「新世代のMCUを担う作品…?」スパイダーマン ホームカミング 神社エールさんの映画レビュー(感想・評価)
新世代のMCUを担う作品…?
マーベルシネマティックユニバース(MCU)は今までの作品はほぼ観賞済(ジェシカ・ジョーンズ、デア・デビル、ルーク・ケイジ以外)。原作未読。
スパイダーマンの映画シリーズは、サム・ライミ版三部作、マーク・ウェブ版2作品観賞済。
今までスパイダーマンの映画はサムライミ版の三部作が素晴らしすぎて、マーク・ウェブ版にはいまいちハマれず、正直またリブートされるって聞いて「D Lifeで放送してるアニメの方がマシでしょ?」なんて思ってた。
キャプテン・アメリカ シビル・ウォーを見るまでは。
自分の中での"スパイダーマン"のイメージは、『MERVEL VS CAPCOM』シリーズやアニメ版基準なんだけれど、『シビル・ウォー』でトム・ホランド演じたスパイダーマンはサム・ライミ版よりも、アメイジング版よりもそちらに近く、シビル・ウォーのシリアスなストーリーの中でも清涼剤とも言えるような存在で、俄然単独映画が楽しみになるキャラクターになってた。
そして、ようやくホームカミングが公開され、ちらほら流れてくる絶賛の感想をなるべく見ずに劇場に観に行った。
結果、シビルウォーで思った通り、今回の単独映画もMCUの中で清涼剤の様な役割の作品になっていたと思う。
MCUは作品毎に各々の色があって、その色によって全体のシリーズが長く続いても(殆ど)それぞれがそれぞれで楽しめるし、アベンジャーズの様な合流作品ではその色が混ざり合い、そのコントラストが楽しめるんだけど、今回の作品はその中でも緩急の緩の要素が強かったと思う。
観客が今までのスパイダーマンを観ているであろうと言う前提で、ピーター・パーカーがスパイダーマンになるまでの流れや、『大いなる力には大いなる責任が伴う』と言う言葉を廃することで(後々出てくる可能性はあるけれど)、そこをクローズアップせざるを得ない尺や暗くなってしまいがちなストーリーラインではなく、今回は(タイトルも相まって)今までソニーピクチャーズで描いてたスパイダーマンがMCUに帰って来た、本来の場所へ帰ってくるって言う意味に感じられたし、ストーリーラインも"本来の自分を取り戻す"って言うものになっていたと思う。
近い時期に公開されたパワーレンジャーもヒーローとしての部分よりも学生、ティーンの部分が割合として多かった気がするけど、パワーレンジャーと同じく、他のヒーローとの差別化や、MCUの中では、(トニー役のロバートダウニーJrがそろそろ引退したいみたいな話を見ると)"これからを担う世代"のスパイダーマンだ(原作ではトニーの精神的後継者の様な役割も担ったことがあるらしい)からこそ、ゲスト出演したのがMCU一作目のトニースタークだったんじゃないだろうか。
サムライミ版三部作を期待していると見劣りする人もいるかもしれないけれど、これから始まるスパイダーマンシリーズの一作目と考えれば、今後が楽しみになる素晴らしい作品だった。