「とにかく明るい。」オデッセイ mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく明るい。
火星にひとり取り残された宇宙飛行士。彼は植物学者でもあった。
このワンプロットで全編を押し通した。
誰も経験したことのない火星ひとりぼっち。観ている我々も想像するしかなく、しかも想像を絶する。
マーク・ワトニー(マット・デイモン)は何があってもへこたれない。ある種楽天的でもある。そこには根性論ではない理知的な柱があるようだ。また、そうでなければ宇宙飛行士はつとまらないということでもあるだろう。
宇宙では、何かあれば死は一瞬で訪れる。死ななければ生きられる。その究極の二元論である。
リドリー・スコットの演出もその二元論にたって、生きているのだからなんとかする、ということに徹している。
つとめて明るく、という判断は映画をポジティブなものにしている。重苦しい気分になることなく身を委ねられる。
リドリー・スコットの新たな代表作の誕生である。
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