ラスト・ナイツのレビュー・感想・評価
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映画にはなっている
Rotten Tomatoesなどで散々に言われていますが、ちょっと可哀想、でもその低評点ぶりが一足先の「47 Ronin」と殆ど同じ(あちらが一点高いのはキアヌ人気のお陰?)なのが、ごめん、面白い。
「47 Ronin」の物語りは、普通の日本人から見て滅茶苦茶なので(なんか異様なファンタジー突進力があったけど)、まさしく「日本人の新進大作監督が日本のサムライ復讐モノを西欧中世に置き換えて纏めました」な本作は、高評点は逆に好ましがらずももうちょっと認められてもよかったのでは、と長々言い訳のように考えてしまいました。
ただコレ、忠臣蔵リメイク作品の鑑賞に慣れている日本人中年層以上以外にとっては中盤以降、「ん、なにこれ?」「え、なんでこうなってるの?」「なんで皆納得してるの?」の連続ではないでしょうか。忠臣蔵やその日本式感動の仕方を知らない外国人観客には尚更でしょう。
更に海外評を見ると「万国民ごっちゃの異世界ファンタジーなのに魔法使いとかドラゴンとか出てこないしアクションが地味」とか言っていて、監督さんが敢えて抑えた映画の方向(47 Ro…と真逆)や拘り(SFXに頼らない)がもろマイナス要素になってしまった模様。
私としては、正直本作の監督さんはあまり好きな方ではありませんが、本作品が2時間アッサリではなくもっとドロドロ人間展開にしてNetflixのシリーズとして長くやれば格段に良くなったような気がします。
1時間を切って、結末が分かった。
『仁義礼智忠信孝悌』なんだから、主君が受けた不名誉な扱いに対する忠義であり、その他の
「仁は思いやり、
儀は道徳にかなうこと
礼は守るべき作法
智は物事を正しく判断する力
忠は真心、君主に仕える道
信は誠実
孝は父母を大切に
悌は兄弟仲良し」
となるわけだから、儒教の精神がなければ、武士とは言えない。少なくとも、大石内蔵助と吉良上野介の関係では無い。そもそも、忠臣蔵も儒教の精神の忠義だけに日があたり、その他を見落として伝承されている。しかし、大石内蔵助の討ち入りは、儒教の精神を否定しても、やむを得ない武士としての「滅びの美学」が内在している。つまり、彼等の行為(忠臣蔵の討ち入り)は儒教から見れば、エキセントリックなのだ。その大石内蔵助でも、討ち入りまでに冷静さを保っている。そして、万全の体勢で、一人も欠く事無く「忠義」を無事果たした。この映画の「討ち入り」は、ただの復讐劇やRPGに於ける「ボスキャラ倒し」でしか無い。残念ながら。
日本人なら分かると思うが、スター・ウォーズの方が「忠臣蔵」には近いと思うが。
忠臣蔵ではない。
追記
忠臣蔵の吉良上野介は悪者として伝承されているが、決して悪者ではない。
追追記
寧ろ、この映画の方が儒教なのかなぁ?
結末が勧善懲悪の儒教的。ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ジャパンはこんな事は絶対に考え無い。ハリウッドだよー。それなら、スター・ウォーズダネッ。
忠臣蔵西洋伝 バルトーク騎士団
『CASSHERN』『GOEMON』でオリジナルや史実を好き勝手脚色し、賛否両論。
発言も物議を呼び、日本映画界から干された紀里谷和明。
そんな彼のハリウッド・デビューとなった2015年の作品。(…を今頃鑑賞)
うん、確かに『忠臣蔵』だね。
『忠臣蔵』をベースに、中世時代のような架空の帝国を舞台にした史劇アクション。
『忠臣蔵』を海外で映画化…と言うと、キアヌ再起不能かと案じられたかのトンデモ作『47RONIN』を思い出す。
紀里谷、またまたやっちまったか…と思いきや、最高とまでは言わないが、思いの外真っ当な作品であった。
前2作は個人的に辟易。何がダメって、“オレって天才”と自惚れているような意識。
CGてんこ盛りのビジュアルだけに偏り、肝心の中身はお粗末。
本人はドラマチックかつ哲学的に語ってるのだろうが、分かりづらく、それがかえって鼻に付く。
しかし本作は自身のスタイルを封印し、真摯にドラマを語っていく。
不当にも反逆罪を言い渡され、死刑となった主君バルトークを自らの手で斬首した騎士団隊長ライデン。
かつて酒に溺れ、荒れていた自分を救ってくれた敬愛者を失った心の喪失は計り知れない。
再び酒に溺れ、主君から与えられた騎士の魂である剣をも手放し、妻にも見限られ、堕ちた日々…。
が、全ては敵の目を欺く芝居だった!
