永い言い訳のレビュー・感想・評価
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愛するべき人と暮らしていなかった本木雅弘と、 愛していた妻や子供たちと暮らす竹原ピストルを終始対比するストーリーである。
TOHOシネマズ西宮OSで映画「永い言い訳」を見た。
ネットで空席を見て目星をつけていた席は到着時はすべて、おひとりさまの年配の女性に先に買われていて、カミさんと自分の席の後ろの多くは上映前に大声で話すおばさんたちのグループに占拠されている。
平日の朝一番の上映回ではあったが、チケットの4割以上は売れているようだった。
西川美和監督作品ははじめて見るのだが、一定のファンがいるのかもしれない。
人気小説家である本木雅弘は黒木華と不倫をしているのだが、
その逢瀬の最中に、妻である深津絵里が旅先で客死したとの報を受ける。
本木雅弘と深津絵里の結婚生活は20年以上になるのだが、冒頭の十数分間のシーンにおいてその仲がすでに冷え切っていることをがわかる。
愛するべき人と暮らしていなかった本木雅弘と、
愛していた妻や子供たちと暮らす竹原ピストルを終始対比するストーリーである。
子役の2人がかわいい。
上映時間は124分。長さは感じない。
話題作ではないが良作と思う。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
モックンのダメダメぶりが見ものです
子役の2人や竹原サンも良かったけれど、本木サンの自然体過ぎるダメ男演技に脱帽ですw
観ていて「うわぁ〜、イタイわぁ…」の連続。特に子供の誕生日会で、アレはあかんだろう?!
でも、コンナ人って周りに居るよね。
自分もその時は気づかなくても、後から振り返ってみると似たコトしちゃったコトあるよなぁと考えて、切なくなったり愛おしく思えたりもした。
夫婦で揃って鑑賞するのは、チョット勇気のいる作品かもしれません。
トラック野郎父ちゃん最高!!!
ディアドクターを、監督した西田美和作品。&モックン主演だったので、見に行きました。
子供苦手な衣笠幸夫が、見つけ出した生き甲斐は、子供とのつながりだった。
あの、素直で優秀な真平君と、天真爛漫な灯ちゃんだったから、頑張れた子育て。
そして、妻大好きな、トラック野郎の、お父さんだったから、幸夫に、違う、人生を、見せてくれたのかな?!
吃音役の、山田真歩を、加えての全ての役者が好演でした\(^o^)/
私は、全く泣けませんでしたが、友達は、自分の息子が、バスで塾に通ってた頃と重ねて(涙)
回りも、シクシク(*T^T)ずるずると、泣き声が、止まらない劇場でした。
私の気持ちは、トラック野郎が、亡くなった妻の留守電を、消した瞬間!!!
好きだった人の声は、なかなか、消せないものなのです。
次へ進む為には、次の人が必要なのですよ(ノ_・、)
色に例えたら中間色
ストーリーは紹介文の通り。
一般論でいう最低な男の人を魅力的な人にみせた本木雅弘さん
の演技力と竹原さんの自然体な演技で成立した映画。
正直印象と言われると??だが、人を丁寧に扱い描いているところ
がよかった。こういう映画がまたみたいと思う。
裸の自我(エゴ)を持つ男
主人公の幸夫くん、監督さんのキャラが、色濃く投影されているそうで。監督さん、自分の名前の後に、作中で使われた単語入力して、パソコン検索したこと、あるんですかね?。
かつてティム・バートンは「ビートルジュース」で、陽のあたらない世界で、息を潜めていたサブカルっ子に、そのままでいいんだよと、照明あててくれたそうです。私、観てませんけど。
で、本作、゚よう、そこの中二病~、俺の話を聞け~゙と、言われてスクリーンに脚を運ぶかは、分かりかねますね。とは言え、嗚呼、生きるって恥ずかしい。どうせ、恥多き人生なら、みんなに見せつけちゃう!的な話に、惹き付けられるのは、やはり私が自意識の井戸の底の住人なのでしょう。
それでも生きていかざるを得ない訳で、私にとって、本作は、明日を乗り切る活力剤なのか、恥ずべき過去を映す鏡なのか?…って、そんなこと考えてるから、大人になれないんだよなぁ。
以上、裸の自我を持つ男(と、その監督さん)に想い馳せる、私の永い言い訳でした。
追記。竹原ピストル、再び少年の心を持つ、あばれる君でしたね。そろそろ第二形態に進んでは。…俺、昔、バカやってたんだ。今は、もっとバカだけど…。みたいな、ずっこけ感と、人に寄り添う強さと優しさを持つ、彼の歌のようなキャラを引き出せる監督さん、いませんかね?。
男とはいつまでも甘えん坊なガキである
