「後味の悪さは半端ない。不気味に迫る隣人の恐怖。」クリーピー 偽りの隣人 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
後味の悪さは半端ない。不気味に迫る隣人の恐怖。
【賛否両論チェック】
賛:不気味な雰囲気の中、ありふれた幸せな日常が、徐々に狂気の事件へと変わっていく様子が、秀逸に体現されていく。演者さんの怪演も圧巻。
否:「なんでそうなったの?」と納得出来ない部分も多く、消化不良感はかなりある。グロシーンも後半で急に増えるほか、終わり方もやや唐突。
「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です。」
という不気味なフレーズが衝撃を与えた本作。ストーリーもそれに違わず、終始不気味な雰囲気が漂っています。そして特に後半は、前半とは打って変わった衝撃的かつ恐るべき内容が待ち受けています。
展開そのものは予定調和というか、
「こうなりそうだな・・・」
と思う通りに進む感じで、さほど新鮮味はありませんが、日常が狂気に変わっていく様が、一癖も二癖もある登場人物達と共に、淡々と描かれていきます。特に香川照之さん、見事すぎる怪演です(笑)。
ただ、辿り着いた真相でも、決して全てが語られるわけでもないので、
「えっ、結局・・・どういうこと?」
「・・・っていうか、どうしてそうなったの?」
という消化不良感は、かなり残りそうです。そうした意味合いでの後味の悪さも、賛否が分かれそうなところです。
とはいえ、何気ない日常が入り口となり、底なしの恐怖へといざなわれていくようなミステリーですので、気になった方は是非ご覧下さい。
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