後妻業の女のレビュー・感想・評価
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スーツケースのその後は?
終盤が全く締まらない。そこまでは良いテンポだったのに、八回の表ぐらいまで、制作費が尽きたのか脚本か? いずれにしてもあと20分ぐらいは語って欲しかった。違法行為なので主人公たちがどうなったとか、鶴瓶との戦いの結末とか。最後までやってくれないからなんとも中途半端。
大竹しのぶと豊川悦司は、しっかりはまってさすが。バイプレーヤーも揃っているから、この役者ピースに構成が伴ったら名作になったと思う。残念な作品。
豪華なキャスト
Amazonプライムで鑑賞。
携帯の漫画で読んだことがあったが、
映画になるとベッドシーンが生々しくて。
年配の方のベッドシーンはね。。(←失礼)
後妻業の女、大竹しのぶは見事なハマり役で
本当にこんな女いたら嫌だな〜と始終思っていた。騙される男たちも男たちだが、
その分、楽しんでいるのだから
いいのかな?って思えてくる。
殺された遺族の娘は「お父さんに構ってあげていなかった私たちも悪い」って最後のほうで
話していたが、構っていたとしても
あんな女に惚れてしまったらもうどうにもならないのだろう。
でも、遺族にとってはたまったものじゃない。
知らない女に遺産持っていかれるなんて。
実際にあの女と関わっていた男が次々と死んでいたら、すぐ警察目をつけると思うのだけど、
すぐ捕まっちゃったらストーリーにならないもんね。
首をしめられても死なない、タフな女。
あんな女に出会いたくない。
騙されたくない!
15年の間に5人の夫が死んでいる。死に関して違法性がなければ事件にできない。殺人も視野に入れて調査する私立探偵の本多(永瀬正敏)。民事訴訟を起こすと脅しをかけつつ、殺人の疑いが確信と変わったときに柏木(豊川)を直接恐喝して3千万を要求する。
なんやかんやで笑えるところもあるけど、かなりハチャメチャ。でも実際に結婚詐欺やら保険金殺人があるのであり得ない話じゃない。ただ、柏木と小夜子(大竹)が組むなんてことは考えにくい・・・
エンディングでは公正証書後の遺言書が見つかったというオチだったが、生前に銀行から現金を下ろしているので残り少なかっただろうなぁ・・・
惜しい
豊川さんと大竹さんの軽快でファニーな芝居が楽しませてくれます。
ともすると、胸くそ悪くなる役柄をサラリと魅力的な役に仕上げてくれるのはサスガですね。
お芝居では、風間君が悪目立ちしてましたね。終始テンション上げて単調な芝居は見ていて疲れます。
尾野さんと大竹さんの取っ組み合い喧嘩シーン、良かったですね。殺陣のように芝居を見せる計算が必要なのに迫力がありました。
その他鶴瓶さんと大竹さんのベッドシーンなど個々の面白いシーンは多くありましたが、全体的にはいまひとつ印象に残らない感じですね。
ラスト、尾野さんの考え方の変化で映画を終わらせたのが、反面教師にも熱血教師でもないなんか中途半端な先生のような印象を残したのかな。
この映画はまずいだろう。
『後妻業の女』(2016)
日本映画専門チャンネルから。最初から汚い話の設定なのがわかる。高齢者マッチングが表向きだが、サクラの女性が入っていて、早く死にそうな富豪と結婚して大金をせしめる会社員らしい。簡単に言えば、結婚詐欺師の女で相手を早期に死なせて遺産をせしめる手口である。結婚相談所の男性経営者も結婚詐欺を組んでいる。過去に8人くらいか殺しているのに、9人めを薬物などで脳梗塞にまで追い込んで、犯罪が発覚しないように徐々に死を誘導しながら遺産を狙う。怖く汚い内容である。社長は結婚詐欺相談所の若い美人の事務員などスタッフたちとは性行為済みらしい。原作は直木賞作家か。監督は日本テレビ系列でドラマを作ってきた人か。危篤状態の老人の金庫から妻の詐欺師は社長と、家の金庫を開けて、数千万円の貯金通帳を発見し、翌日、二人で銀行に行き、全額現金引き出しをもくろむが、受付の銀行員も金額に驚いて次長まで出動する。銀行では本人の意志確認が必要だろうと、危篤中の老人にまで一緒に会いに行く。老人は何を言っているかわからないのに、雰囲気で全額引き下ろし承諾と銀行員たちに確認させる。
