オデッセイのレビュー・感想・評価
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意志の持つ力
火星有人探査機の事故により、一人、火星に取り残された宇宙飛行士のサバイバル劇と彼の救出劇という設定から、悲壮感漂うシリアスな作品だと思ったら、見事に裏切られた。 僅かな食料、水、空気、地球との交信もできない、という絶体絶命の極限状態の中で、マットデーモン演じる宇宙飛行士は、知力と体力をフル活用して、差し迫った問題から順番に一つずつ片付けていく。まずは生き続けるために、植物学者という観点から、食料、水、そして空気の確保に挑んでいく。そして、地球への生還という途方もない目的に、時にトラブルに遭遇して後退しながらも、一歩一歩近付いていく。 何が起きても諦めず平常心を失わず、自分のスタイルを貫いていく姿には、悲壮感はない。生きて地球に帰るんだという強い意志が彼を明るく前向きにさせている。そうはいっても彼も弱い人間であり、意志が萎えることもあるはずである。時折、仲間の残した明るい音楽を聴いているのは、自分の意志が揺らがないように自分を鼓舞するためだろう。彼を救出しようとする地球にいる人達も彼を助けるんだという強い意志で、試行錯誤しながらも、大胆な救出作戦を敢行していく。 大袈裟、感傷的な表現を抑えた淡々と展開するストーリには現実味があり、助かって欲しいという気持ちが強くなり、涙腺が緩んでくる。意志あるところに道があるという諺があるが、絶望的な状況において、意志を持ち続けることの大切さを改めて教えてくれた作品である。
軽妙洒脱なスペースアクション
もっとシリアスを予想していましたが、軽快、且つ深刻な事態の割に結構みんな明るく前向きに演出されていて好感持てます。 科学用語が氾濫して混乱しますが、要は火星に取り残された一人の飛行士を助けようってことなんで、あまり深刻に悩まないでよろしい。 音楽がジョン・ウィリアムス選手風でなく、ポップなロックが全編を飾ってい。てこれが意外に作品の雰囲気を決定づけています。 ただ、制作資金を負担した中国にベンチャラ使ってるのは微笑ましいね。
火星でのサバイバーのお話。
JAXAでも宇宙飛行士へのエントリーがあったが、 かなり色々なジャンルからも受入れを緩和しました。 この映画みたいに「植物学者」というのも有るかも知れない。 私の知らない所で、映画のように火星への距離が縮まっていると思うとワクワウする。 公開された時に映画館で見たけど、かなり忘れていました💦 でも、本当に面白いしなんか夢を感じる。 実は、本の方が好きなんですが…。
持ち前の知識で絶体絶命のピンチを乗り越えていく系。 内容はそれに特...
持ち前の知識で絶体絶命のピンチを乗り越えていく系。 内容はそれに特化してる王道路線。 SF好きなので、楽しめました。 主人公が前向きでいい奴過ぎるのに救われるのと同時に、 少し萎えます。
不満なのはタイトルだけ
わりと辛口のコメントが目立ちますが、「インターステラー」「ゼロ・グラビティ」「アポロ13」などの系譜に属する、本格的なアストロノーツ映画。 きちんとした科学考証をもとに、絶望的状況に陥る宇宙飛行士を描いたこの映画。どうやって生き延びようとするのか、そのキャラクターをこれ以上ないハマリ役でマット・デイモンが好演しています。 内容が難しくてお話についていけなかったり、暗く、重苦しい雰囲気に疲れたりと、SF映画は敬遠される傾向にありますが、シンプルで、「見せる」演出に熟達しているリドリー・スコット作品らしく、映像でその世界観にスッと入り込めます。 マザーシップのデザインが、「エイリアン」「プロメテウス」の延長線上にあるのがちょっと嬉しい演出でした。 この映画を見る限り、有人での火星到達はもはや現実のものになりつつある事を学びました。 タイトルはTHE MARTIANで「火星人」の意味らしいですが、オデッセイというタイトルは何とも大仰で、大上段に構えたモノのようで、この映画の軽さに似つかわしくないと思いました。 ちなみに、IMAX3Dで鑑賞しましたが、あまり効果を感じませんでした。この映画に限っては、通常の2D上映で十分楽しめると思います。 2016.2.15
「指輪物語」のエルロンドの話題になったときのショーン・ビーンの渋い顔が忘れられない!