売れっ子の流行作家・本木雅弘は、妻・深津絵里を旅行先のバス事故で突然失う。
当日の夜も妻の惨事を知らず、愛人を抱いており、急な別れに涙1つさえ流れない。
孤独に事実を受け止める虚しい日々の最中、同じバス事故で妻を失ったトラック運転手・竹原ピストと知り合い、ひょんな事から彼の幼い息子&娘の面倒を見る機会を設け、絆を深めていく物語。
本木雅弘はどこまでも上から目線でイヤミったらしいヤな奴なのに対し、竹原ピストルはどこまでも無骨で裏表が無いイイ奴だ。
仕事も環境も価値観も総て対照的な二人だが、唯一の共通点は、《愛する家族への想いは、いつまでも不器用》ってぇ事である。
周りの仕事仲間にも、亡くした妻にも、勿論、遺された子供達にも。。。
事故をキッカケに、居なくなった妻と向き合い、家族とは何かを問いながら、お互いの心に大きく空いた穴を埋めていく。
特に、本木雅弘は進学で悩む竹原の長男を見守るうちに、幼少時の自分と重ねている様に思え、親とも似た愛情が芽生え、歪んだ性根に温もりを戻していく過程が愛しい。
一方、生前の妻の留守電を涙ながらに聴き、ウジウジと感傷に浸る竹原ピストルの泣き顔にも同様の共感を覚える。
忘れたいけど忘れてはいけないジレンマが様々な葛藤を生み、擦れ違いを繰り返した末、ゆっくり強めた絆を、互いの涙と笑顔で認め合う。
妻としてだけでなく、母親として、失ったトラウマを1つ1つ克服した時、最も成長したのは、紛れもなく、子供よりも親の方・竹原ピストルと本木雅弘である。
あいにく、私は夫も父親も未だ未経験だが、「男ってぇ生き物は、いつまで経っても甘えん坊な子どものまま」なのは、切ないぐらい解ったような気がした。
では、最後に短歌を一首
『淡雪と 去りゆく君の 道のりは 筆の躊躇(ためら)い 愛しさを描く』
by全竜
痛いとこを突いてくる…
つららのような氷の刺が心臓に突き刺さる。自己と対峙する映画だった。
大切な人の突然の死。でもそれが自分にとって大切な人かなんて自分にだって分からない。自分がどれだけ思われていたのかさえも…
周りにどう見えてるかが一番で妻の死に向き合えない男と、対照的に悲しみにとらわれ抜け出せない男。
モックン(幸夫)も竹原ピストル(陽一)も凄く良い。子供たちもとても自然体で素晴らしい。
人生は他者、他人に対しては自分なりのご立派な自分になれる… 私の事だ…
私も母親を突然の死で亡くしている。幸夫も陽一も私だった。まるで陰と陽のよう。自分の凄く嫌なところ嫌な自分を見せられた感覚に落ちる。本当に嫌だ。抉られて痛くてツラい。
こんなにも自分と対峙しなきゃいけない映画なんて…
私にとっては次また観る勇気がでない映画。でも傑作!
氷はいつか溶けることを願いつつ…
原作を読んだ方が良いかも
上映前に原作を読みました。
原作は人物描写も含めて非常に良く書き込まれています。
なかなか心を揺さぶります。
期待して上映初日に拝見しましたが、映画の良さが伝わりにくかった。
何というか、文章と画像、それぞれの良さが出るべき部分があると思うのですが、この映画は文章に負けてしまった感じがしました。
本木さん、竹原ピストルさんの演技も素晴らしかった。子役の子供達、その他の方々も素晴らしかった、が原作を超えなかった。
これが真実のような気がしました。原作を読まなかったら良かったと反省しました。
ダメダメダメダメ男に愛の手を
過去の西川監督作品はいずれも人間描写に唸らされてきました。
そして、物語の決着を観客に委ねる結末にも。
さて・・・
衣笠幸夫(本木雅弘)は、津村啓の筆名で文学賞を受賞し、いまではテレビのクイズ番組にも出演して、人気がある作家だ。
ただし、編集者からは、最近の作品は惰性だと揶揄されている。
そんな彼の妻・夏子(深津絵里)が、高校時代からの親友とのバス旅行の途中、バス事故で死んでしまう。
こともあろうか、幸夫が他の女性と不倫している最中に・・・
といったところから始まる物語は、その後、妻の親友の遺された夫・大宮陽一(竹原ピストル)一家と知り合って心が変転していく、といった展開になる。
幸夫と陽一は、何から何まで正反対。
幸夫は、インテリで世間に対して斜に構え、自己顕示欲が強く、僻み根性ばかり。
妻への愛には冷めているが、妻は自分を愛してくれるのが当然だと思っている。
陽一は無学で直情的で、突然妻を喪った哀しみを時折噴出させる。
映画はこのふたりを対比して描いていくが、常に幸夫の視線である。
そして、幸夫が何か言う度に、幸夫のダメ男ぶりが際立っていく。
それは、彼の関心が自分ばかりにあり、他者と向き合ってこなかったせいだ。
妻の突然の喪失でも、感情が揺さぶられないほどに・・・
