オデッセイのレビュー・感想・評価
全584件中、1~20件目を表示
火星に取り残された宇宙飛行士のサバイバルSF映画
地球から2億2530万キロ離れた火星の探査中に嵐に遭い、火星に取り残される主人公。
地球との通信手段もなく、食料は残りわずか。次のクルーが火星を訪れるのは4年後。
生存不可能と思われたが、主人公は死と向き合いながらも孤独なサバイバルを始める。
最後まで諦めない強い気持ちで、冷静に分析と判断をし1つずつ問題を解決していく。
その知力と体力の素晴らしさ、優れた才覚を発揮する姿に圧倒された。
科学的な内容もとても興味深かった。
後半では、主人公を救うために
宇宙船のクルーや地球にいる科学者達が一丸となって救出ミッションに立ち向かい、緊迫感溢れる宇宙の描写と共に描かれていく。
クルーの仲間を想う気持ち、船長の責任感。
困難に立ち向かい最後まで諦めない気持ち、挑戦し続けることの大切さを感じた。
死と向き合いながらのサバイバルだが、
作品全体の雰囲気を明るくポジティブにさせてくれるBGM(David BowieのStarman)がとても良く、注目して観るのもおすすめ。
また、宇宙飛行士の素晴らしさも感じた。
肉体的に鍛え上げられていることはもちろん、知識量と、とても強い精神力。常に非常事態や命が亡くなるかもしれないという想定をしながら考え行動する訓練を沢山積んでいるだろう。
先見性を高め、精神力を鍛える。
常日頃から視野を広くもち、あらゆる可能性を想像する。対処法の選択肢を増やす。
そういう習慣を身につける事で、何か想定外のことが起きても冷静に対応できる。
知識や情報収集量を増やし、沢山の経験を積むことが大事だと感じた。
そして空気があり、水がある。植物が育ち、食べるものがある。地球のありがたみも感じさせてくれた。
「宙わたる教室」からたどり着いた「火星の人」
NHK総合、毎週火曜日放送のドラマ10で「宙わたる教室」というドラマが放映されている。都内の定時制高校の科学部の話なのだが、彼らは、火星の状況を校内で再現して、クレーターを生成する実験に取り組み、学会での発表を目指している。
その実験のきっかけとなったのが、保健室登校をしていた佳純と顧問教師藤竹の、小説「火星の人」にまつわる会話からだった。
このドラマ、とにかく火星あるあるが色々出てくる。火星の夕焼けは青いこととか、火星探査機のオポチュニティのエピソードだとか、昼と夜の寒暖差が100度近くあることとか…。そして、「オデッセイ」が「火星の人」の映画化なんだということを知り、これは観たいなと思って鑑賞した。
ドラマの中でも「映画では夕焼けが青くない」と言っていた通り、伝わり易いように配慮してか、そういったファクトの部分はさらっと地球上に寄せられていたが、内容としてはとてもいい映画だった。
取り残されたマークが、死を覚悟しつつも生きることを諦めずに、自分のこれまでのありとあらゆる知見を活用して活路を見出していく姿。地球とコンタクトが取れない中で、NASAとマークが互いにコミュニケーションの方法を探り合って、課題をクリアしていく姿。不可能にみえるミッションも、誰かしらの新たな発想を持ち込んで乗り越える姿。そして、たった一人の命を、国を超えて皆で救おうとしていく姿。それらの姿が胸を打つ。
火星に一人残されたマークと重ねるのもおこがましいが、自分も今年3ヶ月間の入院をして、周囲の人達には覚悟をさせてしまう状況もあった。映画でも、悲壮感漂うNASAの人々に対して、当のマークはどこかあっけらかんとしていたが、自分はそこにとても共感できた。
マークとて、自分の死を考えない訳ではなかったろうが、ずっと悲嘆に暮れているのは、ちょっと違うと思うのだ。今とにかく生きていて、やれることがある状況なのだから、いつも通りに、これまで一人の時間を過ごして来た時と同じような生活を送ることは、とても自然なことだと思う。だから、ログの動画撮影の場面は、笑いながら楽しく観られたし、クルーたちとの軽口の言い合いは、そうした覚悟を共有するもの同士の絆が感じられた。そして、いよいよ火星を脱出できる時の万感の涙には、自分も退院の時を思い出した。
起承転結のストーリーは明快。展開も王道だが、それでもやっぱり、よいものはよい。
今日もいい映画を観られたことに感謝。
重い状況をあえて重く考えない
状況的にはほぼ死ぬ
自暴自棄になってもおかしくない
それをとにかく目の前の事を一つ一つ解決していく様はBGMも相まって面白いと思いました。
逆にそうする事で心の均衡を保つみたいな
苦しい時こそ笑え
思いつめても笑っても状況は一緒
なら笑ったほうが良い
戦後良く使われた言葉です。
強い言葉だなと思います。
火星に一人取り残された マーク・ワトニーが、 地球へ帰るための執念...