一年かけて、部下が情報を集め、準備や計画を立て、決行の時がきた。
主君の復讐。ライデンの瞳に炎が燃える。
ここら辺、分かっていても奮い立つものがある。
西洋舞台にアレンジされても、『忠臣蔵』のスピリッツは日本人の心に響く。
クライヴ・オーウェンの誇り高き騎士像。
劇中のみならず、撮影時も監督の支えになったというモーガン・フリーマン。
実直な副官、協力者、憎々しい仇の大臣…。
助演キャストで特筆すべきは、伊原剛志。大臣側の騎士団の隊長。
主君の横暴と忠誠に板挟み。闘う際には相手への礼儀を欠かさず。身を落としたライデンをマークし、その境遇に胸を痛める。バルトークの遺族を侮辱した部下を有無をも言わさず処刑。
この漢も名君に仕えていれば…と思わずにいられない。
ライデン以外の騎士の描写はあまりナシ。あってもちょっと。
故にドラマとしては淡白だが、まあ分かり易さはある。
国や人種の垣根を越えたキャスティングは、今まさにハリウッドが求めているもの。
紀里谷作品では文句ナシに一番良い。
が、前2作と比べると成績は大幅ダウン。批評も芳しくない。
作品は常に賛否両論。本作も支持派からは監督の個性が失われたとの声も。
宿命か。紀里谷は賛否両論と闘い続ける。
紀里谷和明監督がハリウッドデビューを果たした記念すべき作品。
賄賂を渡せと直接的に言わないところでピンとくる・・・まさしく『忠臣蔵』の世界なのだ。忠臣蔵も最近ではハリウッドに認められているが、『47RONIN』などという駄作も誕生する。
領地を没収されてからというもの、大石内蔵助ライデンは酒と女に溺れる始末。復讐に怯えるモットは、強固な城を建築し、部下の一人イトー(伊原剛志)に命じて常に彼を監視させる。そんな中でも他の仲間たちは鉄壁の城の職人として出入りし、綿密に地図を作製してともに復讐を誓いあっていたのだ。モット側にも信頼できるオーギュスト卿(アン・ソンギ)がいて、娘ハンナ(パク・シヨン)を彼に嫁がせながらもライデン側と密通を交わしていた。
巨大すぎる城に侵入するクライマックスは見応え十分で、さすがに日本のオリジナルとは違い、死者もいっぱい出てしまう。そして、復讐を果たすと、残った全員が自首するわけではなく、バルトーク家の名を残すためにライデン一人が処刑を受ける。
主君への忠誠心というものを描いている割には、ライデンとバルトークが友人みたいな表現があった。多分、翻訳者が戸田奈津子だからだろうけど・・・それでも、『47RONIN』よりは日本人として楽しめたし、アメリカでの評価が低いことが疑問に思えるくらい。
最初にびっくりしたのは「DMM.com」プレゼンツとなっていたこと。
忠誠心
内容はざっくり言うと敵討ち。それだけのシンプルな作品だったが、わりと面白かった。やはり忠臣というものは大きな魅力がある。
映像がやたらとねっとりしていたり、終始暗くて冷たい嫌な感じだったりと、見続けるのがしんどいような印象はあったが、これはこれで雰囲気キマっていて悪くない。
GYAO!
仕上げがダメ 監督が素人?
