「視聴前から大まかなあらすじは把握していました。火星に置き去りにされ...」オデッセイ むとうななさんの映画レビュー(感想・評価)
視聴前から大まかなあらすじは把握していました。火星に置き去りにされ...
クリックして本文を読む
視聴前から大まかなあらすじは把握していました。火星に置き去りにされた男が、ただ地味に地道に地球に生きて帰ろうと奮闘する話、とのこと。サバイバルの方法そのものより、その間の主人公の心理状態をどのように描写するかに期待して見たのですが、あまりそのあたりは掘り下げられていないように思えて個人的にちょっと期待はずれでした。
火星にひとりぼっち。当面生きていけるだけの設備や食料は揃っているけれど、少しでも計画が狂ったら即死ぬしかない、当然外には助けを求められる人はおろか空気も水もない。どんなサバイバルも比べられない、いつ気が狂ってもおかしくないくらいの究極の孤独がそこにはあると思うのですが、主人公はほとんど堪えているように見えない。必死に絶望的な状況の中にユーモアを見つけ出して、絶望しないよう自分を鼓舞し続ける姿には感動しましたが、一体何を支えにしてあんなふうに逞しく生き抜けたのかの説明が欠けているように思いました。
例えば十字架を手に寝転んでいるシーンがあったので、敬虔なキリスト教徒だから信仰心を糧に頑張ってるのかなと思えばそんなことはないらしい。では愛する人が地球で待っているからかなと思えば、他のクルーについては地球で待つ家族と交流するシーンがあるのに、主人公については全くそれがありません。
そもそも求めるところと主題が違う映画なんだろうとも思うのですが、もう少しこのあたりを掘り下げてあったらなと思ってしまいました。
コメントする