「タイトルの意味…」ボリショイ・バビロン 華麗なるバレエの舞台裏 ゆみか。さんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルの意味…
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地方の為、遅ればせながら鑑賞しました。
正直に言うと、バレエ・ドキュメンタリーだと思って観たので、前半の事件性の強さに少し僻遠し、鑑賞後の消化不良感はありました。
しかし「そういえばタイトルにもなってるバビロンってどういう意味だろう?」と何気なく調べたことが転換点。
バビロン:権力、罪悪が集まった場所やモノの象徴
なるほど!
だから「ボリショイ・バビロン」!!!(笑)
観方が180度近く変わりました。
「バレエのドキュメンタリー映画」ではなく、「ボリショイ バレエ団を通して見たロシア・バビロンのドキュメンタリー映画」なのですね。
作中であった「ボリショイはロシアの縮図」という言葉がガツンと効いてきます。
ロシアでも最高峰のバレエ団で踊るダンサーがある程度、利己的であり自己顕示欲が強いのは当然。
全員が平等をうたう社会主義のロシアで、戦時中でも兵役を免除され、劇団総裁就任を首相自らが打診する程、特別で重要なボリショイに権力が関わるのは当然。
そんな当然の事を、非常に深い闇を感じさせるように作られた淡々とした構成にゾッとしました。
なんかもう、
確信をぼやかしている所とか、
あれだけ前半で最大最悪かの様に言ってた事件の被害者である芸術監督が後半で悪者の様になっている所とか、
新総裁がどれだけ芸術を考えている人物で新しい風となり今後の希望の光が見えてきた的な演出とか、
この作品自体に何処までバビロンの魔の手が及んでいるんだろうなぁ…とか深読みしてしまうのは、私が捻くれ者だからかもしれません(笑)
ただ、やはり前半の密○2✖︎時ばりの事件描写がどうにも…な感じは変わらず、★2.5とさせて頂きました。(苦笑)
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