植物学者でもあるクルーが置き去りにされるというだけで『E.T.』を思い出してしまうのだが、火星には生物も植物も全くいない孤独な状況。通信手段も途絶え、孤独の中で耐えられるのか?という疑問もあり、希望を失わずに一つ一つ困難に立ち向かう姿が凄い。『ゼロ・グラビティ』よりはゆっくりとしたテンポなのだが、それもそのはず、光りが届くのに12分という、地球の軌道とは大きく離れた火星の地だからだ。 まずは体に突き刺さったアンテナを抜くことから始まり、鏡を見ながら縫うシーンも強烈なインパクトを与えてくれた。その後、次の宇宙船が到着するまでは4年かかる現実を見つめ、植物学者の知恵を活かしてジャガイモを育てることを計画するワトニー。移住基地ハブを太陽パネルやら生活必需品を集める姿がNASAでも捉えられ、彼が生きていることがわかる。盛大な葬式を行った後なのに・・・さらに彼は前アレス計画で使われた探査ロボを回収し、地球との交信に成功。とは言え、よくあるSFモノとは一線を画し、最近の宇宙科学に沿っているところが面白い(『ゼロ・グラビティ』でもそんな感じ)。 地球側でもジャガイモ生活を把握し、火星に補給船を送ることを急きょ計画するものの、時間がなかったため打ち上げ失敗・・・そんな中、中国の宇宙局が協力を申し出たり、地球規模でワトニー救出のために盛り上がっていくのだ。 しかし、もっと確実な方法があると一人の青年科学者が提案。帰還の途にあるアレス3が地球周回軌道に入る直前に補給船と合体させ、さらにアレス3(ワトニー以外の5人の飛行士が乗ってる)に火星に戻り、ワトニーを救出するという案!従来のSFモノが好きな人なら即座に考えそうなことをリアルに近いこの物語でやろうということになったのだ。しかも決断は5人の飛行士が独断で行うという・・・ 一人の男を救うことが全世界の大イベントになる様子がとても感動的。ジャガイモだけで生きていけるのかとかいった疑問よりも感動が先に立ってしまうのだ。終盤はアレス4に乗り込むとか、その船にビニールシートを掛けて発射するとか、速度を落とすためにアレス3の一部を爆破させるとか無謀としか思えない展開が待っているが、それもどうでもよくなってくる(笑)。 それはそうと、クルーの1人マルティネス(マイケル・ペーニャ)は次のアレス計画にも参加しちゃうのね・・・
想像しただけでも恐ろしい
個人的にマットデイモンがあまり好きでないので今まで避けてた作品。 見て良かったー! 面白かった。 火星に1人置いてけぼりなんて考えただけでも恐怖! だけど悲壮感をあまり出さず、前向きなシーンばかりで見ていて辛くならずにただただ頑張れ!と応援する気持ちで見れるところがすごく良かった。 やはり知識は大事なんだな。
タイトルなし
この映画が公開されてからの数年で、長らく停滞していた現実世界の宇宙開発は大きく進歩しました。作中にイーロン・マスクがいたならば、ロケットがなくて困るような事態にはならなかったでしょうね。火星有人着陸もそう遠い話ではないでしょう。 本作は映画的な脚色をあまりせず、リアルな宇宙探査現場の再現を意識していたのが見てとれました。それで十分面白いんです。宇宙というのはそれほど魅力的なんですね。 ただ、急ごしらえのエアロック修理だけで宇宙服を脱いでしまうのと、EVAで命綱なしはハラハラさせられました。
ひとりぼっちだけどひとりじゃない
映画館では2016年3月13日地元のイオンシネマで鑑賞 2016年唯一映画館で観た外国作品 それ以来約5年ぶりの鑑賞 事故で亡くなったと思われた宇宙飛行士マーク・ワトニーが1人だけ火星に取り残されるもサバイバル生活で生き残りなんとか地球帰還を果たす話 そんな設定だけでワクワクする ブラックジャックじゃあるまいしマークが自分で手術する姿はエグい 火星での厳しい生活がリアルだ ドラえもんや21エモンのようなお気楽な宇宙旅行ではない 細かい疑問点を指摘するのも醍醐味かも知れないがそんなものはスルーした方が娯楽映画は楽しめる クレバーでタフでクールじゃないと宇宙飛行士は務まらない しかも彼は植物学者 凡人が一人ぼっちで火星生活を強いられたらすぐに頭がおかしくなり自殺するに違いない たいしたもんである 超人的能力はないがマーベルヒーローの誰よりも凄いしカッコいい ユーモアもある 死にたい人たちの愚痴は聞きたくないが死ぬもんかと歯を食いしばる執着心は応援したくなる BGMも良かった 今から30年前の作品なのに『トータルリコール』が全く色褪せないことをこの作品で改めて感じた
絶望に打ちひしがれたときに見たい映画の一本
