「脚本内容は秀逸!」スキャナー 記憶のカケラをよむ男 せっちゃそさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本内容は秀逸!
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「残留思念」を読み取ることができる能力者・極度の人間嫌い・ひきこもり・元芸人という大いにパンチの利いた主役・仙石を野村萬斎が器用に演じきっています。
脚本家が「野村萬斎をイメージした」と明言しており、これが映画オリジナル作品の強みなんだなぁと思いました。
この作品一番の見どころは、伏線の回収っぷりです。
特に素晴らしかったのは、思念で浮かび上がった雪絵の「才能は自分のためじゃなく人のためにあるのよ」のことば。
その伏線が最終盤の真犯人と対峙する場面で、
”才能”を使い真犯人に真実を伝えるとともに、思念上で積年の無念を晴らしてあげることで回収されたときには、事件の解決と同時に仙石自身の変化も感じられたことも相まって、善いカタルシスを得ることができました。
伏線は余すことなく回収され、展開に次ぐ展開でミステリー・サスペンス性も高い。
さらに、人間の暗部が嫌なほど見えてしまう”才能”のせいで嫌いになっていた人間を、その”才能”で救い出していくにつれ少しずつ克服していくという人間ドラマも描かれていて、本当に脚本はよく練られているなぁ、と思います。
ただ、どこか「土曜ワイド劇場」感がにじみ出ていて
ドラマ以上映画未満、な雰囲気を感じざるを得なかったのがちょっぴり残念でした。
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