ムーン・ウォーカーズのレビュー・感想・評価
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二人のロンのロンド(輪舞)
主演に『ハリーポッター』のロン役、ルパート・グリントと『パシフィック・リム』ハンニバル役、ロン・パールマン。
【ストーリー】
1969年。
NASAのアポロ計画もいよいよ大づめ、11号による月面着陸の段階へと進んでいた。
世界が息をのんで歴史的瞬間を見まもるさなか、アメリカ政府はNASAへの不審から、ある計画を立てる。
万が一失敗したとき、アメリカの威信を守るためのフェイク映像を、『2001年宇宙の旅』の監督、キューブリックに撮らせておくというものだった。
キューブリックは数年前からイギリスに移住しており、至急、駐英エージェントに連絡をとる。
計画の実行役を押しつけられたキッドマン(ロン・パールマン)は、芸能事務所へ足をはこび、破格の現金でオファーを受けさせる。
だが、そこにいたのはキューブリックではなく、多額の借金を負ってマフィアに追われている、露悪なロックバンドのマネージャー・ジョニーと、役者志望のルームメイト・レオンだった。
主演のルパート・グリントとロン・パールマン。
スラップスティック・コメディらしい、変な取りあわせですけど(笑)
ルパート・グリントって言ったらもうハリポタのロンですね。
彼の演技や存在感けっこう好きで、なんならダニエル・ラドクリフやエマ・ワトソンよりも好きです。
パールマンも、場慣れした暴力ヤロウさせたら無二の存在感。
でもこの物語の一番の牽引役なせいで、パールマンがヤクづけになったあたりから展開が雑になっちゃってグダグダしちゃうんですが。
グダグダに一役買う、ずーっとマリファナふかしてるヒッピー女のエラ役、エリカ・セイントもなんかいいカンジ。
この映画、60〜70年代のヒッピー文化がかなり細かく再現されてます。
建物も家具も、当時の物をよくそろえてあって、そっちの勉強にもなったり。
しかしヒッピー文化って、人類の一番怠惰な形態ですな。
ローマ帝国も終盤、あんな感じだったのかも。
それだけに、惹かれる部分も多いんですけど。
バイオレンスなシーンも多い、一風変わったコメディ。
誰にでもおすすめはしませんけど、ルパートのわちゃわちゃ演技とパールマンのムッツリ顔、あとヒッピー文化に興味がおありなら、ぜひぜひ。
オペレーション・ルーン
元ネタは2003年の4月1日にフランスのTVで放送された偽ドキュメント「オペレーション・ルーン(Operation Lune)」、月面着陸はNASAがキューブリックに撮らせたヤラセという内容でキューブリックの妻のクリスティアーヌや義弟のヤン・ハーランまで出演という凝りようだったが、エープリールフールのおふざけ番組だったとされている。日本でも「ビートたけしの世界はこうしてダマされた!?(2003年12月31日」で取り上げられたらしいから当時は真に受ける人も居たかもしれない。
それにしても、この映画、冒頭から急に意味不明のアニメが出てきて嫌な予感、ブラックコメディとは言え、下品極まりないし、やたらと人が死ぬ展開はおフランスらしいB級映画、ラストにCIAから逃げたジョニーたちが酒場でアポロの中継を観て本物かと戸惑う当たりはせめてもの製作者の良心なのかも・・。
コメディ強すぎ
196X年月面着陸捏造の旅
有人火星計画をサスペンスフルに描いたフィクション『カプリコン・1』。
こちらは今も噂が絶えないアポロ11号の月面着陸捏造疑惑。
しかもそれを仕立て上げたのは、『2001年宇宙の旅』で知られるあの天才だった…?!
