「マーベル史上最も有名なご近所ヒーロー」スパイダーマン ホームカミング 2501さんの映画レビュー(感想・評価)
マーベル史上最も有名なご近所ヒーロー
シビルウォーでの参戦から待ちに待ったスパイダーマンの単独作品です。
トム・ホランド演じるスパイダーマンは歴代実写版と比べると随分とコミカルなキャラで、良い意味で十代らしさがありました。
シビルウォーではビッグマッチに参加したスパイダーマンですが、今回は新人研修(?)ということでご近所での地味なヒーロー活動に努めます。
ヒーローの修行期間や下積み時代というのはだいたい面白いものですが、本作は特にそれが楽しかったです。
世界の危機だとか誰が死ぬだとかいう大事ではないけれど、困っている人がいるから助けるというのは身近で親しみが持てます。
本作のヴィランであるヴァルチャーは、アベンジャーズの時に攻めてきたチタウリのテクノロジーを利用してスーツを開発し、スパイダーマンを苦しめます。
あらゆるアメコミ実写化に言えることですが、ヴァルチャーも原作の見た目とは全く異なるデザインになっており、これがまたメカメカしくて素晴しかったです。
鷹のような金属の羽と一対のジェットエンジンはもちろん、緑色の眼光鋭いマスクがこれまたカッコ良く、個人的にはアイアンマンスーツよりも好きです。
ヴィランとなった動機もなんだか共感でき、仲間も良い味出していて「悪役」というよりは「敵役」といった印象でした。
そして本作でのアイアンマンはハルクの時のようなちょい役ではなく、きちんとスーツを着て出てきてくれます。
あのアイアンマンも随分と成長したのか、天才発明家としてスパイダーマンに協力し、先輩ヒーローとして彼を指導します。
一般人を戦いに巻き込んでしまうというシビルウォー以来の悩みを背負っているアイアンマンの言葉には重みがありました。
アイアンマンは、これまでのスパイダーマンの成長のキッカケであったベンおじさんに代わる存在なのかもしれません。
以上の事々をまとめて評価しますと、本作はヒーロー映画の良作でありMCUファンなら必見ですしそうでなくとも大いに楽しめるでしょう。
アメリカでの高評価と興行的成功にも納得がいきます。
なお、試写会でのトム・ホランドは劇中のピーターそのまんまのようなテンションで、スパイダーマンになれたことを心底喜んでいるように見えました。
ああいった人が演じるからこそ本作のスパイダーマンには光るものがあるんだろうなと思います。
スパイダーマンはMCUの集大成の一つであるIWへの参戦が確定していますし、代表的なヴィランであるヴェノムのスピンオフも公開予定とまだまだ先があります。
見事なスタートダッシュを決めた本作とその将来に大いに期待しています。