「昔、日本語ペラペラのイスラエル人に 「真っ白なカーペットに赤いイン...」ハッピーアワー mekaposiyaさんの映画レビュー(感想・評価)
昔、日本語ペラペラのイスラエル人に 「真っ白なカーペットに赤いイン...
昔、日本語ペラペラのイスラエル人に
「真っ白なカーペットに赤いインクを落すようなものだ!」
と非難された事があります。
本作もそんな感じ。
仲良し30代後半の女性4人組にある事が明かされ次第に波紋が広がっていく。
ホラーでもサスペンスでもなく、
今の時代、この世代に起こり得る人間模様が描かれている。
冒頭、4人がピクニックに来て土砂降りの中お弁当を食べるシーン。
それは彼女達の波乱の始まり。
バツイチで看護師で姉御肌のあかり、
主婦で中3の息子のいる桜子、
キュレーターで編集者の夫を持つ芙美、
そして既婚の純。
舞台は神戸。
神戸を知る人は知っている場所が映るし、何より言葉やイントネーションが心地よく感じるだろう。
濱口作品は『親密さ』しか観ていないけど独特な作風で
『親密さ』でも芝居が丸々映されていたように
本作もワークショップやある女流作家の朗読会が丸々映されている。
自分も参加している体験ができるけど、逆に興味があって参加したワークショップや朗読会ではないから少し退屈に感じたり。。。
でも必要。
あとは別れのシーンや乗り物に乗ってのシーンが好きだな。
彼女達4人の着火剤的存在の脇役のセリフが棒読みで感情が見えにくいのも特徴。
ドラマチックな展開になりえるだろうシーンも冷静な気持ちになって新鮮に感じる。
317分の時間の中で彼女達の“ハッピーアワー”を探してみる。
街の居酒屋の“ハッピーアワー”の短い時間なのかもしれない。
真っ白なカーペットに着いた赤いシミをどのように落とすのか想像してみるのも悪くないと思う。
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