「やはり濱口作品の会話劇は面白い」ハッピーアワー ひでぼーさんの映画レビュー(感想・評価)
やはり濱口作品の会話劇は面白い
ようやく、劇場で鑑賞することができた。
評判に違わぬ面白さだった。
恋愛と人間関係をテーマにして、実に様々な要素が含まれた
人間が持つ理性的な面と情動的な面、
個人の本来の(?)意思と、他者をよりどころとする行動、
演技と自然体、
肉体と精神。
そして、それらのどちらにも傾かず、それぞれを持つ人が互いに影響しあい、助け合い、前に進んでいく。
感情がない淡々とした会話(棒読みともとれる)もあれば、ワークショップやお酒の場の熱のこもった会話もあり、観客がそこに参加してるかのよう。話者だけでなく、聴いている人の表情が散りばめて映し出されているのもとても興味深い。
目線でいうと、カメラ目線が多様される。偶然と想像でも使われていたが、人の本心のようなものに触れた気がする。どこまでいってもわからないものだが、案外、人の目をじっと見るという機会は少ない。
自分が神戸にゆかりがあるからか、神戸には海があり、山があり、電車があり、と街も一つの役者として存在感を発揮している。
おわってみれば、330分という時間はなんということはなく、
台詞でも、芝居でも、演出でも楽しむことができた。
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