キャストもいい、スタッフもプロ、ただ仕上げが下手。 素人が監督なのか? アメリカの映画館では公開されてない。 日本の宣伝がすごくて騙された。 仕上げができていない。 色の仕上げ、カットわり、構成全体が下手。 監督を違う人にしていたら、いい作品だったかも。
意外と面白い
ゴエモンもCASSHERNも観ているのでどうなるんだろうとは思っていましたが、この監督には息切れしない予算を与えた方が良かったのかな〜と思った一作。
忠臣蔵のストーリーラインを歴史のもやもや部分を取り払う形で洋風ファンタジーに落とし込み、渋くて格好いいビジュアルとカメラワークで、少人数の城攻め、プチメタルギアソリッド、殺陣を楽しめる!という感じで満足度は高かったです。タイマンアクションはちょっともたついてますが。
人によっては凡作以下かもしれませんが、「こういうすっきりする洋風ファンタジーがみたかったんや〜」という方向け。下手に歴史考証とか突っ込んだらボロが出まくるので、ふわっとなんとなくイギリスっぽい感じ…くらいでノリ良く観るのがおすすめ。
埋まらせておくにはもったいない作品。
紀里谷監督過去作品を
GOEMON →CGばかりだったが、ハチャメチャ展開が面白かった
キャシャーン→またCGばかり(二度目は通じません)、しかも何を訴えたいのか分からない。面白くない。
と思った人間です。
さて、今回ハリウッド進出で作った「ラストナイツ」をレビューします。
日本公開時初登場興行収入12位とコケた事は知っていた。
クライブオーウェン、モーガンフリーマン、クリフカーティス等これだけの名俳優を使っているのにも関わらずだ。
「どれだけ内容悪いの?またCGばっかり?」と事前に観る前思ってしまった。
しかし観たら予想とは違う、今までの監督の個性であるCG多様では無い180度違う作品になっていたのである。
ある人は「独特な個性でハリウッドに挑まなかったのか?腰抜けめ!」と思うかもしれない。
しかし、私的には真逆の(例えて言えば画家であるピカソが年齢により画風が違う様に)監督の進化では無いのか?と思った程だ。
元ネタは「忠臣蔵」である。
当主の敵討ちのお話である。
日本人にとっては馴染みがあり、作品内容と結末もおおよそ分かってしまう為、可もなく不可もなく普通の作品に映るかもしれないが、この題材をアレンジしハリウッド映画にしただけでも賞賛に値すると私は思う。
個人的に作品としては面白かった。
観てない人は時間がある時騙されたと思って観て欲しい。
今なら安くレンタルも出来るし。
紀里谷監督の今後の進化に期待したい。
中世西洋風忠臣蔵。47roninより全然マシ
蝋燭の炎など少ない光量で撮るのは雰囲気が出て良かった。
刀や配役に韓国の匂いを混ぜてくる意図が謎。韓国・イギリス映画だから?
殺陣が魅せきれてない上にクライマックスの伊原vsクライヴオーウェンのアクションがイケてない。
ラストカットは格好良い!
紀里谷監督作品なのに、意外にも普通に面白い
過去に何かと日本映画界に物議を醸した紀里谷和明監督作品だけに、一体どんな映画に仕上がっているのか、いろんな期待を持ちながら鑑賞してみましたが、普通に面白いじゃないですか!普通に。
普通に面白いなんて紀里谷監督らしくないなぁ、でも作品としては十分楽しめたので、とりあえずOKです。
まあ元々普通に面白い作品なんて作ろうと思えばいつでも作れたのかもしれませんが、今回はハリウッドデビュー(厳密にはハリウッド映画ではないようですが)と言うことで、とりあえず無難に万人が楽しめる内容に日本のエッセンスを注入した映画を作ってみた感じなのでしょうか?
結局海外での評判はどんなものだったのかなぁ、私は十分面白いと思いましたけどねぇ・・・。
しかしベタな「ラスト・ナイツ」なんてタイトル付けて、センス無いな~なんて思っていたら、なるほど武士道を騎士道に置き換えた忠臣蔵の西洋版を壮大なスケールで描いた話になっていたんですね。
まあこれなら逆にベタなタイトルで良し!
