「愛は星の数ほどない…。」永い言い訳 ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
愛は星の数ほどない…。
死んで初めて実感することってあるのだと、この映画を通じて感じました。
愛していたはずの妻を事故で失った作家。
妻が死んだ時、不倫相手と密会していた事に罪悪感を感じつつも、涙は一滴も流れない…。
ただ、いたずらに時が流れようとしていました。
そんなある時、妻の親友の遺族と出会った作家。
様々な事情から、子供たちの世話する事になった作家は、まるでこれが「罪滅ぼし」とでも言うように、必死に子供たちと過ごします。
徐々にうまく動き始めた生活に、幸福感を見つけ始めた主人公…。
しかし、ある日とうとう見つけてしまうのです。
妻が残した「もう愛してない。ひとかけらも」というメッセージが、密かに妻の携帯に残されていた言葉。
愛するべき時に愛することを怠った代償は、残されたものの心に思っていた以上に深く突き刺さります。
これまで幸せと感じていたものが偽りだとわかった瞬間、彼の心は崩壊してしまうのでした…。
心の崩壊した主人公の役を本木さんが体当たりで演じています。
子供と戯れ、新しい愛の形を見つけたのかと思いきや、予想のつかないラストに心が鷲掴みにされました。
愛する事は、思っている以上に複雑でデリケートなのだということ、そして、失って初めて気付かされるものだという事を感じました。
最後まで心が揺さぶられる映画です…。
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