火星に一人取り残された
マーク・ワトニーが、
地球へ帰るための執念に脱帽した。
SF映画というと、
どこかしらCGやら、
ストーリーの設定やらがうさんくさく感じることあるが、
この映画では、
マーク・ワトニーの人間性がしっかりと描かれていて、
そういった人間臭さが感動を与えてくれるのだと思う。
だんだんと体が瘦せていっているのも、
役者として役作りで痩せたのだろうか。
役者魂を感じる映画でした。
ダメだけど、ダメじゃなかった
最初にダメ出し。
宇宙や火星の描写はイマイチ見応えがない。
130インチのスクリーンで視聴。以前テレビモニターで観た時よりは迫力は感じた。
SFは好きだしガンダムも好きだが、NASAを持ち出してファンタジー作ってしまったらオシマイ。NASAそのものがファンタジーであるとバラしたいのであれば納得。
宇宙用スーツの腰の結合部分をきちんと見せてくれないし、宇宙空間の設定が進歩がないというか出鱈目のままで残念。
主役のマット・デイモンの演技が良かった。サバイバルする舞台が火星という設定には違和感があるが、それなりにリアリティがあって、トイレ事情の描写、16進法という発想が出て来たり、水を作る方法や電気も自給自足したりして面白い。我らの住むEARTHなら、もっと自給自足出来るというメッセージも感じる。意外とライフライン利権や現行システムへのアンチテーゼが含まれているかもしれない。
全体的に演じた役者たちが良いのは確かで、特に船長が魅力的な人であった。
クライマックスはベタだけど良いシーン。ラストのマット・デイモンも格好良いし、BGMの選曲が抜群に好み。デビッド・ボウイのスターマンがかかった時が面白さのピークで、その後は奇跡的過ぎ&強引過ぎる展開で、兎に角ハッピーエンディングに持っていこうとするムードが微妙だと感じた。
火星に1人取り残されたら?
火星に1人取り残されたという、とんでもない設定の物語。規模がデカすぎて、ちとイメージが湧かなすぎる。
そのせいか、取り残されたのにこんなに明るくお気楽なの⁉︎と感じてしまった。だって助けが来ると言っても最初は4年後とか言っているのに、受け止め方が軽い。
そういう点では、エンタメ要素がかなり強かったのかなと感じる作品でした。皆さんが高評価ながらも、少し物足りなさを感じた点がそこでしょうか。(そもそもあの小さい施設が綺麗に火星で残っているのも不思議)
ただ、火星やら宇宙の映像美は圧巻で、素晴らしかった。最近の映像技術はすごかったです。
宇宙開発が盛んなこの時期だからこそ作る意味があった作品。
2012年8月6日にNASAの火星探査車「キュリオシティ」が火星に着陸した。
個人的な印象だが、あのころから人々は火星に興味を持ちはじめた印象がある。有人・無人はともかくとして人類がアクセスできる場所としての興味だ。
もちろん、まだ人間が火星にいったことはない。それでもNASAや民間宇宙企業が開発競争を加速しているのを見ていると、近いうちにいけるのではないかという気がしてくる。
そのような状況で本作である。
火星に取り残された植物学者マーク・ワトニーがなんとか生き延びようと、ひとりきりでさまざまな工夫をこらす。そして、彼が生きていることに気づいたNASAは、ワトニーを地球に連れ戻すために知恵をしぼる。
本作では火星という、誰もいったことのない土地で生き延びねばならなくなった人間の孤独なサバイバルと、彼を支える仲間たちの姿が描かれる。
サバイバル術もリアルなような気もする。なにしろ誰も火星にいったことがないので、本当にそういうことが可能なのかわからない。「エイリアン」の描写に現実的な要素は求めないが、本作のように科学的・植物学的な説明がはいる作品についてはリアルなのか、とまずは疑ってかかってしまう。