そして現金を2000万円近くを折半し、次の大口がいるからと、早くなんとかして老人を始末しようという相談をする。そしてわからないように殺人した。葬儀で棺の中の死人に口付けをする。被害者には娘が二人いるが、相続は私が全部しますと犯人は言う。遺言状をみせる。偽装だろうが。
これは法律では、遺言状に全部相続すると書いてあっても、娘には配当がある法律な気がするが、私自身の能力不足でわからないが、事実婚で入籍してなかったために、全額相続なのだというらしい?法律事務所に二人の娘が行くと、それは後妻業といって、遺産目当てのプロだろうと説明される。ここら辺がどこまでも悪徳の話というわけではなく、後妻業と戦う構図で、倫理的な側面をとっているのだろうか。そうでもしないとフィクションとしてでもやりきれないだろう。現実のほうが、逃げ隠れ通してしまっているのだろう・・・。そして、法律事務所の紹介で、探偵のような男が登場する。そして犯人たちは、次の大物を表向き結婚相談所の婚活で知り合いとなる。犯人の女はうまいテクニックで相手を誘導する。一方で探偵は調べ続ける。その前の被害者の親族に聞きこむが、その時の葬儀の時には、突然親族のところに初めてきて、妻だといって葬儀を取り仕切ったという。なぜ表沙汰にしなかったかと探偵が聞くと、とても恥ずかしい話を表向きにできないと。相手はテレビ局の偉い人間だった。スキャンダル隠しを利用したのか。犯人の女は次のターゲットとデートするが、配役が犯人は大竹しのぶで、相手は笑福亭鶴瓶なのだが、キスシーンなどあるが、これが明石家さんまだったらどうだったのかなどと思ったりした。探偵はけっこうすごくて悪徳結婚相談所に乗り込む。こんなに直接向かってしまって大丈夫なのか。探偵は永瀬正敏で、社長は、豊川悦司。この2人の対面のシーンは雰囲気がある。しかし後妻業という犯罪が最近あるようですねと直接社長に話して去る探偵はすごいな。危険でないのか。ここら辺、警察を介さずに、弁護士と探偵と被害者の勝気な娘の3人のチームで探っていこうとするのだが。この、警察を介さずにというのがどうしたものか。私にはわからない。危険性もあると思うが。関係者に聞き取り調査をするときに、謝礼10万円というと、話し出すが、ここら辺で、探偵業も予算がいるのだろうか。問題解決に対してもカネがいるかと思うと辛いシーンである。しかしなかなか探偵業もすごくて、10万円のうちの1万円だけ渡して、全部が謝礼とは言ってないとして出ていく。すごいな。複数の相手を殺し続ける中で、30歳の一人娘が犯人の女にいるのだが、その息子と口論するシーンがアクセントになっている。すごいことに、探偵と娘(尾野真千子)は直接犯人の女に会う。民事訴訟から始まって多くに訴えると説明する。警察を介さずに、被害者周辺が弁護士と探偵と組んで、直接犯人に疑惑を説明して、民事訴訟を起こすぞという。ここで、『後妻業』という犯罪の概念をはっきりとさせる言葉があるのはわかりやすい。探偵は結婚相談所社長の愛人にも探りを入れる。付き合い始めたのがわずか2年半前なのだが、もう別に愛人は社長を擁護しようともせず、探偵の調査に応じるが、「私は人殺しとセックスしたっていうの」と大声を酒飲み場の周囲の客が振り向くほどの声をあげるが、探偵になにやら証言を与える。徳島県での何番目かの夫の事故死についてだが、社長と女が一緒にその夫を海かどこかに車ごと突き落として殺していた。被害者側の作戦の警察を介さずに、民事訴訟からワイドショーで大事件発覚狙いというのもすごい話である。加害者側は
