「軽やかで生意気なその姿はまさに”ブリッツクリーグ・バップ”! 新たなるスパイダーマンの活躍に心が踊る♪」スパイダーマン ホームカミング たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
軽やかで生意気なその姿はまさに”ブリッツクリーグ・バップ”! 新たなるスパイダーマンの活躍に心が踊る♪
スーパーヒーローが一堂に会するアメコミアクション映画「MCU」シリーズの第16作にして、蜘蛛の力を手に入れた青年ピーター・パーカーの活躍を描くMCU版『スパイダーマン』シリーズの第1作。
ニューヨークをホームタウンに活動するヒーロー、スパイダーマン。奇妙な武器を扱う密売人を調査していたところ、空を飛ぶヴィラン「バルチャー」が彼の前に立ち塞がる…。
○キャスト
ピーター・パーカー/スパイダーマン…トム・ホランド。
トニー・スターク/アイアンマン…ロバート・ダウニー・Jr。
ハッピー・ホーガン…ジョン・ファブロー。
ペッパー・ポッツ…グウィネス・パルトロー。
スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ…クリス・エヴァンス。
○新キャスト
密売組織のボス、エイドリアン・トゥームス/バルチャーを演じるのは『バードマン』『スポットライト』の、名優マイケル・キートン。
ピーターの学友、ミシェル・ジョーンズを演じるのはミュージシャンやダンサー、テレビドラマで活躍していた新進気鋭の女優、ゼンデイヤ。
ピーターが通う学校で校内放送番組のニュースパーソナリティーを務める女学生、ベティ・ブラントを演じるのは『ナイスガイズ!』のアンガーリー・ライス。
スパイダーマンのスーツに搭載されたAI、カレンの声を演じるのは『ビューティフル・マインド』『そんな彼なら捨てちゃえば?』の、オスカー女優ジェニファー・コネリー。
製作…ケビン・ファイギ。
製作総指揮/原作…スタン・リー。
満を持して遂に登場、親愛なる隣人スパイダーマン!
実は初登場は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)なのですが、今作では主人公として活躍してくれます!
おそらくマーベル作品の中では最も有名で最も人気があるキャラクターでしょう。
実写映画化も今回で6度目。3年振り2度目のリブートです。…リブートしすぎと違う?
今でこそエンタメ界の帝王として君臨するマーベル社ですが、今から20年くらい前までは経営危機でヤバかったらしい。
にっちもさっちもいかなくなったマーベルは、人気キャラクターの映画化権を他社に売り渡してしまう。
そこでソニー主導の下『スパイダーマン』(2002)は制作される。サム・ライミが監督したこの作品は大ヒットを記録しシリーズ化、今日に至るまでのアメコミブームを作り上げた。
しかし、経営破綻したマーベルがキャラクターの映画化権をばら撒いた結果、同じマーベル作品なのにMCUと『X-MEN』は全く関わりのないシリーズになっていたり、MCUにウルヴァリンやデッドプールといった人気キャラクターが登場出来なかったりと、なんだかややこしくて複雑な大人の事情が発生してしまった。
ソニー版『スパイダーマン』の成功がMCUに及ぼした影響は大きい。おそらくソニーが『スパイダーマン』を映画化していなければMCUも存在していなかっただろう。
その点において、ソニーに足を向けて寝られないというのがマーベルの立場。
とはいえ、MCUがフランチャイズとして大成功を収め、企業としての力が圧倒的なものとなった今、マーベルとしては人気No.1キャラクターのスパイダーマンがどうしても欲しい。
相当エゲツない金と権利のやり取りがあったことは想像に難くないが、とにかくスパイダーマンは実家であるマーベルに帰ってきた。
だから本作のタイトルは「ホームカミング」=帰郷な訳ですね。
なお、初期作品を除きMCU作品はディズニーが配給権を持っているが本作はソニーが権利を持っている。その為、動画配信サービス「Disney+」では『スパイダーマン』シリーズが観られないらしい。これぞジ・大人の事情ですね。
(ディズニーがマーベルを買収したのは2009年のこと。まだMCUは『アイアンマン』と『インクレディブル・ハルク』しか公開されていない。このビッグマネーに対する嗅覚と決断の速さ、さすがディズニー恐るべし…。)
映画と関係ない事書きすぎた💦
いや〜、本作面白かったですね。
学園コメディという作風な為、肩の力を抜いて気楽に楽しめる。
事件の規模もこれまでのMCU作品に比べると非常に小さめ。これがニューヨークを守るヒーローというスパイダーマンのキャラクター像にぴったりあった感じで好印象。
とはいえ、その結果結構地味な作品になっているので、ド派手なアクションを望んでいるとがっかりするかも😞
強敵バルチャーを演じたマイケル・キートンが素晴らしい。というか、キートンを起用することを提案した人が凄い。
かつてバットマンを演じた男に、空を飛ぶ悪党を演じさせるというのは気が利いている。バルチャーがブルース・ウェインと同じ大金持ちキャラであるトニー・スタークを恨んでいるという設定も、おそらくはメタフィクションなネタなんでしょう。
てか、よく考えると本作の騒動もトニー・スタークが原因じゃないか…。いい加減にしろよあの髭のオッさん…。
バルチャーとピーターが予期せぬ出会いをしてしまう場面が本作の白眉。あそこの恐ろしさはほとんどホラー映画の世界。それっぽいBGMをつけたりせず、何気ない感じで演出しているところが上手い!