元が忠臣蔵となるといろいろとあの要素が足りないとかこの要素が足りないと厳しい意見も出てきそうですが、私は変にごちゃごちゃ詰め込まずに、シンプルにほぼライデン隊長に絞った話にしたのは、とても見易くて集中できて良かったと思いましたよ。
四十七士的な部下の話も広げようと思えばいくらでも広げられたのでしょうけどね、いや、もしかしたら資金的に厳しくてシンプルにせざるを得なかっただけなのか?(苦笑)
それにしても、今回は今までのようなCGの中に人が不自然に存在していた世界と違って、CGを極力抑えセットや衣装の方を強化して抜群の雰囲気を醸し出していましたね。
全体的に暗くやや抑揚の無い映像ではありましたが、中世ヨーロッパにほんのり東洋色を織り交ぜたような独特の世界観を作り出して、新たな紀里谷ワールドを確立していたと思いましたよ。
ただいくらなんでもキャラがあまりにも多国籍過ぎたのは、さすがにやり過ぎの感もあったかなと。
いやぁ~しかしシンプルな話だったけど、このシンプルさがホントたまらなく良かったなぁ、ギザモット大臣がクズ中のクズだっただけに、尚更感情移入させられました。
クライブ・オーウェンの渋さ、モーガン・フリーマンの存在感、大物2人はさすがの演技でしたね。
そしてライデン隊長に立ち塞がる最大のライバル役の伊原剛志も、日本代表として決して引けをとらない存在感を示していたと思いましたし、ライデン隊長とのチャンバラアクションは最高の一言でした。
普通に面白かったです!
紀里谷さん、しくじり先生出てたもんな。
紀里谷さん、とてもとてーーーも
心境が変わられたんでしょうね。
PR活動も地方から回られたみたいで。
キャスト、裏方どちらも多国籍で。
作風がCASSHERN、GOEMONと
引くほど違いまして。
物語は西洋に置き換えた忠臣蔵そのままでござった。。
忠義を尽くして、1年をかけ復讐を果たす。城へ攻め込むところはグッとはきました。
でげす。
監督の人生を感じさせる作品
私はまず紀里谷監督の考えや彼の挑戦に非常に共感して、過去の作品「CASSHERN」や「GOEMON」、さらにあらゆるメディアでのインタビューや対談、テレビ出演を調べて何十と見尽くした上でこの作品を観ました。
この映画は彼の挑戦したいものが非常に感じられる作品です。それは過去の作品からも一貫しているものだと思います。
まず「国家」という括りに対する挑戦、それは出演するキャストの国籍や肌の色を気にせず、観終わるころには違和感を感じさせないでいること。これは、この作品にある忠誠心、自尊心などの価値観が世界共通としてあるのではないかというメッセージ性にも繋がっているように感じられます。
さらにCASSHERNもそうでしたが、それぞれの正義に対する主張から起こる復讐によって、戦争が終わらないという側面をもつというメッセージも感じられます。だからこの作品は単に忠誠心は美しいだとか、正義だと主張するわけではないと私は解釈しました。
またこの映画を製作したという挑戦自体感動しました。
日本人がハリウッドで映画を作るということ。モーガン・フリーマンなどと名だたる俳優達を前に、映画を完成させなければならない。とてつもないプレッシャーだったはずです。だけど「日本人だから」とか、「自分にはできない」といった根拠のない壁に闘い続けた。
特典映像でも、出演したキャストが一貫して言っていたのは「監督はやりたいことがはっきりしている」ということでした。モーガンもそのような事を言っていたのは非常に重みがありました。映画の意義として、それはすごく大事なことだと思います。
さらに字幕に関しても、今回は戸田奈津子さんと一緒にああじゃない、こうじゃないと話し合いながら作り上げたそうです。戸田奈津子さんも「本当はこうあるべきだと思う」とおっしゃっていました。これまで字幕と内容の印象が違うことに違和感をもつことを経験した方も多かったはずです。
さらに監督自身でビラ配りをしたり、直接全国へ足を運んで映画の思いを伝えたり、映画を我が子のように大事に思ってやるべきことは全部徹底的にやる。そういう姿勢を感じられる映画でした。
この映画は日本人の誰かが挑戦しなければならなかった映画だと思います。映画を批評すること自体迷いましたが、そういった意味で私は素晴らしいと評価しました。
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