「一番の被害者は誰か」ザ・ギフト 俺の映画帖さんの映画レビュー(感想・評価)
一番の被害者は誰か
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物語の序盤は彼と妻に感情移入し
ゴードンはひたすら不気味な存在だが、
サイモンがタチの悪いのいじめっ子だと
わかった瞬間に誰の気持ちに沿って
観ればいいのかわからなくなった。
この作品では、
主要な登場人物全員が被害者になっている。
その中で、一番の被害者は誰か?
サイモンに人生を狂わされたゴードンか?
その代償に嫌がらせをされ、
ラストで最悪の結果を迎えるサイモンか?
それとも嫌がらせをされた挙句
サイモンにも裏切られた妻か?
サイモンはぐうの音も出ないほどのクズだ。
しかし彼の妻はどうだろう。
何も悪いことはしていない。
ゴードンに嫌がらせをされ、
サイモンにも騙されていた二重の被害者だ。
そんな妻に救いはない。
主人公に罰をあたえるための犠牲になっている。
ゴードンも悲しい人間ではあるが、
何も罪を犯していない妻が
一番の被害者なのかもしれない。
「ラストの衝撃に耐えられるか?」と予告で
言ってた割に大した衝撃ではない。
だって現代にはDNA鑑定があるじゃないか。
自分の子供かどうかは後々確実にわかるのだ。
それを確認する前に物語は終わってしまったが
ソコは大事な部分じゃないか?
「自分の子供じゃない!なんで?」
というトコまで話を持って行ってから
種明かしをした方が驚くと思う。
しかしそうなると
ゴードンは完全に悪者になってしまう。
それは製作者の意図ではないだろうから、
この映画にとってはこのオチが
最善なのかもしれない。
というより、衝撃とか
そういう方向のオチではないように思える。
何かと言われても上手く答えられないのが
苦しいところだが…
演出は良く、
ジワジワと恐怖が忍び寄ってくる様が
上手く描写されていた。
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