196X年。一向に成功の見通しが無いNASAの月面着陸計画。
しびれを切らしたアメリカ政府は計画を“仕立て上げる”事に。『2001年宇宙の旅』で本物そっくりの宇宙映像を撮ったスタンリー・キューブリック監督にあたかも人類が月面着陸に成功したよう撮影して貰う。
極秘任務の責任者となったCIA諜報員のキッドマンはアポを取る為とあるオフィスへ。
若いエージェントと会い、後日キューブリックとも会い、資金を渡す。
…ところが、すぐ騙された事に気付く。
エージェントはたまたまあの日オフィスに居合わせていただけの借金まみれの青年、ジョニー。
キッドマンが手にしていた大金に目が眩み…。あ、言うまでもないけど、キューブリックは偽者。
金がアメリカ政府のヤバい事に関わると知って、途端にビビるジョニー。
あっという間にジョニーの居所を突き止めたキッドマン。
金は返済の為にヤバい連中の元へ、秘密も知られてしまった。テメェーの道はただ一つ。
俺と一緒に“月面着陸”して貰おうか。
まずは監督探し。当然キューブリック本人は無理なので、ジョニーの心当たりを。
気持ち悪い奇人変人…いや、異端肌のアーティスト。
漆黒の宇宙の世界をカラフルにしようとしたり、宇宙人を登場させようとしたり、独創的なアイデアを出してくる。
撮影開始。
ジョニーのバンドが“オーディション”と聞いて参加。
政府から圧力。
苛々募るキッドマン。それをヘンテコ連中とクスリで和らげる。
ジョニーの返済相手。キッドマンに奪われた金を取り返しに現れて…。
何となくオチは分かった。
彼らが本当の意味で血を流す思いで撮影した月面着陸。
しかしその時同時に、本物の月面着陸も行われていて…。
ラストは各々が入り乱れ。
結構バイオレンス&グロ描写高い。
月面着陸の裏で行われていた狂騒劇。
もし、これが本当だったら…
そりゃあアメリカ政府は是が非でも月面着陸を成功させたいわな。
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自宅にて鑑賞。ベルギー・仏合作。米のアポロ11号(月面有人着陸時)中継映像とS.キューブリックの捏造と云う都市伝説を描くコメディ。オープニングのタイトルバック、サイケデリックなアニメに始まり、衣裳や途中のBGM迄、時代考証がなされており、当時の映画作りの舞台裏も垣間覘ける。“エラ”のE.サントがチャーミングだった。エンド・ロールで劇中触れられるT.オーデナールト演じる“レナータス”監督が三年かけたと云う『BOUNCE』の一部が観られる。欲を云えば、本番時のドタバタがもう少し観たかった。55/100点。
・R.パールマン演じるCIA諜報員“キッドマン”、ベトナム帰りのトラウマや幻想を持っており、それらが混じったドラッグのトリップ時も描かれている。他にも当時の文化や風土をベース現代風の味付けもなされている。
・英国が舞台の如何にも英国風なブラック・コメディだが、ロケ地、ポスト・プロダクションを含め殆どベルギーで製作されたらしい。
・鑑賞日:2016年3月6日(日)
掘り出し物
ノリは嫌いじゃないけど
サイケでおバカなセンスは嫌いじゃないけど、主人公が振り回されるだけなので、共感ポイントが見えない。PV+コントを見せられた感じだ。
脚本が王道エンターティメントしてたら、けっこう良い作品になったかも?
そもそも月面着陸をキューブリックが撮ったという都市伝説をそのままやった方が良かったんじゃないか?劇中に頭のおかしい監督が出てくるけど、キューブリックもそうとうな変人だったらしい。無茶な欲求、膨らむ予算、意味不明な演出…そのままで面白くなりそう。
人気コメディアンがキューブリックを演じるのもありだったと思う。
リー・マーヴィン
それほどドギツくないエログロコメディ
アメリカの篠原信一みたいなロン・パールマンとハリポタのロンが主演のフランス人監督によるドタバタコメディ。PTSDに悩まされているベトナム戦争帰還兵の真面目なCIAエージェントが、ソビエトに宇宙開発で負けそうだからアポロの月面着陸が失敗したときのために月面着陸のねつ造映像を「2001年宇宙の旅」の監督キューブリックに制作依頼するためにロンドンへ来るが、間違えて、借金まみれのロックバンドマネージャーの若者に大金を渡してしまう。
アメリカ人に対するイギリス人の“バカに仕方”がエグい。
全体にB級ノリのふざけた映画だけど、一般ウケするギリギリのところを保っている感じがする。
ロンとロン。
チラシや宣伝であまりに面白そうな題材に惹かれたのが運のつき。
なにか間違うとこういう仕上がりになってしまうその見本的作品。
アポロ月面着陸にまつわる都市伝説を題材にしたコメディという
発想はかなりイケてるのに、どうでもこうでもなグダグダコメディ
にしてしまったので収拾がつかない(いや、元々つける気もない?)
ハリポタのロンと俳優のロン(パールマン)という面白コンビの結成
なるも、面白くなっていないのがミソ。誰だよ?キューブリック!
といちいち文句つけても仕方ないくらい情けないので、ユルユルと
グダグダの狭間で跳ねる?不思議感覚と要らない暴力描写に何かを
見出せれば吉という、想像以上にB級感覚にあふれた脱力コメディ。
(でもホント、キューブリックだったらどう描いたのかしらねぇ~)
なかなかに奇妙な
真相はこうだった!?不謹慎ネタ満載のブラック・コメディ!!
【賛否両論チェック】
賛:実際にある都市伝説を下にしているので、荒唐無稽なストーリーの中にも、不思議と説得力がある。思わずクスッと笑ってしまうブラック・ジョークも満載。
否:登場するネタがかなりブラックなので、笑えない人には全く笑えなさそう。必然性に疑問の残るラブシーンや、グロシーンも多数ある。
誰しも1度は聞いたことのあるであろう「アポロ月面着陸ねつ造説」を、見事にパロディにしています。幻覚に悩まされるCIA諜報員や、借金まみれのダメマネージャー、すぐにクスリでラリる俳優等々、出てくる登場人物は皆破天荒で割とメチャクチャなんですが(笑)、それでも不思議とストーリーには一定の説得力があります。
一応コメディなので、かなり際どいブラック・ジョークが次々と繰り広げられていきます。なので、笑える人にはメッチャ楽しめると思いますが、逆に笑えない人には全く面白くないと思います。
良くも悪くも、好き嫌いが極端に分かれそうな作品と言えそうです。
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