「10代こそ見るべき映画」スパイダーマン ホームカミング お賃金がギンギンさんの映画レビュー(感想・評価)
10代こそ見るべき映画
夏が非常に忙しく公開日からだいぶ遅れての鑑賞だが、本当に良かった。満足度がとても高い。他の人のレビューを見て考えた結果、この満足度は自分が10代であるからだと推測する。
この映画は共感すればするほど面白さが増すだろう。私はピーターと同世代の高校生。ドラマ、映画、舞台のオタクでピーター同様スクールカーストも高くない。文化祭の準備をサボってスパイダーマンを見に行く根暗である。だからこそピーターやネッドの過ごす高校生活のリアリティに、共感ばかりしていた(特にパーティーの場違いさ! トラウマが発動して本当は直視したくなかった)。作中の高校はとにかく色々な人種がいる。そういった学校に留学していた時期があったので、そこら辺もすんなり受け入れられたが、違和感を抱く人はいると思う。
10代、特に高校生って難しい。「もう大人なんだから」「まだ子供でしょ」の間にいる。常に何かを成し遂げたくって毎日うずうずしている。高校生は大人になるサナギの期間だ。ピーターは早く飛びたいのに飛べないこのもどかしさに苛立っている。このもどかしさの表現こそが『スパイダーマン:ホームカミング』を10代が見るべきである理由だと私は考える。夢は簡単に叶わないし、未熟が故に人に迷惑も沢山かける。思ってる程自分は優れた人間じゃないし、大人の助けなしではなにも成し遂げられない。でも、スーツなんてなくてもきっかけがあれば殻をぶち破れる。そう勇気を与えてくれる映画だ。先程述べたリアリティと、スクールカースト下位の人間が悪を倒し、ヒーロー組織の一員になるという非現実さのバランスが良い。
これを見ようかどうか検討しているサナギのみんなは今すぐ見てほしい。ここには私達のリアルがある。毎日がもどかしくって、「大人は分かってくれない」って言い合う私達の暮らしがある。次のヒーローは、私達の誰かかもしれない。
ここまで高校生だからと舐められないように必死に文章を書いたが、僕は今天井に張り付ける気が凄いする。スパイダーマンになれる気も凄いする。ハッピーさんお電話待ってます。