「『妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛しはじめた。』...」永い言い訳 かずしさんの映画レビュー(感想・評価)
『妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛しはじめた。』...
『妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛しはじめた。』
この映画のキャッチフレーズですが、とても深いです。
人気作家 津村啓 (本名 衣笠幸夫)とその妻 夏子。
冒頭から夫婦の倦怠期を思わせるシーンが続き、その後、不慮の事故で妻は亡くなってしまう。
モッくん演じる幸夫は、とてもゲスで自己中心的な嫌な男。妻が亡くなっても、無表情で淡々と後処理をこなしていく。不快感極まりない。
妻と同行していた親友も亡くなり、残された父子家族との交流がきっかけで、幸夫に徐々に変化が。。
キャッチフレーズにもある『そこから愛しはじめた。』
この言葉の意味は、ラストのシークエンスに集約されますが、そこに至るまでの過程がとても素晴らしい。ゲス男が、人間として、とても愛おしくなります。怒って笑って共感して、ラストは落涙必至。
主演の本木雅弘はキャリア最高の演技、助演の竹原ピストルがまた上手い。
『君の名は。』『怒り』『海よりもまだ深く』『淵に立つ』『恋人たち』など今年 鑑賞した邦画はレベルが高い。『永い言い訳』は、それらの映画をも凌駕する秀作だと思います(^ ^)
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