「これぞ映画」アレノ yorkyorkさんの映画レビュー(感想・評価)
これぞ映画
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東京国際映画祭の日本スプラッシュ部門で一足早く観賞。エミール・ゾラって「居酒屋」という作品が最も有名だとは思うが、この作品は「テレーズ・ラカン」を下敷きにしているとのこと。『天井桟敷の人々』のマルセル・カルネ監督がこの同名小説を映画化したことがあったけど、最近だとパク・チャヌク監督の『渇き』もそうらしい。
最初にはっきり言ってしまうと、この映画は明確なわかりやすいカタルシスは無い映画。ただ79分間、ずっと映像世界に陶酔できるような感慨が沸き起こる。今時めずらしく16㎜フィルムで撮影していて、ワンシーンワンシーンがとても詩的。映像のざらつき具合も、ぞんぶんにその効果を発揮している。主演の山田真歩って「サイタマノラッパー2」に出てた主役の女優とのことだけど、女優魂炸裂って感じで大きな存在感を見せている。
昨今のテレビドラマから派生したようなわかりやすい映画とは一線を画す作品だった。
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