それを懸念するが、同時に、新たなターゲット(笑福亭鶴瓶)と結婚相談所の社長と会員として、3人で会う。しかしそこまで言っておきながら、人殺しまでしている犯人の女と二人きりで、といっても居酒屋でだが、会ってしまう被害者の娘。大丈夫なのか。犯人の女は、お前ら娘2人は親を放っておいて、わいが世話したんやないかい。何が悪いんかい。と啖呵を切り、娘も勝気なので、この人殺しが。と返して、居酒屋で取っ組み合いの喧嘩になる。ここで暗殺しないのが殺人犯の心理はわからない。さらに探偵も怖いもの知らずなのだろう、社長が新たな愛人といちゃついているところに顔を出す。一緒にドリンクを頼んだりするのだが、クスリを入れられたりしないのか。探偵はどこまでもストレートに、殺人をしただろうという証拠書類を社長に見せつける。実は、探偵は社長から証拠書類を取引しようとした。500万か。と社長が言うがつり上げ、2000万で探偵は社長の顔にタバコの煙を吹きかけ、5000万円にあげたところで、あんた探偵やろうと社長がいうが、探偵は、公立の探偵は刑事ですとセリフを残して出て行く。なんとも刑事と民事の違うことか。そして社長と新たな愛人のセックスシーンが出て来る。愛人役はもろだしのヌードになって、社長は後ろから迫るが、アダルトビデオがあるとは言え、こうした映画はこうしたシーンがある。そして、社長は当然のごとく、探偵を殺そうと犯人の女に持ち掛ける。女(男)とカネと殺人。怖く汚いのオンパレードが出てきて、正義の人かと思うと、それもカネ目当だったりするという・・・。この映画に救いはあるのか。最後はどうなるのだか。その後、探偵は社長から金を5千万を脅し取ろうとしたり、犯人の息子を取引のときに暗殺させようと仕向けたが、痛み分けとなり、探偵もワルだったという。探偵は裏切ってしまっていて、どうなるかわからなくなってしまったし、勝気の次女に長女が私たちも親をさみしがらせて悪かったのではないかとなだめてしまうし、これでは複数殺人の凶悪犯が逃げ切ってしまいそうで、どうなるんだろうか。しかし意外なところで女は終わる。あっけないものだった。息子は泣きわめく。ここら辺に因果の倫理性をみせているのだろうか。残るは社長と女の息子。この残った悪はどうなるのか。と思ったら、悪が不滅になってしまった。どうしようもない。やりようのない終え方で、どうこうした悪い映画を評していいかわからない。せめて最低に近い点数にしておくしかない。封印して欲しい。
豪華ですね。
出ている人が豪華なため見ました。
大竹しのぶさんは、すごく演技が上手いですね。
後妻業とゆう内容でしたが楽しく見れました。
でも最後結局逮捕になったのかならないのか、お金を払っておしまいだったのか、終わり方がふわってしてました。
でもまぁ最後まで見れました。
後半の失速感とフラストレーション
作品に興味があり録画したものを鑑賞。
探偵の本多(永瀬正敏)がゆすりをはじめたあたりから、中だるみ感が一気に増し、柏木(豊川悦司)の犯罪後の高揚感から女を抱くシーンも無駄に長い。
繭美を演じた水川あさみは脱がなかったのに、理沙を演じる脱いだ樋井明日香より色香があった。
ストーリーは、あれほど調べ上げていた本多のその後がうやむや。
