劇場公開日 2016年4月1日

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「金魚は体外受精で交尾はしないんだけれど」蜜のあわれ nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0金魚は体外受精で交尾はしないんだけれど

2022年2月17日
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原作が1959年に刊行された室生犀星の幻想小説
会話だけのという斬新な手法の小説なんだそうです
3年後に72歳で亡くなっている
原作は読んでいませんが
70近い死がまじかに迫っている老人の心情に共感を覚えます

歳をとるほど若い女性にひかれる気持ちも少しはわかるけど
若くて可愛いだけではだめになってきていて、色気とかフェロモンがないと気持ちがいかないとかね
まだまだ性への欲求はあるけれど、身体がついていかない焦り
知り合いはどんどん死んでいき、話し相手が死者だったり、人間以外になったりが日常になる

金魚は体外受精で交尾はしないんだけれど・・・
夢の無い話は置いといて
他の男に彼女を抱かせる老人の気持ちは若いうちはわからないだろうな
それが少しはわかる年齢になってしまったのがさびしい

映画としては、幻想感に欠ける
これは監督のせいですね
減点です

2016年公開だから二階堂ふみは当時、22歳
彼女のために題材を選んだんだろうけれど、ちょっと違う
彼女は脱ぎっぷりもいいし、演技も上手いんだけれど、ヒロインは彼女じゃない
もっと現実離れしたかわいさと色気がいる
監督のイメージにずれがありますね

だから、映画としての評価は中途半端としかいいようがない

大杉漣も若すぎる
当時、64歳
原作当時とは寿命がのびているからね
80近い人でないと
なんて思うけど、2年たたずに突然死されました

歳は関係無い?
いやいや、歳をとるということは
明日死ぬ確率が、高くなるって事ですよ
なにもかもほっぽり出して逝くのが死です

観たかった作品だけに残念だけど、Amazonプライムだからね
二階堂ふみ作品は観ておきたい

nakaji