「遺された者の心の痛みを幾重にも描く」永い言い訳 凛さんの映画レビュー(感想・評価)
遺された者の心の痛みを幾重にも描く
西川美和監督。本木雅弘。
結婚しているけれど不倫中。妻にはもう愛情が持てない。そんな妻を事故で突然亡くしても実感が無い。
家事が溜まっていくのが唯一妻を亡くした証なのが皮肉。
一緒に事故にあった友人の家族と、頻繁に会うようになり、子供の扱い方も分からないのに、仕事の日は子供を預かる約束をする。
戸惑う不器用な様子を丁寧に描いていて、だんだん馴染んでいく。
何故、子供を預かるなんて言ったんだろう。子煩悩には見えないし、謎の行動。家事が得意なわけでもない。
それは現実逃避なのか。
子供と触れあううちに何かが変わっていく。
他人の子供だけど、初めて家庭の営みを知った。羨ましいと思ったのかもしれない。
とにかく本木雅弘の演技が秀逸。
感情の起伏が大きく、クズだけど繊細な作家の孤独をよく表現している。
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