小夜子演じる大竹しのぶが、最後に発見された遺言書によって朋美(尾野真千子)と尚子(長谷川京子)に遺産を取り戻され、柏木との犯罪が白日の下に晒されるラストだったら、
「私、演技上手いでしょう?」臭がプンプンしていても、フラストレーションなく鑑賞出来たのに・と思う。
演技力のおかげでかなり笑える
大竹しのぶと豊川悦司が持ちつ持たれつの柄の悪いクズコンビを演じているただただ面白い映画だった。
実際にあったらと思うと木嶋佳苗を彷彿とさせるタイトルで、どうやって寂しい老人達の後妻になるかが描かれているのかと思ったが、内容は後妻をする裏で手を引く豊川悦司との手口に焦点が当たっていた。男によって違う魅力的な女を演じつつ、裏は機転が利くけどアホで自分中心で柄の悪いただの大阪のオバチャンな大竹しのぶと、表の顔は結婚相談所長だがそちらにも裏のえげつなさがなんとなく滲み出た雰囲気を醸し出す豊川悦司の駆け引きやテンポの良い会話がかなり面白い。不思議と観た人に勧善懲悪を求める気持ちを抱かせない作品で、見るとアホだね〜と凄惨な犯罪を重ねるクズを客観的に傍観して笑ってしまう。
言葉の速さや抑揚や歩き方や服装の細かなところまでキャラが徹底されていて演技力がすごいし、スーツケースにまで入る大竹しのぶは本当に仕事がデキて突き詰める女優さんなんだなと感嘆してしまった。キャスティングが最高で、被害者遺族の尾野真千子も演技の役が広いし、風間俊介ももがき役が上手ではまっていたし、裏世界の人々に溶け込んで成り立つ水商売役の水川あさみも自然な演技だし、ぬらりひょん鶴瓶はぴったりの役。キャスティングが最高だが、水川あさみの後輩の女の子役の人は若いのにこの作品に出て何の得があるのだろうか。。
思ったより‥
スケールが凄い。まさか人殺しまでするとは。重大犯罪やん!!なのに笑える。笑い事じゃないのに。キャストは全体的に良かった。大竹しのぶ、期待を裏切らない。トヨエツのダサい感じもいい。バカ息子も良かった。人間て、欲の塊。
想像どおり
面白かった。予想と違っていたのは、通天閣の彼。小夜子の迫力も痛快。所々に笑いがあったが、直前列のおばあさん達は最初からおしゃべりばかりで…
が、実際の事件を想像してしまいます。そして、寂しい男性が多いのかな、と思ったり。
介護少なめ遺産多め。
そうか、これに男が騙されたんだと分かるくらい、
大竹しのぶがリアルな実技を披露(ごめんなさい)。
彼女とて高齢男性から見たら立派な若きエロスに
なるのだ。言動そのものが明らかにオバハンだと
いうのに、観ているこちらまでコロリ彼女の魔力
に騙されていく。あー怖い女優^^;としかいえない。
裏で糸を引くトヨエツも巧い。この二人がコンビ
を組めば、確かにこんな犯罪も成立しそうなほど
いいキャスティングだ。終始ゲラゲラ笑いながら、
どんどん背筋が凍りつく。もしも自分の親なりが
こんな女に騙されたら泣くのは遺族になるからだ。
そういえば芸能界でもこんなケースがあったな~。
リアルな犯罪をコミカルな味で戦慄化する展開が
さすがに巧い監督。ウザイ息子が目触り(ゴメン)
なのも意図した演出なのだろう。犬畜生面で吠え
合う親子のみっともなさ。バカ二世が取り沙汰さ
れているのと重なる。リアルすぎちゃって怖いな。
ただ一点、これだけ殺人を犯しておいてバレない
はずはないが、劇中で一切触れられなかった生命
保険などはどうなっていたのか。小夜子のような
悪党のことだから用意周到に準備はしただろうが、
保険請求の際に、少しでも死に不審な点があれば
徹底的に調べ上げられたはずである。そうなれば
あそこまで何人も殺されることはなかっただろう。
とはいえ、最後に長女が発した台詞も気になった。
父親は高齢で結婚し最期は幸せだったのだろうと、