とはいえ、「2001年宇宙の旅」のほうがリアルに見える、というのは思った。モノリスやスターチャイルドといった、リアルとはかけはなれた要素が登場するにもかかわらず、リアルに感じるのは、キューブリックのすごさなのかもしれない。もしくは小説を担当した、 アーサー・C・クラークの腕前なのか。
製作費150億円。
興行収入920億円。
映画としては成功している。
マット・デイモンやジェシカ・チャスティン、ショーン・ビーンといった有名俳優のおかげもあって、安心して観られる作品だった。
難を言えば、火星に取り残された植物学者がいかに孤独か、といった部分の描写が弱かったと思う。
本作は宇宙開発が盛んになってきたタイミングで作られたサバイバルものではあるが、孤独にさいなまれる人間と、それを助けようとする仲間といった、それこそ宇宙規模の距離も描いてほしかった。
そして、サバイバル映画としてはやや地味な仕上がりになっている。
好きな映画ではあるが、どっちつかずになってしまっている印象ではある。
火星で1人鉄腕DASH
王道SF作品。火星に取り残されることとなった理由や状況がリアル。何もない世界でたった1人取り残される恐怖と絶望は想像にあまりある。何もない世界でたった1人取り残される恐怖は、想像にあまりある。そんな状況で前向きに技術知識の術を尽くして生き残る主人公のポジティブさが素晴らしいそんな状況で前向きに技術知識の術を尽くして生き残る主人公のポジティブさ。所々笑えるポイントがあるのもいい。
火星版鉄腕DASHという表現をどこかで見たが、納得。
知識とアイデアは絶望を希望に変える
火星探査中のクルーが激しい砂嵐に襲われる。そのクルーの1人、植物学者のマークは嵐による飛来物に巻き込まれ行方不明になる。死亡したと判断され、他のクルーは帰還する選択をとる。しかし奇跡的に彼は生きており結果的に火星に取り残されることになる。マークは4年後にある次の火星探査計画まで生き延びることを決意する。
通信手段がなく自身の生存を伝えることができない中、食料もわずかな極限状況で植物学者としての知識と経験を使い、1個1個問題を解決しながら火星でのサバイバルを開始する。
私が最も印象に残っていることは、
知識と経験はどんな状況であっても自分の武器になり可能性を広げることができるという事です。植物学者としての知識とそれを使うアイデアによって生存不可能と思われた状況に希望を見出していくマークの姿にあきらめないことの大事さを改めて感じました。
個人的には食料問題の解決方法が「火星でそんなことできるのか」と必見です。
求める結果を得るためにはどうすればいいか、事業家として私も日々試行錯誤をしていますが、知識と経験により視野が広くなりできることが増えることを体感しています。知識を得る最も身近で効果的な方法は読書だと考えていて、私も日々読んでいます。
いろんな知識をつけることで人生の見える景色が変わるかもしれませんね。
火星に取り残されても諦めない人
SF映画の中ではかなり好きな部類に入る作品でした。主人公はとある出来事のせいで火星に取り残され絶望的な状況に陥るのですが、救助が来るまでの間に色々と試行錯誤して生き延びようとするお話です。話自体はかなりシンプルで個人的にはインターステラーよりも面白かった。
火星わくわくサバイバル生活
もしくは、脱出島火星編。
映画館とレンタル開始直後の2回見ていて、今回が3回目。アマプラで見られるようになってすぐ見た。やはり面白い映画は何度見ても面白い。
地球では火星に取り残された主人公の精神状態を心配する中、本人は超ポジティブに楽しんでるぐらい。
思わず笑っちゃう。
火星で生き残るためにあらゆる方法を模索するわけだが、賢い人ってすごいよ。
一番の問題は飯。
次に助けが来る日を想定して、それまでに餓死しないためにはどれくらい必要なのか。当然非常食だけでは足りない。ならば栽培するしかない。火星で!
