「劇映画のような印象」美術館を手玉にとった男 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
劇映画のような印象
マーク・ランディスがあまりに個性的であり、語ること全てが現実離れしていて、これは果たして現実に起こったことなのだろうかと疑ってしまうくらいに、奇想天外な内容だった。
周りに付随する取材対象者も、病人を対象にしているためなのか腫れ物に触るようにその発言も全く真実味がないし、騙された美術館側は素直にやられたとは言わないわけで思ってもいない事柄を並び立てているようにしか思えず、それ故にこれは劇映画なのではと錯覚してしまうのである。
結局は、ランディスが贋作を作り続ける衝動は全く分からなかったし、どうやってその技術をものにしたのかも分からなかったけれども、単に模倣というにとどまらず想像した結果の贋作だというのがよくわかった。どうやってこれが描かれたかというのは神のみぞ知る、そう語っていたランディスだからこそ成し得た結果だと思った。
彼に振り回された人とのやりとりにはちょっとした緊張感があり、終始、神経を尖らせながら見ていた気がする。
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