男性側と女性側の心理が全く違うだけに謎が深い…
(男は情。女は金。介護は少なく遺産は多くだって)
大竹しのぶを見る映画
大阪を舞台に夢売る商売『結婚相談所』に群がる中高年の喜劇であり悲劇…
後妻業の女、小夜子は狙った獲物は逃がさない。
今日も婚活パーティーで獲物を漁る。
小夜子を操る所長は、色男であるがかなりエゲツなく、スケベで滑稽な奴。
小夜子が後妻になると次々旦那は死ぬ。
病死か事故死か⁈
そして遺言なるものを家族に見せ財産を奪い去る。
今回の娘はなかなかしぶとい。
小夜子の身辺調査を探偵に依頼し小夜子の悪事を暴こうとする。
探偵は警察じゃない!自分の利益を天秤にかけ依頼者を簡単に裏切る。
小夜子が馬鹿息子を罵倒し冷たく突き放す、金策に困り果てた息子が小夜子の前に現れ取っ組み合いの喧嘩となり母の首を絞めた息子…母は死んだ⁈
所長と息子で小夜子をスーツケースに入れ運び出す途中、警官に職質を受け、中身を見せろと言われた…その時…スーツケースが動き出し、中から小夜子登場‼︎
『私、被害者ですわ』…コレがオチ⁇
殺人鬼達を野放しにして良いんかい‼︎と言う思いが込み上げスッキリしない。
記憶に残るシーン
・尾野真千子VS大竹しのぶVS風間俊介の乱闘シーン。しのぶさん凄い。
・棺桶の津川雅彦にキスするしのぶさん。
・竿師鶴瓶のスカイツリーに喜ぶしのぶさん。
豊川悦司や永瀬正敏も良かった。
面白かった
大竹しのぶもトヨエツもすごい。演技に注目することはあまりないのだが、圧倒された。口ぎたない関西弁の罵倒が最高に面白かった。焼肉屋の場面がすごかったけど、尾野真千子は叩くのに遠慮があった。大竹しのぶなら自分が若手でどんな大女優が相手でも遠慮なく行っていただろう。氷川あさみも素晴らしかったし、風間俊介のカスっぷりも最高だ。登場人物それぞれにブルースが聞こえてくる。
単純な勧善懲悪ですっきりする話かと思っていたら全く違っていて特に正義を描かないところも素晴らしかった。鶴瓶に大竹しのぶがブッ叩かれるところは可哀想だった。
それにしても後妻業とは恐ろしい。経済が生み出した悪魔だ。
大竹しのぶとトヨエツの毒を毒だと分かっていてムカつきながら飲み込むような覚悟がかっこよかった。
トヨエツが素晴らしいとかかっこいいとか色気がすごいを超えて顔が面白い。マイケル・キートンに似てきているのでバットマンをやって欲しい。
しのぶ怖い子! オチが決まらん。
予告の「通天閣どころやない、スカイツリーや」
が、ツボだったので、観てみました。
関西弁に関しては、しのぶはそんなにうまくないというか、
関西の人ではないという感じがします。
でも、演技がべらぼうにうまいから、
変なイントネーションの関西人という
感じですっと受取れます。
趣味は読書と夜空を見上げる事、ですってよ。
お金を持っている中高年男性を狙って後妻に入り、
殺すなどして財産を巻き上げる後妻業をやっている
小夜子さんです。
しのぶにしかできない役だなあと思ってみていました。
小夜子は、後添えを探す老人達のスケベ心をうまくくすぐり、
トヨエツ演じる柏木とその財産を食い尽くします。
尾野真千子と取っ組み合いのけんかをし、
馬鹿息子の風間俊介を怒鳴りつけ、
つるべ竿師に本気になって、金をせびられてついに気付く、
悪党でありつつ、寂しい人だなあと思わせる厚みのある人間味を堪能させていただきました。
むなくそわるいですが。
トヨエツもよかったです。
さすがにトヨエツ、老けたなあ、50代らしい肌のシミやなーとか
余計な事も思いました。小夜子に対して、ニセモノのエルメスをプレゼントし、
ニセモノのカルティエを高く売りつけるという、こすいだましで
