「多少のツッコミどころはご愛嬌?」僕だけがいない街 saburoさんの映画レビュー(感想・評価)
多少のツッコミどころはご愛嬌?
原作は一巻だけ既読の状態で鑑賞。
作品全体としては、多少のツッコミどころはあっても大きな破綻は無いため、ハラハラしながら楽しく観れる(その多少のツッコミどころが許せない人もいるだろうが「オレンジ」よりはマシだったと思えば...)
キャスト的には、鈴木奈央ちゃんの演技が上手くて驚いた。
ぶっちゃけ、内容は「バタフライエフェクト」なのだが、サイコな犯人との攻防戦があるため、そのぶん目新しい。
しかし犯人役のキャスティングはどうにかならなかったのだろうか?
火曜サスペンスと同じで、この配役だったらコイツが犯人なんだろうなあ、という感じで予想が出来てしまう。しょうがないんだろうけど...
大枠としては良く出来た映画だとは思うが、細かい部分が荒かったように感じる。
雛月を1回目守れなかったとき、雛月は誰に殺されたのか?とか。
橋から落とされた主人公は、なぜ助かったのか?とか。
途中からリバイバルの発生条件が何でもありになってたりとか...。
そういった細かい部分の回収はやはり120分では難しかったのだろうか(それでも前後編にしなかったことは偉い。最近の前後編ブームはどう考えてもおかしい。前編がよっぽど面白くない限り後編なんか観ねえぞ)
あとは、衣裳、小道具類が安っぽいというか、あまり魅力的には感じなかった。
暗い話だから、地味に抑えたのかもしれないが、倉庫のアリモノひっぱり出してきたみたいな感じで、もうちょっとクリエイティブな仕事すればいいのにと思った。原作と似たような服着せればOK、みたいな発想はプロの仕事では無いと思う。
ポスターなんかにも表れているように、せっかく面白いのに何故か全体的に安っぽい。
全国320館ロードショーなのだから、それなりに予算もあったはずなのに。
全国ロードショーで、あんな30秒で考えられるようなポスター、宣伝部は恥ずかしいと思ったほうがいい。
いろいろ余計なことまで言ってしまいましたが、120分と感じぬほど作品はハラハラして面白かったです。それだけに、もう少し上手くやれば。。。と、思った次第です。