一般人には到底できない。
また、それだけでは限界があるから、なんとか地球と通信をしたい。
そんなことどうすればいいのか。それも解決していく。
前半の説得力があるので、後半は結構とんでも展開が続くが、割と突っ込まずに見られるのはさすがの構成。
それにしても、視聴者は地球のやりとりや救助の人たち、そして火星の主人公、全員の動きや心情を見てるから分かるけど、主人公はあくまで地球と通信してる文字でしかやりとりしてない。
そんな状態で、火星から宇宙に飛び出すのって、マジで怖いよな。
人生をもっと面白がろう!
圧倒的絶望的な状況
それでもチャレンジする!
ユダヤ人の格言を思い出した。
人が生きている限り奪うことができないものがある。
それは知識である。
もっともっと学ぼう!
もっともっと面白がろう!
まさに「I will survive 」
観よう観ようと思いつつ、個人的にはSFものは後回しにする傾向があり、やっと今頃鑑賞。
観終えて後悔!? これは名作、何でもっと早く観なかったのか。
リドリー・スコット監督なので、結構重く創られてると思いきや、ユーモアも交えたかなりくだけたシーンも多用されていて、観ていてとにかく心が弾む。そして度々流れる懐かしのディスコソングが、上がったテンションにさらに拍車をかける。
そして、本来は絶望と隣合わせの緊張ピリピリムードを、スーパーポジティブシンキングで吹っ飛ばしたのは実に爽快。登場人物が皆善人だったのも心洗われる。
そして、エンドロールでのまさかの「I will survive 」。この計算し尽くされた外し方、最後の最後まで心つかまれる。
個人的には、本作はリドリー・スコット監督の最高傑作といってもよいと思う。
「まず始めるんだ。問題を1つ解決したら次の問題に取り組む。そうして解決していけば帰れる」この教訓はこころに刻ませていただこう。
絶対に諦めない。ワトニーならそうする。
公開当時に劇場に行き、最近サブスクでも公開されたので改めて鑑賞。やはり素晴らしい作品だ。「火星でジャガイモを育てる映画」というユニークなシーンが独り歩きしている感があるが、この作品の本質はそこではない。
本作の原作は小説だが、その成り立ちはかなり独特だと聞く。というのも、小説本文を全てインターネットに無料公開し、読者からの指摘を受け付け、内容をレビューした上で本文に取り込んで修正していくという、テック業界でいうところのOSS (オープンソースソフトウェア) に近い形態が取られたとのことだ。こうして「開発」されたシナリオは集合知を武器として圧倒的なリアリティと説得力を備えている。
未来の宇宙開発を舞台にしているにもかかわらず、まるで記録映像を見ているかのような現実感は、この映画最大の魅力だろう。そして「火星に1人置き去り」という果てしなく困難な問題に対して、主人公ワトニーは地道に、泥臭く、しかしあくまでもポジティブに立ち向かっていく。現実とはスーパーマンがひとっ飛びで助けに来てくれるなんてことはなく、チームで協力して限られた資源の中で解決させるしかないのだ。(外部の協力者は現れるが、それだって無敵の解決策ではない)
彼の姿を見て「絶望感が足りない」と言う人はいったい何を求めているのか。目の前の課題を解決してゴールに近づくことを諦めない、科学者としての理想がこの映画にはある。「余裕がありすぎる」という意見は… まあ分からんでもない。あとはまあ、派手なアクションシーンはないので、渋い映画ではある。
それでも、もう一度見たいと思っていて、そして見るたびに励まされる映画だと改めて実感。ワトニーの生きざまは人生の手本にしたいぐらいだ。
全584件中、1~20件目を表示