優位に立とうとしている感じなど、器がちっちゃくて面白かったです。
豪華競演陣もそれぞれに爪あとを残しており、露悪的で欲まみれな
世界を面白く見ていましたが、オチがいただけませんでした。
探偵が、詐欺師でもあり、馬鹿息子に撃たれて獣医に治療させる流れ
(「49歳 オス」が面白かった、柄本明も最高)から、
3000万円巻き上げたはずが、60万しか入ってなくて、柏木のマンションでの攻防・・・と、
おおおーと楽しく見ていたのですが、探偵と依頼人の関係のオチが書かれていなく、
でどうなったん?という疑問が残りました。
ラストでよく分からんけど尾野真千子の気持ちの整理に付き合う人として海辺に一緒に
いたことに違和感がぬぐえず、大きなクエスチョンが浮かびました。
また、小夜子がパニくった馬鹿息子(風間俊介もやっぱりうまい)に、
偶然絞め殺され(えらい簡単に死ぬなあと思った)、その死体を処分しようと
柏木はスーツケースに小夜子を詰め込み、車に積もうとして
職務質問(だれか呼んだ?うまいこと警察来すぎ)され、スーツケースの中身を
見せるよう言われて拒んだりしていたら、スーツケースが動き出し、警官が開けると
ええええ、小夜子生きてた!!
そして一言、
「あたし、被害者ですねん」。
一同ずっこける。えええ、コントで閉めなん?うそでしょー。
この、オチがね、オチがね、受入れられなくてさ。
結構いいやん!から、詰めが甘いねん!という評価になりましたとさ。
豪華出演人の演技と、小夜子と柏木のだましテク、探偵と娘の反撃を
楽しく見ていたのに、オチが気に入らなくてしょんぼりしたという事です。
大竹しのぶ×笑福亭鶴瓶×豊川悦司×永瀬正敏
1992「死んでもいい」1999「黒い家」2003「阿修羅のごとく」の大竹しのぶがはまり役だ。永瀬正敏が面白い。大阪が舞台で、かなりブラックなコメディに仕上がっています。
うーん
大竹しのぶとトヨエツ、良かった。
全体的にコメディちっくで面白かった。
けど、何を伝えたいかはよく分からなかった。
この2人、結構エグいことやらかしていて。まあまだ大竹しのぶの方は分かるとして。
お金も命も奪うけど、そのかわりそれまで孤独だったおじいちゃん達に夢を見させて幸せの中で死なせてあげるというか。そこまで考えてないんだろうけど、結果的に。
お金があって孤独よりお金を盗られても幸せな方がいいんじゃないかとか考えるところはあるけど。
トヨエツの方は、もう考えさせるとかなくて、ただの臆病者の殺人犯。
なのになんだあの気持ちよさそうなラストは。
大竹しのぶに騙された家族サイドも最終的に良かった良かったみたいになってるけど、なんか犯罪が美化されてる感が強いかなあ。
もっとトヨエツが信念を持ってあの仕事をやってる風ならまだ救いがあったんかなあ……
でも警察に捕まりそうになるところは良かったけど。
あそこがとってもマヌケで良かった。
登場人物達は皆人間らしいマヌケさが出ていて良かったと思う。殺人犯だけど憎めないというか。
けどラストはもうちょっと別の良いラストがあるような気がする……思いつかないけど。
俳優さんを見に行ったって感じ。
インスタントな愛は高く附(つ)く
後先短い老人の妻となりその財産を巻き上げるという
“後妻業”。それに騙し騙される人々の姿をユーモアと
ペーソスたっぷりに描いたドラマ。
見所は、後妻業の凄腕サヨコを演じた大竹しのぶと
その元締・柏木を演じた豊川悦司のハッチャケ演技。
理性がポーンと飛んだような役を演るとメチャクチャ
怖面白い大竹しのぶは相変わらずの芸達者ぶりだが、
今回はトヨエツの舌好調な詐欺師っぷりもグッド。
パーティの口上からナレーションまで舌が回る回る!
