「すげーおしい気がする!」HiGH&LOW THE MOVIE マトレーさんの映画レビュー(感想・評価)
すげーおしい気がする!
テレビシーズン1,2から視聴。
「思ったよりも良いぞ?」と言うのがシリーズの率直な感想です。
映画の方もわざわざレヴューするほどのモノでもないかなと観る前は思っていましたが、いざ観てみるとこれまた「あれ?思ったよりも頑張ってるぞ?」的な印象を抱いたのでこうしてキーボードを叩いているところです。
僕はEXILEファンなので公平に見れていないところは出てきてしまいますが、とりあえずドラマを視聴してない人には勧められないです、絶対に。
ドラマで作られた世界観を分かっていないとただただEXILE TRIBEと人気俳優たちがケンカしてるだけの画だもん。
大きく広げた風呂敷を上手に包むにはとても難しく、とにかく時間を必要とするので映画だけを観ようとするととてつもなく意味が無い。
昨年10月クールにシリーズが始動し、今年4月クールにシーズン2が放送され、今週に公開されたのはその時間をもったいぶるためなのです。
こうして約1年かけるとすごい大掛かりなプロジェクトっぽく見えるし。
実際小出しにされてる側はその先を観たくなりますしね、僕もまんまとその一人になっております。
そうしたHiGH&LOWシリーズの集大成として公開された今作ですが、思ったよりもテンポが良く進みました。
「ドラマに比べると」という枕詞付きですが。
いかんせんドラマの方は既出のシーンが使いまわされたり過去シーンの挿入だったりで話が進んでる気がしなかったんですよね。
シーズン1,2のストーリーを両手で抱えてギュッ!っとやったら10話分くらいに収まるんじゃないかってくらい。
1,2ってシーズン制が要らないとは言わないけど、だったらもう少し丁寧に話を進めなきゃ。
時間軸が過去へ未来へ飛んで出来事の時系列もよく分からないまま話数も重なっていきましたし。
ドラマの愚痴はここまでにしときます。
映画のレヴューなので本編の話を。
それに比べると映画はやはりドラマで観たシーンが当然のごとく入っては来たんですが、それでもテンポアップはしたんじゃないかなと思います。
むしろ映画本編に多くを詰めすぎな気さえします。
詰めすぎてエキサイティングなシーンも窮屈になって短くなってしまったかな、と。
それはやはり最後のコンテナ置き場での決戦です。
『クローズZERO Ⅱ』で鳳仙に「今度はてめえらの城が潰れる番だ」と宣戦布告しに行った小栗旬ばりにSWORDの全チームが敵のシマである湾岸地区に向かいます。
あそこでは当然の事ながらもっとも多くの見せ場が登場しますが、個人的にすごく物足りない気分になりました。
特にSWORDのチーム同士の団結プレイです。
テレビシリーズであれだけいがみ合ったSWORDが最後の最後でタッグチームとなり、各キャラクター同士が力を合わせて強敵をぶちのめす所にこのシリーズ最大のカタルシスがあると思うんです。
大方の予想通りそれが観れることは観れるのですが、それがとても少ない。
コブラ(岩田)と日向(林)、チハル(佐藤大樹)と古屋(鈴木貴之)、ヤマト(鈴木伸之)とROCKY(黒木)などの組み合わせでバディファイトをしてるシーンはとてもテンションが上がるし、もっとあっても全然良かった。
せっかくあんなにキャスト集合してんだからさ。
映画自体の尺が長くなってもいいからそういったシーン入れて欲しかったです、長くなってもいいじゃん本業のライブの方もめっちゃ長いんだし。
あと、ケンカがストーリーの本筋ならタイマンが無いとダメでしょ。
特にリーダー格同士のタイマンが圧倒的に足りないと思いました。
ここで出てきたタイマンと言ったら、中盤のスモーキー(窪田)×劉(早乙女)、決戦中にバイクで突っ込んできた雨宮兄弟の広斗(登坂)×ICE(ELLY)くらいのもので。
もちろんこの2組のアクションは見応えがあってよかったんですが、尺が短いしシーンも切り刻まれてるしでイマイチ満足感を得られなかったんですね。
特に広斗がスモーキーに加勢した中盤で広斗とICEには関係性ができたのでそれに決着をつけるぐらいのモノが観たかった。
そして山王チームがMIGHTY WARRIORSのクラブの前まで辿り着きバーニー(白濱)、パール(野替)とカチ合ったシーン、どうせならコブラ、ヤマトがそれぞれタイマンでボコッてからラスボス戦でも良かったと思います。
山王連合会のあの二人が実質的主演なんだし、調子づいた敵を負かすような決定的なシーンが欲しかったです。
ラスボス・琥珀(AKIRA)戦でも九十九(青柳)と3人がかりだったんでね。
あそこはストーリー上、元ムゲンのメンバーでやり合うってのが一番しっくりくるのであの1対3で良かったです。
だからもう少し他の所でタイマンを観たかった。
もっとも、それを実現させるには敵チームのタレントが少なかったと感じますが。
ですが最後の敵同士、またSWORDチーム同士のやりとりはとても良かったです。
SWORDの勝利で終結した後に一気に後日談的なシーンに飛ばなかったのはプラス材料だと思います。
あれだけ派手にやり合った後にどういう会話があったか、どうやって帰っていったのかをこっちは観たいので。
キャスティングはとても良かったと思います。
EXILE TRIBE以外の主要キャスト、または脇を固めるキャストがこのシリーズの世界構築のために一役も二役も買っていました。
主要キャストの中でも林遣都、窪田正孝、山田裕貴らSWORDのチームリーダーを担った若手俳優の功績は大きいです。
そしてヤクザのボス役である中村達也さんや悪徳刑事役の豊原功補さんらの「支配する大人達」の存在感はとても説得力がありました。
EXILE TRIBEメンバーの演技もそれほど悪いとは思えず(僕が慣れてるだけかもしれませんが)、というか役柄的に合うものを演じることが出来ていたと思うのでそれも功を奏していました。
長々と書いてきてしまいましたが、それだけ予想外に良かったということだと思います。
自分がどれだけ悪い出来を想定していたかって話ですが。笑
考えさせられるテーマを扱っているわけでもありませんし、スクリーンで行われているものを素直にリアクションすればいいだけの映画です。
ただ、すげーおしい!
映画第2弾あるんだよね!?
登坂くんに定期的にお勧めの映画DVDを送ることでお馴染みの斉藤工さん出んだよね!?
期待してます。
てかマジ頑張ってくれ。笑