いやぁ、ホントにダメダメダメダメ男なんだなぁ、これが。
ま、ちょっと身に覚えもあったりするので、観ている方としては、いたたまれないのだけれども。
そんなある日、亡き妻からの手ひどいしっぺ返しを食らう。
妻のスマホの、幸夫宛ての下書きメール。
「もう愛していない、ひとかけらも」
いやぁ、残酷だぁ、西川監督。
しかし、その後、西川監督は、このダメダメダメダメ男に優しい手を差し伸べる。
斜に構え、妻も含めて他人と向き合おうとしなかった幸夫に、「人生は、他者だ」と気づかせてあげるのだ。
ありゃりゃ、なんだか西川監督、優しくなったねぇ。
それとも、監督は、この手のダメダメ男が好きなのかしらん。
いつもながら深い人間描写に唸らされましたが、物語の結末を観客に委ねることはしなかった。
さて、今後の西川作品、どのように変化していくか、とても楽しみである。
オジサンには刺さるんですよ、こういうの。
さすが是枝組の監督だけに、人間を見る観察眼がすごい。
この監督は女性でありながら、男目線までも身に着けている。
そしてまるで自分の裸をさらすような演技をみせたモックンもすごい。
舞台挨拶で監督が言うには、人はかわりに恥をかいてくれる人を求めているらしい。だから、モックンがみっともない役を演じれば、それに好意的になるのだとか。たしかにそうだ。お笑い芸人だってそうだ。なんだバカなことやってるよ、っていいながら笑えるのは、そのバカな芸は俺にはできないが、それをみんなの前でできるお前はすごい、って思っているわけだ。
そして、これからも恥の十字架を背負って丘を上って欲しい、と独特の言い回しでエールを送っていた。
今の自分に丸被りのようなストーリーは言わずもがな、配役の妙、練りに練られていながらごく自然なセリフの数々、モックンの感情に合わせた容貌の変遷、そしてフィルムならではの柔らかい画面や引きのショット(山道を走るバスとかあれだけで泣けた)、、、。
熟成させた作品であることが伝わってくるだけで、心地よく打ちのめされながら鑑賞していた。何度も何度も、ヒャックリのように泣きながら。
西川美和監督作最高傑作
タイトル通り、日本が誇る西川美和監督の最高傑作だと感じた。
序盤のいやーな男女の夫婦関係、突然襲われる嫁の死にも、それを受け入れようとしない主人公。
宮本ピストル演じる故人となった妻の友人の旦那、宮本陽一と家族に、最初は不純な動機で接近していくが、彼自身が持っていなかった「家族」というものに触れ合い、誰からも愛されていなかった男の心が氷解していく。
だが、それでも妻の死と向き合おうとしない男の行く末に待っている陽一の事故…彼がとった行動は?
ゆれる・夢売るふたりでは、最後に突きつけられ、考えさせられたが、今回は割とはっきりとした終わり方。それもまた好みだ。
子役の演出力もズバ抜けており、素晴らしい。なにより素晴らしいのは、やはりモッくんの演技というか、存在感。顔は男前だが、情けない、どうしようもない男っぷりが愛おしく、たまらない。観た後に絶対誰かと語りたくなる映画。
西川美和監督はまだ40代前半、ここにきて一段とレベルが上がってきた印象。師匠である是枝監督と切磋琢磨しながら、日本映画界を盛り立てていってほしい。
久々にやるじゃん❗️
そう,誰かも言っていたが、今や現代の進んだ技術CGとかは凄いかもしれないが… まさに此れが,映画作品という本来の姿?の在り方?言い方が違ったら失礼(¬_¬) だと思ったし…【人間だけ】で創ったものである❗️と言いたい所。 〜一寸,話が逸れているかな?
繋がることの大切さを教えられた。
西川美和監督の最新作『永い言い訳』
を鑑賞しました。
身近な人の死、本気で泣けない人程
悲しみは深いが、理解されない。
その悲しみから開放してくれる存在
が必ずいる、人と繋がることの大切
さがある。
もっくんが秀逸、子供二人が癒し
汚い内面との対峙
不完全な家族を意識し始めた私にとっては胸をえぐられる映画だった。
やりきれなさが漂う。
世の中に完全な、幸せな、綺麗な、美しい夫婦が、家族がどこまでいるのだろう。
そういう監督の中の問いを二時間のあいだずっと問いかけられたような。
主人公の最低さはモッくんが秀逸に表現していて、こんな奴いたら嫌だと思いながら、私にもそういう部分があると共感させられる。
主人公が劇的に変わるわけでもないし、すべての気持ちが消化されるわけではないけど、やるせなさの中でも、人間の愛への期待と、人と繋がることへの希望を感じる映画だった。
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