「これぞ’17年という時代性にふさわしい見事な跳躍」スパイダーマン ホームカミング ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
これぞ’17年という時代性にふさわしい見事な跳躍
個人的に、「アメイジング」シリーズの主演二人が好きだっただけに、ソニーピクチャーズがこれを打ち切ったことにやるせなさを感じていた。が、今この最新作を見せられると、結果として、監督、出演者、観客の全てにとって良い判断だったと言わざるをえない。
この映画には、少年が手元から糸を発射してご近所から摩天楼まで自由自在に飛び回る無邪気な喜びと興奮に満ちているし、それに脚本上の小難しいプロットとは無縁の、映像を見ているだけで楽しめる単純明快さがある。何よりもトム・ホランドの全身から放出される「キャッホー!」と絶叫したくなるほどの躍動がたまらない。
クイーンズにある高校の人種比率、快活なメイおばさんの素晴らしさ。それにマイケル・キートン演じる悪役も、もはや善悪を超えたところに彼なりの人生と、覚悟が滲み出ていて絶妙だ。すべての面においてこれぞ2017年という時代性に即した見事な仕上がりと言えるだろう。
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