監督であるジョン・ワッツはホラー作品で長編映画デビューしている。この経験が活きているのかもしれませんね。
「みんなもうスパイダーマンのこと知ってるでしょ!?蜘蛛に噛まれたりとかベンおじさん死んだりとかもうすっ飛ばしますね👅」という思い切りの良さも、個人的には賛成。
ベンおじさんという父性的なメンターの役割を、本作ではトニーに担わせている点もスマート。新たなトニーの一面が見られるのでアイアンマンのファンもニッコリできるはず。
とはいえ、日本の観客の中にはスパイダーマンを全く知らない人もいるだろうし、困惑した人はいるかもね☹️
『アントマン』(2015)や『ドクター・ストレンジ』(2016)は、MCUを全く知らない人でも問題なく楽しめたと思うが、本作は『スパイダーマン』シリーズの1作目でありながら完全に『アベンジャーズ』(2012)や『シビル・ウォー』の続き。
そのため、本作から見始めた人は正直訳がわからなかったのではないでしょうか?この辺りはユニバース化の弊害かも。もう少し一見さんにも優しくしていかないと、今後のMCUはどんどん苦しくなっていくのでは?
本作はスパイダーマンのヒーローとしての活躍よりも、ピーターが如何にしてヒーローとしての自覚をもつか、つまり「大いなる力には大いなる責任が伴う」ことを理解するかという点に比重が置かれている。
そのため未熟なピーターがドジを踏んだりするコメディ要素が楽しい。
しかし、過去作に比べると派手なスイング・アクションや強敵とのバトルは少なめ。
バルチャーとのバトルはちょっとあっさりしすぎている、かな?
クライマックスの輸送機に関してもちょっと疑問。
街中に飛行機が墜落しなかったからよかったけど、街に落ちていたらとんでもないことになってたよね。
短絡的に行動して、市民を危険に晒したという点では、銀行強盗やフェリーの時から成長していない、という風にも捉えられる。
向こう見ずな性格をトニーに嗜められていたけど、結局最後までそれは治らなかった、というのはヒーローの成長物語としては上手くないかも。
あとランタイムが133分というのは少し長いかな。
面白いので間延びしたようには感じなかったが、小さなお話なのでもっとコンパクトに纏めることも出来たはず。
まぁなんだかんだ言ったけど、OPにニューヨーク・パンクのレジェンドバンド、ラモーンズの「電撃バップ」を持ってきた時点でフゥー!最高ー!!!
このラモーンズを使うというセンスが良い!!たしかにスパイダーマンのお調子者感と自由な感じはラモーンズっぽいわ!
MCUの吹き替えは残念な出来が多いが、本作の吹き替えは最高だった!
ただ、日本オリジナルエンディングとして関ジャニ∞を使うことを提案したバカはショッカーにぶん殴られてください⚡️
rinrinさん、コメントありがとうございます😊
「スパイダーマンのテーマ」をカバーしたこともあるラモーンズの楽曲を、今度は映画で使い返す!粋ですよね!
こちらこそ宜しくお願いします!
こんにちは!
ラモーンズかけるセンスd(≧▽≦*)
テレビでかかってもグッときます!
フォローありがとうございます。宜しくお願い致します*_ _)ペコリ✦