劇場公開日 2015年11月14日

  • 予告編を見る

「日本人好みの勧善懲悪作。ぜい肉の一切ない復讐劇。」ラスト・ナイツ 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0日本人好みの勧善懲悪作。ぜい肉の一切ない復讐劇。

2015年11月16日
PCから投稿

悲しい

怖い

興奮

【賛否両論チェック】
賛:非業の死を遂げた主君の仇を討つべく、辛抱を重ねる主人公の姿が切なく、胸を締め付けられるよう。その分、いざ復讐の時が来て、蜂起した時の痛快さも非常に大きい。無駄なシーンがなく、飽きずに観られるのも嬉しい。
否:展開は分かりきっているので、目新しさはあまりない。グロシーンもあり。

 正しい考えを貫こうとしたがために、非業の死を遂げてしまった主君の仇を討つべく、立ち上がる主人公達。・・・という、コンセプトはまさに忠臣蔵そのもの。判官贔屓な日本人の好みには、とっても合いそうです(笑)。
 敵の目を欺くために、わざと落ちぶれて飲んだくれになったように見せかけ続け、世間からの冷ややかな視線にも耐え続けた主人公の哀しみや悔しさが、クライヴ・オーウェンの演技を通して痛切に伝わってきます。そしてその辛抱が結実し、遂に立ち上がった彼らが、敵の警備を鮮やかにくぐり抜け、それまでのうっ憤を晴らすかのように、命を賭して斬りかかっていく姿は、まさに痛快そのものです。
 また、思わず集中力が切れてしまうような蛇足的なシーンもなく、ストーリーが全くブレずに、コンパクトかつスッキリとまとまっているのも、とっても観やすくてイイと思います。
 グロいシーンも少しだけありますが、〝人の絆の強さ”を改めて見せつけられる、そんな感動作に仕上がっています。

映画コーディネーター・門倉カド