生の何気ない会話をして時間を潰すさまが、不思議なまでにとても面白い!
漫才顔負けのやりとりで終始シュールな笑いが止まりませんでした。
さらに主演の2人の演技力がそれに拍車をかけ、鑑賞回は終始笑いが劇場のいたるところから起きていました。
また、原作通りなのでしょうが、新生活に胸ときめかせる1年生でもなく、受験や就職など次のフィールドに進む準備をしつつ、高校生活の集大成をおさめる3年生でもなく、中だるみまっさかりの高校2年生という設定が絶妙。
「あぁ、自分もそういやこんなんだったかもなー」と思わざるを得ませんでした。
掛け合いの間と要所で挿入される音楽での間の取り方が絶妙。飽きが全く来ない構成になっていて、あっという間の75分でした。
内容は数日したらほとんど忘れてしまいそうですが、またふと観たくなる妙な中毒性がある、色々な意味合いで面白い作品です。
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