「エウレカのエンディング」DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
エウレカのエンディング
勿論、その前から電気グルーヴの存在は知っていたのだが、当時から理解不能な活動をしていた。ナゴムレコードに居たことも、この映画で知った。
近年では、滝は俳優業、卓球はドイツで有名になる、マリンは脱退して久しい、そんなこと位しか情報はなかったのだが、今回このドキュメントを観て、改めて電気グルーヴというグループの、日本の音楽シーンで稀有な存在なんだという事実を見せ付けられた。膨大な映像をディレクティングした人は、大根仁。今までの電気グルーブの真相みたいなものを赤裸々に語っている本作は、ファンにしてみればありがたい内容だったことだと思う。
で、ファンでない人はどう観ればよいか?
此の二人の類稀なるパワーを体感することが正しい観方なのではないだろうか。インタビュー受ける人殆どが、此の二人の圧倒的なパワーに引き込まれてしまっている。その様を映像によって擬似体験することで、人間の持つポテンシャルには上限がないということが認識できるのではないだろうか。
有り余るイマジネーションとそれを具現化するインテリジェンス。そして常に『ふざけ』を漂わせることで、真実を覆い隠す。一種のマジシャンなのかもしれない。
稀代の策士である石野卓球、ピエール滝。此の二人のお陰でどれだけの人間が巻き込まれ、そして奇妙な夢をみてきたのか、想いを馳せずにはいられない、貴重なドキュメンタリーであった。芸人、アーティスト等々、才能がある人間はきちんと破綻している。
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