音を消して観たら、役者の演技が堪能できた。 ワトニーの絶望と孤独。一瞬の、台詞のない表情だけで、背中だけで、佇まいだけで堪能させてくれる。それを振り払うように出てくるジョーク。かえってその孤独・絶望・不安を際立たせる。 アカデミー賞ノミネートも納得の演技。 そんな壊れてもおかしくない心理状態に陥ることもあっても、常に前向き、冷静な状況判断・対応。冷静な状況判断をするということは最悪の結果も予測すると言うこと。でも、対応策を取れれば、回避できるかもしれない。不安に縮こまっているよりもとにかくやる。 宇宙飛行士は独立独歩、自立。自分のことは自分でやる。そのうえでの協調。共依存ではない。全てが自己責任。 ワトニーの精神の強さが際立ってくる。 デイモン氏の元々持つ末っ子のような可愛がりたくなるキャラも影響して、ワトニーが身近に思え、応援したくなってくる。 そんな白眉の演技。 だけど、それを味わう余韻が無い。 あれよあれよと物語が進む。 物語は、一難去ってまた一難。次から次に襲いかかる出来事にハラハラドキドキ。 爆弾を手にするドキドキ。 宇宙空間を浮遊するドキドキ。『2001年宇宙の旅』を思い出すと、いつ宇宙船から宇宙空間に放り出されてしまうんだろうとハラハラ。 そして極め付けがプルトニウムの扱い。あんなところに置いて、被曝しないのかとハラハラドキドキ。映画の中でも「近づくな、土に埋めて、どこに埋めたかしるしを立てよ」と言っているくらいなのに。アメリカ人の、核への感覚ってあの程度のものなんだろうなと再認識。 そして私にとって最大の難点が音楽の選択。 他の方のレビューで曲の選択には意味があるんだと知ったけど、例えそれが解って聞けたとしても、私の趣味には合わなかった。ディスコミュージックとしては好きな曲ばかりだったのだけど…。 出演者はワールドワイド。イスラム系、ピスパニック系、インド系と思われる方とかなり網羅している。そして最大の善人となるのは中国。うん、そうだよね、今なら。 (とは言え、宇宙船建造の長の方はナイスだったけど、助け舟出す方々の役者はもう少し演技ができる方はいなかったのか。あの演技のあの場だけ、1980年代に戻っちゃったかと思ったよ) その中で特筆すべきはジェシカさん。超クール。『ヘルプ』『欲望のバージニア』を見た後だったので、その振り幅に驚嘆。 悲壮感たっぷりにではなく、登場人物それぞれの心情をきちっと抑えつつも、人としての力の大きさを、軽快にポジティブに描いた映画。 音楽は私には合わなかったが、この音楽だからこそハマるという人もたくさんいる。 『コメディ/ミュージカル部門』での受賞。作品を見れば納得なのだけれど、デイモン氏達は、この作品がコメディ/ミュージカルだと認識してこの映画を撮ったのかなあ?せっかくの演技に水かけられた気に勝手になってしまっている…。 なので、☆1つ減らします。 絶望な状況に陥った時、とりあえず何ができるか状況分析して、やれることをやるという精神は見習いたいです。
すごく好きな作品です。 こういう話って熱くていいですよね。 何度も...
すごく好きな作品です。 こういう話って熱くていいですよね。 何度も鑑賞しました。
生存力
生きるための力って大切。 偏らないあらゆる知識を持ち合わせていると、応用力が働き、それが生きる力となる。ただしそれは知識だけではなく実行する勇気が必要であるということ。そしてこの事故を誰のせいでもないと強調できる勇気もほしい。 サバイバル系の作品を観るといつもそう思わせてくれる、そして宇宙や自然は人間に対して無情であり、故にただ存在しているだけの美しさ(潔さ)も感じさせてくれる。だから、大自然やスケールの違うものを見たり感じたりすると人間は自分の悩んでいることを小さく思ったりするのだろう。それはもはや次元が違うから。 バガボンドみたいになってきてるけど、自分もそんな自然体でありたいと思う。 ↓鑑賞記録 2024/6/22
SFの神リドリー・スコット
個人評価:4.2 世界を一つにするには、宇宙人に攻めらめるしかないと思っていたが、なるほど、地球外の星に取り残された人間を救う為にだって世界は一つになれるんだ! キャスティングも素晴らしく、女性船長をジェシカ・チャステインが演じるのもまたにくい。地球から見守るNASAのスタッフのマッケンジー・デイビスもキュートでよい。宇宙服のデザインもカッコ良く、マッド・デイモンの身体によく馴染んでいるフォルムとカラーリングだと思う。 SFの神リドリー・スコット。さすがの業である。
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