「あたしィ、被害者ですねん……」
「かなわんなぁ~」
のコントスレスレのラストにも大笑いで、とびきり
毒の強い夫婦漫才を見ているかのようだった。
ピリピリ美人な尾野真千子、ダーティヒーローな永瀬正敏を
筆頭に、脇を固める豪華キャストも情けなくてユーモラス。
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前半で『憎き詐欺師どもを追い詰めろ!』な展開に転ぶかと
思いきや、そう単純にはいかないシナリオも個人的には好印象。
詐欺師2人が荒稼ぎする様は憎たらしくも笑えるし、
狡猾な詐欺師がもっと狡猾な詐欺師に食い物にされたり、
清廉潔白に見える人間も実はそれなりに汚かったり、
騙し騙される人々の泥仕合っぷりが可笑しくも悲しい。
サヨコも柏木も、まさか自分が騙される側に
立たされるなんて考えもしなかったんだろうね。
自分が百戦錬磨の悪党だと自覚しているなら尚更。
騙された側も、騙した側も、愛されたい・寂しさを
紛らわしたいという思いに駆られた途端にコロリと
騙されてしまう所は結局変わらなかった訳で。
誰も彼もカネに狂わされるものなのか。それとも、カネで
手に入りそうなインスタントな愛情に狂わされるものなのか。
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明確に描写されている訳ではないが、サヨコはきっと
過去にも手酷い裏切りを受けてきたのだろうと思う
(詐欺被害とかじゃなく、もっと理不尽な何かという気がする)。
人を信じて裏切られるなら最初からこちらが裏切ってやる。
そんな風にどこかで吹っ切れてしまった人間のように思う。
どれだけ手に入れても飽き足らず満たされない。
実の息子とは大金小銭を巡って口汚く罵り合うだけ。
あれだけ痛快に稼いでいても彼女はまるで幸せに見えない。
サヨコは一体何が欲しかったんだろう?
あれだけ人を騙し続けてきた女が、あれだけアッサリ
騙されるほどに憧れたものって何だったんだろう。
自分の知らない事を知っていて、喜ばせる術も知っていて、
始終笑わせてくれる、そんな誰かと豊かに余生を過ごすこと?
彼女も結局、普通の人々が憧れるような、
人並みの幸せや安寧が欲しかっただけだったのかな。
.
.
.
けれど、
「あんな悪党にも同情できるような理由があるのさ……」
みたいな媚びたようなシーンは、本作にはほぼ無い。
随所随所でサヨコの心の底を覗かせるような演出は
あるが、この映画ではサヨコはあくまで人殺しの悪党。
彼女を被害者扱いしない所がこの映画の潔い所だし、
それを自覚しているだろうサヨコの憎たらしい性分
にも合っていると思う。
まあ、それでもあんな憎たらしい人間に騙されるのは
真っ平御免という訳で、こうして笑っていられる内が華。
愛情やカネが手っ取り早く手に入るなんて、
そんなうま過ぎる話にはお互いに御用心。
『憎まれっ子世に憚る』な内容ゆえに気分爽快とまで
はいかないが、それでも面白おかしく観られました。
観て損ナシの3.5判定で。
<2016.08.28鑑賞>
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